良くなったから命を絶った。
※一部過激な言葉が出てきます。ご容赦ください。
80代の患者さんでした。
最初は膝が痛くて入院。蓋を開けてみれば鬱の治療歴や糖尿病もあり、内臓もダメージが大きい状態でした。
リハビリ頑張り、良くなり退院。
その後、外来リハビリに通われてました。
一生懸命頑張って、歩けるようになったと嬉しそうでした。
そんな時、介護保険が見直され要介護から要支援に変更となりました。その頃から、元気がなくなってきました。
亡くなる前日、
患者様『先生、今までありがとう。さようなら。』
そう言って帰られました。
2、3日後、自殺されたことを人伝にききました。
その方はお一人暮らし。旦那様とは死別。
近場に息子夫婦がおられましたが一緒には住まれていなかったようです。生活保護を受けながら生活されていたようです。
当時の私は介護保険には疎く、要介護から要支援になることがどのような生活変化をもたらすかを知りませんでした。
その方が命を絶ったのが、生活保護と介護保険によるものとは限りませんが、要支援になったことがきっかけであったのは間違いないことでした。
良くなるように支援するのが理学療法士の本分と心には思いながらも、良くさせることで困る人も出てくるということを経験したのは、当時の私には相当ショックでした。
その方は人前でよく笑いムードメーカーのような存在でしたが、どこか無理をしているような感じを受けていました。どことなく私と近しさを感じたため、リハビリ中は色々と不満や悩みも聞いていました。ストレスフルな生活状況なのかなと思い、解決できなくともお話を聴きながら身体を動かしてもらい健全な肉体と健全な精神を提供することに使命をもっていました。
制度、家族、性格、病気、住まい、環境、お金
それぞれのバランス、大切なようです。
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