須磨出たところ

わたしの好きな駅

 
怪我の功名というか何というか。

JR須磨という駅がある。JR神戸線の駅のひとつで、快速が止まるので使い勝手がいい。近くに須磨海浜公園という駅もあるが、海浜感があるのは圧倒的に須磨駅の方だ。何故なら、駅が砂浜に直結しているからだ。

青空でないのが惜しい。これは改札を出て海側に進むと見える光景である。ちなみ阪神間では南を「海側」北を「山側」と呼ぶのは有名な話だ。元町の大丸に行っても館内のあちこちにそういう表示がある。それはともかく、駅を降りたらそこは砂浜、徒歩0分で最寄駅からダイレクトアクセスだ。

浜側から駅舎を見るとこうなる。今は浜との間に細い舗装路ができてしまったが、少し前まではそんなものさえ無かった気がする。大分前のことになるが、初めてこの駅に降り立った時にはもう笑うしかなかった。

関西暮らしが長いとはいえ、私は元々日本有数の海無し県の出身である。私の体には山と雪と曇り空からなる血が流れている。長野県知事に当選するのは簡単だ。長野に海を作りますと言えばいいのだ。ポートライナーで埋め立て地に渡るだけで、いまだに下を見て「あ、海だ」と思うのだから、これはいよいよ血のなす業としか言いようがない。

なのでこの須磨駅の佇まいは、私にとっては今でも驚きでしかない。いや他にもこういう駅はあるのだと思うが、東京で言えば京浜東北線みたいな大動脈にあたる路線でこうなのは、なかなか貴重なんではなかろうか。

そして駅に戻る階段にはこう書いてある。つくづくおかしな駅である。

何故突如須磨駅とお近付きになったかと言えば、バイクのディーラーさんがこの辺りに移転したからだ。しかし電車で来ればこういう風景が見られ、バイクを引き取った後も、海岸線の道を気持ち良く飛ばせる(ただし取り締まりも多い)。何ごとも変化を楽しめた方が人生楽しいよねと、素直に思うしかなかった。

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