いぢわるな魔女の漢方治療日記22

三月の診察

先生「あれ、髪切った?」
お?先生、意外と見てる。
私 「はい、切りました。スッキリしたくて」
先生「いいじゃない。それで、どう?」
私 「あのー、うそみたいなんですけど、、、」
先生「ん?」
私 「今朝の10時半ぐらいまで、まるで石のお地蔵さんでした。一ミリも動けなかったんです。もう、むしろ、いっそ石になっちゃいたいみたいな感じでした。這うようにトイレに行って、ほんの少しものを食べて、やっとこさっとこ動けるようになりました。今日はもう、本当に診察に行けないと思いました。けど、なんとか来れました。先生にはお地蔵さん状態をわかってもらえないかもしれませんけど。石です。石ころ」
先生「そうか。でも、以前みたいに一日中じゃなくなったでしょ」
くー、先生!そこ、もうちょっと深刻に受け止めてくれても〜。
地蔵ですよ地蔵!
石のお地蔵さん!
先生の患者が地蔵に変身した話ですよ〜!
私 「はい、そこまで長引かなかったです」って弱っぽちい返答。情けない。
私 「今も頭が痛いし、首肩の張りもきついです」
先生「それも熱だね」
私 「お腹も調子悪くて、朝お腹の上の方が痛くて、排便するとおさまりましたけど」
先生「口内炎できた?」
私 「できました」
先生「そうか。もう温めはいいのかな。今日ちょっと処方変えようか。春になる季節の変わり目は、固まっていたものが剥がれるような感じで、一旦悪くなりやすいんだよね。それで痛みが出てるんじゃないかな。からだの奥にあったものが、浅い所に出て来てるよ。そんな感じしない?」
たしかに、痛み方は変わって来ている実感はある。
私 「それと2〜3日前から頭とからだが一致してない感じがして、気がつくと頭の中で色々な物に悪態ついてて、とうとう頭イカレポンチになったかと思いました」
先生「やっぱり熱がこもっちゃったかなー。処方変えるから、それで様子みましょう」
季節の変わり目って、やっぱりポイントだな。
先生「で、今この診察室にいて、どう?」
うわ!また出た!部屋マジックの話。
私 「楽です」
言わされた感満載。でもホントに診察室入ると不思議と楽になる。解せない。
先生「またね、今朝みたいに辛くなったら、診察室に来たイメージをしてみて」
なんですか?それは何か心理療法的な?ナカッター式?
先生「たぶん、楽になると思うよ」
私 「なぜ診察室入るとからだが楽になるか考えてみたんです。この部屋の様子なのか、部屋の匂いなのか、診察してもらえる場所と思うからなのか、プラセボなのか、白衣マジックなのか、はたまた電磁波なのか笑。この間、先生の講座に参加した時も、からだ楽だったんですよね。先生なのかな。なんか先生を見ると楽になるという刷り込みが出来たのかな。ということは、先生のこと思い出せば楽になるってことか」
先生「ははは。それでいいから、楽になった状況をイメージしてみてね」

処方
煎じ薬
血府逐オ湯(ケップチクオトウ)
効能:お血の改善

追加のエキス剤
半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)
効能:胃腸の血行を良くし、みぞおちのつかえなどを改善する。

桃核承気湯(トウカクショウキトウ)
効能:血の流れがとどこおっている状態を改善し、のぼせや便秘、頭痛、めまい、月経不順、月経困難を改善する。

半夏瀉心湯の半夏って、どこかで聞いた事のある言葉の気がするな。
調べてみた。

~半夏ハンゲは、サトイモ科のカラスビシャクの漢名。
カラスビシャクの根茎を外皮を取り除いて乾燥させたものが生薬として使われる。

いやいやもっと他で聞いたことがあるような、、そーかそーか、半夏生の半夏だ。

~半夏(生)は雑節の一つ。二十四節気以外に、季節の変化の目安とする特定の日の総称で、他に節分、八十八夜、彼岸、土用とか呼ばれる日がある。半夏生(はんげしょう)は夏至から11日目、7月2日頃あたりのこと。この頃、梅雨が明け、田にカラスビシャク(半夏)が生えるのを目安に田植えの終期とされてきた。

なるほど。

~半夏の効能は、吐き気をおさえる。
瀉心には、みぞおち付近のつかえを取り去るという意味がある。
ここでいう「つかえ」には、消化不良による胃もたれや吐き気、あるいは不安や緊張など精神的要因でのどが詰まる感じがする場合なども含まれる。

精神的要因か。頭イカレポンチになったもんな。

桃核承気湯(トウカクショウキトウ)
桃の字がつく漢方、かわいい感じ。
桃の何かが入っているのかな。
調べた。
桃仁といって桃の種子の部分が生薬で使われてるんだ。
桃仁には血行をよくする作用がある。
桃核承気湯の効能を見て思ったんだけど、やっぱりこの漢方「お血」を改善する代表的な漢方だった。
今回も処方されている煎じ薬(生薬をお湯でぐつぐつ煎じてつくる漢方)の血府逐オ湯(ケップチクオトウ)と同じ。
「お血」とは血流の停滞のこと。
血府逐オ湯にも、桃仁が入ってた。
血府逐オ湯と桃核承気湯の両方に共通して入っている生薬は、
桃仁(トウニン)と甘草(カンゾウ)の二つ。
「お血」に対しての漢方も、アプローチの仕方がそれぞれなんだな。
「頭が痛い」というと、たとえば最近の西洋薬では鎮痛剤としてロキソニンが出される。
それが、漢方だと「頭痛」といっても、その人の体質や状態やらによって「頭痛」に処方される漢方が異なる。どの漢方を処方するか、それが漢方医の腕のみせどころというところか。
この漢方の考え方は、ホリスティックだな。痛み=ロキソニン的な展開じゃない。全体を眺めて考える。まさにシュハリ的!これは丁寧に考えないと、大切なヒントを見落とす気配あり。漢方とシュハリは親和性が高いのは、肌で感じる。


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