いぢわるな魔女の漢方治療日記 27

九月2回目の診察。

先生「どう?」
私 「うーん、あんまり。先週胃腸炎になっちゃって、それから不調です。ずっとうっすら気持ち悪いんですよね。のどに痰がへばりついて取れない感じですし、息苦しい」
先生「そーか。鍼灸どうだった?」
私 「よくわかりませんが、治療後、全身なんとなく重くなりました」
(いつものごとく、じーっとからだを見られる)
先生「骨盤の中に新たにお血と水が溜まっちゃってるねぇ。よし、この間の勉強会でも話した羊肉使おうか。鍼灸とぶつけたいんだよな」
私 「あ、来週の火曜日に鍼灸の予約入ってます」
先生「じゃ、ちょっと毎週になるけど、そこにぶつけよう」
ぶつけるって何をぶつけるのだ?
先生「今日処方、がらっと変えるよ。温めながら血を増やすよ。来週の診察日の前に当帰と羊肉、親指ぐらいの生姜と赤ワイン入れて、それを煮込んで飲んで来て」
薬膳の世界。美味しければいいけどな。どんなもんだか。
先生「で、診察の時に一回分の漢方処方するから、それを薬局で飲んでから鍼灸へ行って。で、一気に流すよ。けっこうハードだから薬局から鍼灸院まで付き添いつけるね。人によっては気持ち悪くなったり、くらくらする人もいるからね」
なんか、大掛かりなかんじ。
先生「それと便通つける漢方も変えるね。大黄(ダイオウ)2g出すから自分で調整して飲んでね」
へへ、なんか、おもしろくなってきた。

処方
煎じ薬
当帰建中湯(トウキケンチュウトウ)
効能:体をあたため、痛みをやわらげる。血行をよくして貧血症状を改善する。
これに、
人参(ニンジン)
蒼朮(ソウジュツ)
葛根(カッコン)
ホウ附子(ホウブシ)
が入ってる。
これは、何だろ?ちがう煎じ薬かな?

大黄(ダイオウ)
効能:瀉下(しゃか)

エキス剤
疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)
効能:血行を良くして痛みをやわらげる。腰から足にかけての筋肉や関節の激しい痛みなどを改善する。

大黄(ダイオウ)1回目。
まず半分の1gを煎じ薬に入れる。便通なし。
大黄(ダイオウ)2回目。
2gを投入。夕方腹痛あり。今までの便の出方とは違い、どすんと出た。それから、いままでの腰の痛みが少し和らいだ気がする。
今回の処方された漢方は、飲むとしばらくからだがポカポカする。

診察の前日。
先生に言われた通りのスープ作り。
羊肉200g、処方された煎じ薬、生姜1片、赤ワイン100gで煮込む。それを塩こしょうで味付けして飲む。
味は、ま、まずい。何とも言えずマズい。
なので、熱いうちに飲み干す。オェ。
その後、1〜2時間すぎると身体の芯が温かくなってきた。久々に感じる眠気も「まずいスープ」の効果だろうか。なんだか頭も軽くクラクラする。大丈夫か、これ。

翌日の診察。
先生「どう?」
私 「少し頭がふわふわします」
先生「あのさ」
何?その、あのさって前置詞。
お医者が患者に「あのさ」で始める会話。大体、ろくな展開はしないよね。言い訳系前置詞でしょ、現代国語ではさ。
先生「あのさ、先週さ、トウキの処方さ、出すの、忘れちゃったね(笑)」
忘れた?忘れちゃったって?えーっ!軽いよー、センセー。
私 「え?処方された煎じ薬で羊肉煮て飲んできました。トウキ入ってたし、これでやるのかと思って」
先生「あ、そう。飲んで来たのね。オッケー。方向性は一緒だから大丈夫」
方向性って何?何が大丈夫なの?ぜんぜん理解不能。方向性はいっしょでも、要するに違うということね。
私 「え?違ったんですか?すごい激マズでした。ホントはこんなにマズくないんですか?」
先生「ふふふ、いや大丈夫(笑)」
いや、だから、ふふふじゃねーんだよ。飲んだこっちの身にもなってくれーーー。
私 「なんだー、すごいまずいから、塩きつめに効かせて熱いうちにがんばって飲んだんですよー」
先生「オッケー、オッケー(笑)」
オッケーオッケーとかじゃねーだろーよ。
まぁ、落ち着け、私。
私 「この間、便通をつける薬が大黄に変わったじゃないですか。今までの通導散で便通はあったんですけど、なんというか便の出方が変わってドスンて。お腹の奥の方から出た感じで、ドスン、て。で、不思議なことだったんですけど、その時、その便通と一緒に腰の痛みがスルッて出た感じだったんです。それから腰の痛み方が変わりました。痛みが浅いところにでてきたかんじです。変な話に聞こえますが、そういうことってありますか?」
先生「うん、あるよ。動いたんだね。そのまま動かそう。今一回分だけ処方する漢方を出すから、薬局でもらったらその場で飲んで鍼灸いってね」
私 「前回処方してもらった煎じ薬は当帰建中湯(トウキケンチュウトウ)ですよね。でも、それ以外の生薬も入ってますか?調べたら、違うのも入ってました」
先生「そう。当帰建中湯加減といって、他に必要な生薬も入れてるよ」
そーか。それで合点がいった。

処方
エキス剤
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)
効能:身体をあたため、痛みをやわらげる。下腹部、腰部、手足が冷えて痛むという症状や頭痛を改善する。

四物湯(シモツトウ)
効能:血行を良くし、神経をしずめる。

疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)
効能:血行を良くして痛みをやわらげる。腰から足にかけての筋肉や関節の激しい痛みなどを改善する。

薬局でお湯をもらい、これらを溶かしてぐっと流し込む。
その後、鍼灸院へいく。
背中のある部分が黒ずんでいて、そこがいわゆる気滞といって、まさしく気が滞っているらしい。そこに痛みがあり、それを鍼でながす治療。
漢方と鍼灸の連携治療。
帰宅後、少し身体がだるくなる程度で、さして変化は感じられなかった。

先生に言われて作ったスープ。
「当帰生姜羊肉湯(トウキショウキョウヨウニクトウ)」という薬膳スープ。私は間違えて当帰の入った煎じ薬で作ったけど、本当は当帰だけで作る。血の不足した状態の血虚(ケッキョ)にこのスープを用いられているそーだ。きっともっと美味しいのだと思う。ちっ。


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