ヘアサロンの聖地『青山』激戦区

南青山という街に何が多いか。飲食否。コンビニ否。アパレルまあまあ。ファッションの街なのでアパレル系は当然揃っている。でも、多いかと問われればまあまあという感じ。立派な大きな店構えが多いので、数が溢れる感じではない。
なによりも数多くの店が並ぶのが、ヘアサロン。超有名店は複数店舗を持ち、スタイリストひとりの小さなサロンまで様々揃う。こんなにカットやパーマやカラーをする人がいるの?と単純な疑問が湧く程の数がある。いくつものサロンの前を通れば、店構えに好き嫌いは感じる。いつも、そのお店の前を通っていて店構えがいいなと思っていたサロンがある。せっかく青山にいるので、ご近所のヘアサロンにいってみることにした。7年も暮らして近所のサロンは眺めるだけの存在だったのだ。

当日、電話で予約。
「カットをお願いしたい」と告げると「ご希望のスタイリストはいるか」と問われ「初めてなのでわからない」と答える。
その店のスタイリストには、それぞれ星がついていて、その星の数で料金が違うらしい。「スタイリストはいかが致しますか?」ときたので「わからないのでお任せします」と告げる。初めて電話しているのに、星でなんか判断出来ると思っているのか、初めてでも分かるほど有名なお店なのかな?なんか性に合わない予感。

そして、予約した時間に入店。「レセプショニスト」と呼ばれる受付係の女性が3人が、にこやかに迎えてくれる。(このお客どんな?じろり)的な視線も感じつつ。(すみません、ちんちくりんです。じろり)的なわたし。

少し奥にあるホテルのロビー並のソファに通される。続いてレセプショニストが私の目線に合わせるために、膝をついて受付表を渡される。
名前とか住所を書き込みを終えると、再びレセプショニストが現れて、次の事を確認される。
1 本日はスタイリストと楽しくおしゃべりしたいか、静かに過ごしたいか?
2 本日のヘアスタイルはお客様の注文通りにカットするか、スタイリストに任せるか?

え?
なんなん、それ?
始めてやわ~、そんなん。
(なぜか、謎の関西弁もどきで脳内ひとり言)

私「あ、えーっと、その場の成り行きで」(ほー。そんなことを望む客がいるんだな。ヘアスタイリングだけを求めていないと言う事か)
レセ(レセプショニスト長いので、以下レセ略)「かしこまりました」と立ち上がり、「それではお着替えのご案内を致しますので、こちらへどーぞ」と。

え?
なんなん、それ?
始めてやわ~、そんなん。
お着替え?
ボディトリートメントのサロンじゃないよね?
髪切りにきただけだよね?

レセ「お召し物を汚さないようにと、リラックスして頂けるように皆様にお着替えして頂いております」

なんかわからんけど、めんどくせー。が正直な感想。
まー、初めてなのでお仰せの通りにしますけどね。郷に入っては郷に従えでんな。
上下で30万円とかの普段着のお客さんから、わたしのように上下で2,500円というお出かけ服のお客までいるけど、上基準なのね。

ロッカーと着替え室の場所を説明され、一旦先ほどのソファに戻る。
レセ「では、本日担当させて頂きますスタイリストが参りますので少々お待ち下さい」
少しすると、背の高いスラッとした今時のメンズが来た。
わたしからみたら、若い。少年。男の子。小僧。
担当君は目をキラッキラさせながら、必要以上のスマイルで「今日はどうされますか?」と聞く。なんとなくこうして欲しい旨を伝える。そして、着替え。というか着替えなかった。キラッキラ君が「カットだけなのでガウンは、上から羽織るだけでもいいです」と言うのでそうした。
まずはシャンプー台のある部屋へ。割と広めの部屋にセット面が5台、シャンプー台4つ。他にひとりいるだけ。通された部屋は1階だけど、2階にもあるようだ。お得意様用かな。
シャンプーが終わり、セット面へ。再度、今日はどういう感じにするか確認され、カットへ。ここまでの動きで、キラッキラ君、スタイリスト歴かなり初心者とみた。なんか緊張が伝わってくる。私も一抹の不安。ま、仮に万が一、へんてこな結果になっても髪は伸びるしね、いつか伸びるしね。と、もはや脳内ひとり言。

キラッキラ君と当たり障りのない会話をしていたが、おばちゃん、我慢出来なかったのでやっぱり聞いてみた。
わたし 「キラッキラ君、スタイリストになったの早いでしょ?」
キラッキラ君「僕、今23才なんですけど、うちの店のシステムがすごくよくできてて、早くデビュー出来るんです」
ということは、学校卒業して2〜3年でカットデビューか。確かに早いな。キラッキラ君にとってわたしは何人目ぐらいのお客なのかな?
そうこうしてるうちに、キラッキラ君はだんだん無口になって来た。手元に集中してる。集中しすぎてる。あまりにも集中しすぎて、わたしの頭に顔近づけすぎ。どんどん近づき息づかいも近い。チューじゃねーよな。
「少し下を向いて下さい」と言われてから、かなりの時間が経つ。首もそろそろ痛くなって来た。でもすごい真剣に髪を少しずつ取ってはハサミをいれることを繰り返していて、とてもじゃないけど「首もげそうになってきたんだけど」とは言える雰囲気じゃない。
カットが始まってかれこれ1時間ぐらいが経とうとしたタイミングで、最初のレセプショニストがヒールをカツカツ響かせながらやってきた。
レセ「お水か何かお持ちしましょうか?」
「結構です、ありがとう」と返したと同時にキラッキラ君が小さい声で「はい」と言った。この「お水伺い」は、スタイリストへの何かの合図なのか。たとえば「もうそろそろ終わらせなさいよ」的な。それからすぐにドライが始まった。部屋の後ろの方で仕切りにこちらを気にしてる風の男性が鏡越しにみえる。最初は何かをやってる合間に見てる感じだったがだんだんおもむろに私の頭をガン見。指導の先輩担当者かな。
最後にスタイリング剤をつけて、終了。
キラッキラ君、安堵と充実感がみなぎっている、ように見えた。
会計済ませると、キラッキラ君がドアを開けて待っていてくれて、お見送り付き。

「いやー、青山のサロンってすごいね」って、シュハリのお客さんと盛り上がっている。
「美容院で服脱ぐってびっくり!」というと、「えー!へー!」という人と「意外とこの辺にはありますよ、その仕組みの店」という人。
南青山奥地にあるシュハリに初めて来店するお客さんも「青山のアロマサロン」というイメージで来る人は多い。白い壁にシャンデリア的な、まさに私が今回行ったヘアサロンのようなイメージか。
実際に来店したお客さんには、
「ホーンテッドマンションみたいだよね」とか、
「日本好きの外国人がなんか始めちゃった館かと思った」とか、
「おばあちゃんちだね」とか、来た人たちは色々な感想をのべられるけど、
「青山っぽくなくて、ほっとした」というのが大方のご意見。
「次からは気張って来なくていいからよかった」とも。
今回のヘアサロンのように、「ザ・青山」的おもてなしを好む人、シュハリのような場を好む人、皆それぞれのお好みね。

ネットで検索したら、キラッキラ君のうしろにいたがん見おやじは、店長だった。店長が心配するほどのスタイリストもどきを、初めて来店のちんちくりんにぶつけて来たんだな。で、キラッキラ君にカットしてもらったヘアスタイル、わたし的には今までにない感じでどうかな?と思ったんだけども、キラッキラ君けっこうイケメンだったので、良しとする。
そして「あれ?なんか若返った?」って、29才女子のお客さんに言われたので良しにする。髪はいつか伸びるさ。


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コメント1件

ダメだな。カットになっていないよ。まーキャラが上回るので、問題はないないけど。
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