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ちがうよ

年上の友人から電話があった。

開口一番「どうして星野源と新垣結衣の結婚で世の中は大騒ぎをしているのかしら」と不満げだった。「そんなの興味ないし」と言うので、別にそれはあなたの自由だよ思っていたら「そもそも新垣結衣って誰よ?」と膝カックン発言である。「新垣結衣を知らないのなら、『逃げるは恥だが役に立つ』がTVerで配信中だから、それを…」と言いかけたところを「わたしは恋愛ドラマなんて見る気はないのよ」と笑いながら一蹴された。見もしない人に笑われるのは癪に障る。「えー、あれはただのラブコメディではなく、女性の社会的立場や結婚のあり方を問う、深いテーマがあるんだよ」と言ったら「そうらしいわね。ワイドショーで言ってたわ。でも、そもそもあなたが「主人」と呼ぶのはおかしいと言った時に世代の差を感じたのよねえ」と話がすり変わってしまった。

わたしは自分の配偶者を「夫」と言う。彼女は「主人」と言う。そんなのは個人の自由だと思う。ただ「ねえ、なぜあなたはご主人のことを夫と言うの?」と聞かれたから「主従関係ではないので、主人と呼ぶのは変だと思うから」と答えただけだ。

彼女は一貫して「わたしは主人に養われているのだから」という。収入がないから、食べさせてもらっているから、その対価として家事育児雑事をするのであれば、それは本末転倒だと思う。心身をすり減らして収入を得てくる配偶者に感謝する気持ちはわたしにだってある。だからと言って、自分を卑下する必要はない。彼女を励まそうと思って「専業主婦だって、その労働力を換算すると月に194,000円くらいの収入に値すると言われているよ」と言ったら、「ああ、そういう話になるのもやっぱり世代の違いかしらね」と答えた。

わたしが彼女に対して世代の違いを感じたのは、「新垣結衣を知らないこと」と、「新しいこと、自分と違う世界を認めようとしないこと」だ。

え?世代?わたしと彼女の年齢差は3歳である。




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