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クモの糸 細く強く苦しい

台風19号。被害に遭われた方にお悔やみとお見舞いを申しあげます。きっと大丈夫じゃない状況がしばらく続くと思います。悪夢のような時間を過ごされた(今も過ごされている)みなさんが早く日常に戻られるようお祈りします。そして、直接行ってお手伝いできなくても、微力ながら支援します。

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一方。こちらは風の威力がすごかったけれど、わが家では車が砂埃で真っ白になってしまったのと、庭の植物がなぎ倒されたくらいだった。ベランダの蜘蛛がどうなるんだろうかと思ったが、今朝見てみたら、何事もなかったかのようにそこにいた。その細い糸があまりにもしっかり強くて、頭にくるほど美しかった。自然災害の恐ろしさと人災の腹立たしさが相まって、気持ちを表現しづらい。この苦しい感じ。胸や喉に詰まったものが取れない感じ。

繰り返し書いてきたが、わたしの家には地上波やBSのチャンネルを映すテレビがない。つまり、ライブニュース映像を見ることができないのだ。ネットで細切れにアップデートされる動画を見たり、ラジオのニュースを聞いたりして、想像力を全開にする必要がある。でも、想像は想像でしかない。
「暴風」「浸水」「停電」「決壊」「濁流」「洪水」と聞いて、切り取った映像を見て、そこにいる人たちの逃げ場がないと思うだけでつらかった。この台風被害の上に、千葉で震度4と聞いたときは、足が震えた。

自然は誰にも止められない。人間の知恵はかなりのものだと知ってはいるが、自然の力は強大だ。そしてわたし個人は微力も微力。たった1匹で雨風をしのぐ蜘蛛の方が生命力に溢れている。その美しさを前に、あらためて自分の無力さを思い知らされる。


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