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ただそこにいて腹ふくれるのか女郎蜘蛛

このところ、部活か蜘蛛の話しか書いていないな。今日は蜘蛛の話。

うすうす気づいてはいた。蜘蛛についての疑問はググってみれば良い、と。
けれど、わざと避けていた。ネットでググればおびただしい種類の蜘蛛の画像が出るに違いない。だからちょっと躊躇していたのだ。軒先の蜘蛛は単体で、こちらとしても距離を保てるからいいようなものの、ネットや図鑑で見るとなると、それはもう思いもよらないどアップや、細かい部分の解説などが出てくるはずで、それを見る心の準備ができていなかった。そもそも、蜘蛛は苦手な部類なのだ。

今日、見てみた。思い切って。かなりパソコンから遠ざかって、腕を伸ばせばようやく届くくらいの距離で。そしてわかった。

どうやらあれは、ジョロウグモという種類らしい。秋頃に軒下や木々の枝に巣を張り、そこにかかる虫を食べるらしい。オスは自分が餌と間違えられないように、メスの食事中に背後から近づき、交接する、と書いてあった。正面から正々堂々と行くと、目の悪いメスに餌と間違えられて、いきなり食われるのだそうだ。

わたしは、巣にぶら下がっているのは脱皮後の抜け殻だと書いたけれど、もしかしたら、あれこそがオスなのではないか?そして、巣の中程で枯葉のようなゴミが縦一列に絡まっているように見えていたのは、どうやらお食事の後の廃棄物らしい。人間の食事で言うと、魚や鶏の骨や皮である。おそるおそる近づいてよーく見ると、あれはてんとう虫の残骸では?と思われるものがあった。そう思って見たら、縦一列にきちんと並べてあるのは、捕食した虫たちの一部分のようだ。あれは墓場だったのだ。彼女はそれなりに食べていたのだとわかって、なーんだ、と思った。

Wikipediaには、いずれ抱卵すると書いてあった。秋が深まる頃、産卵したのち、そこで息絶えるか、あるいは巣に戻って、日常に復帰するらしい。冬は卵で越す、とあったから、あの蜘蛛は冬を越せない。子蜘蛛たちは、一定期間、「まどい」と呼ばれる集団生活をし、糸を使ったバルーニングという方法で、散り散りに飛び立つそうだ。

ということは、うちのベランダにいるあの蜘蛛は、バルーニングでやってきたのだろう。どこから来たのかなと思っていたが、風に乗ってやってくるとは粋な移動方法だ。

それにしても、である。うちのベランダにいる蜘蛛は、WikipediaやGoogleでヒットした画像のように、腹が膨らんでいないように見える。抱卵すると、ぷっくりと膨らんで派手な色がますます目立つらしい。しかし、彼女は細いままだ。まだ交接していないのか、それとも交接する時期を逸したのか。自然界の生き物でも、おひとり様で一生を終えることもあるのだろうか。ていうか、そもそもオスはどこから来るのよ。誰かのブログには、1匹のメスが張った巣に、オスが2〜3匹やって来る、と書いてあったのだが。そう、そしてもう一つ、気になることが書いてあった。

『軒下に蜘蛛の巣があると貧乏になる』



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