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ふー、を忘れていた。

物忘れがひどい。

昨日、うちのムスメが誕生日を迎えた。1週間くらい前に、オットが「ケーキどうする」「食事はどうする」と聞いてきた。そうか。誕生日にはケーキを用意するんだった。食事も、ムスメの好物を作るんだった。前日までモタモタしていたら、しびれを切らしたのか、とうとうオットから「ケーキは、これを使って買ってきて」と商品券を渡された。

デパートに行って、あれこれ迷ったあげく、手堅くイチゴの乗った生クリームのケーキを選ぶことにした。ネームプレートをつけてください、と頼んだら、「お名前は入れられませんが、バースデーのプレートならございます」という返事。「じゃあ、それでいいです」と残念な気持ちを隠しながら、お財布を取り出す。「ろうそくは何本になさいますか」と聞かれて、ああそうだった、誕生日のケーキにはろうそくが要るんだったな、と思い出した。

夕食にはムスメからリクエストされたオムライスを用意し、大好きなローストビーフも奮発した。和やかなひととき。あとはケーキを出すだけだ。

夕食の後片付けを終え、いよいよケーキを取り出し、ろうそくに火をつけたら、ムスメが「歌ってよ」と言った。ああそうか、誕生日は歌をうたうんだったな、と思い出し、オットとわたしは調子外れの歌をうたった。そして、うたい終わったところで、ムスメがろうそくを「ふー。」と吹き消した。そこで思い出した。「そうだ、誕生日のろうそくは、吹き消すのだった」と。

なんだろう。この物忘れのひどさ。誰かがわたしの脳内フォルダから、「誕生日」のファイルをゴミ箱に入れてしまったとしか思えない。リカバリーしたけれども。

来週は、オットの誕生日がやってくる。覚えていられるだろうか。


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