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まだまだ

昨日は本当に疲れていたし、体調も悪かった。それでも翌日のために米を研ぎ、土鍋に仕込み、麦茶を沸かそうとやかんを火にかけた。

お湯がなかなか沸かないので、椅子に腰掛けて待つことにした。しかし座れば座ったでやることはいろいろある。パソコンに向かって作業を始めた。わたしは本当に音に弱い。オットがアニメを見ている。ムスメが歌いながら落書きをしている。それを遮断するためにイヤホンをつけて音楽を聴いていた。いつもはこれで気分が落ち着くし集中力が整うのだが、昨日はたまたま、聴きかけのラジオ番組をradikoで聴いてしまった。

特別番組だったので、出演者がはしゃいでいて、声がうるさかった。体調の悪さとあまりのうるささに、もう限界だと思って「寝ます」と部屋を出た。

完全に寝入る直前、ムスメが部屋に来て、「お母さん、やかんの火がつきっぱなしだったよ」と言う。一気に目が覚めた。やってしまった。たぶんこれで3度目だ。鍋に湯を沸かしているのを忘れて庭木の枝を切っていたとか、やかんを火にかけたまま昼寝をしてしまったとか、そんな感じで、「もう2度と火をかけたまま別のことをするな」とオットに厳しく言われていたのだった。

今朝、「昨夜はごめんなさい。やかんの火を消し忘れてました」とオットに言ったら、「ええ、ええ、焼き殺されるところでしたよ」と言われた。「もう疲れている時には、家事はしないでおく」と言ったら「ていうかさ、疲れてない時がないよね。まったく」と追い打ちをかけられる。

わたしは生きている価値がない。人に迷惑をかけるくらいならこの世から消えた方がいい。

以前のわたしならそう思っていた。しかし、今は違う。死んでる場合じゃない。ポンコツだろうと、ヘナチョコだろうと、わたしはまだ生きるのだ。だって、世の中には、楽しいことも、やりたいことも、まだまだたくさんあるのだ。疲労困憊でも、記憶力が怪しくても、低収入でも、なにがなんでも生きていくのだ。ただ、家族の麦茶を沸かすのは、みんながいるときにやることにしておく。

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