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さよならカレー

昨日、お留守番カレーを作った。ムスメもオットも、カレー好きだ。わたしは彼らが留守番する日は、カレーさえ作っておけばそれでオッケーくらいの気持ちでいた。

ところが昨夜は、オットもムスメもカレーをちょっとだけしか食べなかった。サンマの蒲焼缶と、スパゲティナポリタン(インスタント麺)を食べた形跡があった。なんだ、カレーじゃなくてよかったんじゃないか、とちょっといじけた気持ちだった。

少々酔っていたことと、緊張で疲れていたこともあり、皿を洗うのは明日にしようと思っていたのだが、結局、皿も全部洗い、オットの湯たんぽも用意して、きっちり歯磨きもして寝た。ただ、カレーの鍋を加熱することを忘れていた。

今朝、遅めの朝ごはんを食べた10時ごろ「そうだ、カレーの鍋に火を入れておかねば」とコンロにかけた。カレーの匂いが漂ってきた。煮立つ前にかき混ぜなければ底の方が焦げ付く。それでわたしは鍋の蓋を開けた。思わず、
「ふぁうぁ!?」と、意味をなさない声が出た。

ふつふつと煮立つカレーの表面が真っ白だ。よからぬ菌が繁殖している。これ、表面だけおたまですくって捨てたら下の方は食べられるかしら?一瞬、せこい考えが頭をよぎったが、ことカレーに関しては、小学生の時の痛い思い出がある。ちょっとでもおかしな様子のものは食べてはいけないのだ。

カレーは、箱の半分のルーを使った。玉ねぎは大1個、人参は中半分、ジャガイモは中3個、牛と豚の合挽き肉300g。8割がた残ったカレーを捨てる悲しさよ。ああ。ひき肉にしたのがいけなかったのだろうか。昨夜は雨も降っていて、気温も低かったのに。昨夜のうちに加熱さえしておけば…。後悔先に立たず。覆水盆に返らず。後の祭りである。

カレーは液体だからといって、流しに捨てるわけにも行かない。ビニル袋にたっぷりのカレーを詰めて、ゴミ箱に捨てた。ずっしりとしたカレーの重みに罪悪感が増す。

さよならカレー。さよなら。さよなら。

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