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脱力している

帰省から戻ってきた。抜け殻である。

義実家は気楽で居心地が良い。しかし、帰ってきたら思いのほか疲れている。いろいろと考えたあげく、思い至った理由は2つ。一つはイスがひとつもないこと。もう一つは自分のペースで動けないことだ。

イスがないということは、一日の大半を床の上で過ごす。立ち上がるとき、座るとき「よっこらしょ」と言う自分に気づく。年をとったせいでもあるが、それほど足腰に負担なのだ。正座をするのもきついし、長時間ペタンと座るのも腰が痛い。腰掛けることができるのは、トイレだけだ。

大人数だから、自分のペースで動けないのは仕方ないとわかっている。ただ、選択肢が限られることがしんどい。例えばテレビ。みんなが(特に子どもが)見たいと言うとそれを見る。チャンネル権の優先順位は、兄の息子>うちのムスメ>兄>オット>お母さんの順。姉とわたしにはほとんどその権利はない。かろうじてラッキーなのは、兄の家族は元旦に帰省するので、大晦日よりも前に帰省するわたしたちは「紅白歌合戦」を見ることができる。わが家のテレビでは、スカパー!とWOWOWしか見られないから、年に一度ライブで歌番組を見られるチャンスなのだ。それをわたしが楽しみにしていると知っているオットは、この時だけはザッピングしない。とはいえ「若い人の歌は、なに歌いよるかわからんねえ。そろそろ年越しそばの用意をしようかねえ」とお母さんが立ち上がったら、わたしもテレビの前にはいられない。なかなかスリリングではある。ちなみに、この年末年始、オットの実家のテレビにかかっていた番組は、池の水を抜くとか、電動バイクに充電させてもらいながら目的地に向かうとか、制限時間中に県内を移動してミッションをコンプリートするとか、鉄道好きのためのバラエティ番組とか、そんなのばかりだった。

台所も自分のペースではない。野菜の皮むきひとつとっても「いつもこうしてるんよ」とお母さんが言えば、それに従う。お茶碗洗いにしても、わが家と手順が違う。それにしても最大のストレスは、レバー式の水栓の違いだ。オットの実家は上げ止め式だ。レバーを下げると水が出て、上げると止まる。うちの蛇口はその逆だ。だからつい、水を止めるつもりでレバーを下げてしまう。するとすごい勢いで水が出て、跳ね返ってそこらじゅうがびしょびしょになる。そしてそれに慣れた頃、家に戻って水を止めようとレバーを上げ、またもやびしょびしょになってしまうのだった。

そんなこんなで、気楽とはいえ、些細なストレスが積み重なっていたことを自覚した。その証拠に、今日は一日中、全く使い物にならなかった。こんこんと眠り、思考は停止し、甘いものをたくさん食べ、noteを書くのに2時間半もかかってしまった。

明日はムスメの部活で5時起きだ。寝よう。おやすみなさい。

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