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こどもら

友だちと二人で、文章教室をやっている。毎週やっているのは小学校高学年のクラスだが、月に一度だけ、低学年クラスを開催する。

今日はわたしが担当の日だった。毎回、なにをやろうかなと悩むが、今回は「体の部位」を覚え、語彙力を伸ばそうと考えた。

「問題です!今から言う、体の部分を指で差してください」
かた、こし、しり、せなか、つま先などは難なく答えたが、「にのうで」「ふくらはぎ」「くるぶし」「つちふまず」くらいになってくると、「どこ?どこ?あ、ここかあ!」と指差したところが全然違っている。爆笑。
ただ、「すね」については、「あ〜!べんけいのなきどころ!」と即答した子がいて、その隣の子が「あ〜!みなもとのよしつねのけらい!」と言ったのには驚いた。弁慶、小学生に有名じゃないか。

「顔の部位」については、まゆげ、まつげ、みみたぶ、くらいまではわかるのだが、「こばな」がわからない。指差しているのは、鼻のてっぺんだったり、唇と鼻の間だったりする。「みけん」は、さっぱりわからないらしく、みんな「?」と首を傾げている。

「みけんにしわを寄せてみて」と言ったら、みんな「あっ」と閃いた顔になった。顔で意図的にシワが寄せられる場所はほとんどないので、すぐにわかったらしい。

動作の言葉、たとえば「かしわでをたたく」「きびすをかえす」がわからない。「むなぐらをつかむ」は、「あ!ここか!」と言ってつかんだ場所がのど仏だった。惜しい。
「おおきく手をふりながらあとずさる」は、みんなできた。

次に、習ったばかりの単語で短い文章を書き、その動作を実際にやってもらう。
「こぶし」で「あたま」をたたく。
「手のひら」で「しり」をさする。
「つまさき」で「かかと」をける。
このあたりを書いた子は、すぐにできた。

「もも」で「ほっぺ」をさする。
「つちふまず」と「あたま」をぶつける。
と書いた子がいる。結構なアクロバットである。しかし、彼らはやってのける。柔らかい。

90分、ワーワー言いながら、体を動かして、キャッキャと笑いながら帰って行った。楽しいのは何よりであったが、今日はちゃんとした文章らしきものは書いてないなあ。まあ、たまにはいいか。



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