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炎色反応、横からみるか、下から見るか

化学女子と炎色反応

炎色反応、見に行かない?
友達にウキウキできかれた。
いいよ、河川敷の花火大会、来週の日曜日でしょ?
と答えられたのは理系なら当たり前なのだろうか…炎色反応は原子が熱エネルギーを得て、有色の光を出すことだ。この時期に炎色反応を見に行くと言えば花火だ。教科書でも炎色反応の例としてよくあがっている。

そして今、この炎色反応を見に河川敷にきている。
大きな花火が打ち上がった、そして遅れてドーンと音が聞こえた。夏の夜の風物詩、大空での化学実験がはじまった。

赤い花火はリチウムかストロンチウムだ。
お、緑は銅かな?青色は酸化銅だ!
すごい、様々な金属と火薬の混合物が夜空に打ち上げられていく。
ん、これだけ聞くと犯罪場面みたいだな…

花火の色は金属の種類で変わる。
リアカー 無き K村 動力 借りるとう するもくれない、 馬力
Li (赤) Na (黄) K (紫) Cu (緑) Ca (橙) Sr (紅) Ba (黄緑)
の語呂合わせで覚えた。
どれも化学の知識がなければつくり得ない色なのだ。これだけ大規模な炎色反応は今しか拝めない。

炎色反応は原子核とならうとよく分かる。
夜空で火薬によって熱エネルギーを得た原子が外側へ移動して、戻るときに発光する。詳しく言えば、外殻へ励起した電子が基底状態へ戻る際に生じる発光だ。私達はその光の波長の違いを色として認識する。

原子レベルの小さな反応が積み重なり、大きな花火をつくっている。小さな化学反応が色として観察できるなんて、感動する。

クライマックスになり、連続で反応が続く。
白色の発光と煙で空が覆い尽くされる。
白色光はいろいろな波長の混ざってできる。そして、物質に関係なく、温度が高くなるにつれて白色になる。クライマックスの白色花火は、アルミニウムなどの金属微粉末と酸化剤が燃焼して3000度近くの高温になった反応だ。
のんきに眺めているが、花火はとてつもない高熱反応である。実験室とは規模が違う…

最後に一つ、ドーンと大きなが音がして花火が終わった。この夏の実験を堪能できて幸せだと思った。

物理男子の計算大会

鉛直投げ上げ運動、見に行かない?友達にウキウキできかれた。
いいよ、河川敷の花火大会な、来週の日曜日でしょ?
と答えられたのは理系なら当たり前なのだろうか…いやこれは俺が物理好きだからか…理系ならせめて炎色反応を見に行こうだろ…

そして今、この投げ上げ運動を見に河川敷にきている。
大きな花火が打ち上がった、そして遅れてドーンと音が聞こえた。夏の夜の風物詩、大空での火薬玉の投げ上げ大会がはじまった。

「ね。問題!ここから打ち上げ点まで何mだとあるでしょう?」と友達がニヤニヤしながら言ってきた。手にはスマホのストップウォッチを表示させてやがる。
「あ?計算しろってこと?」
俺はストップウォッチを出して、光ったタイミングでスタートさせた。
そして、遅れて聞こえてくるドーンという音でストップさせる。
遅延時間はだいたい3sか。

光はすぐに伝わる。正確にいうと、真空中で299792458 m/s(約30万km毎秒)だ。空気中ではごくわずかに遅くなるが、ほぼ同じと考えることが多い。というか、速すぎて測定できないので、今回は0とみなす。

音速は340m/秒で近似されることが多いけど、暑いからちょっと速く伝わりそうだ。
今日は25℃で熱帯夜だ。熱帯夜は気温が25℃以上の夜のことを差す。
気温が高いと、空気中の空気分子が激しく動き回り、隣の分子に波を伝達するのが速くなる。
音速は331.5+0.6t (tは摂氏温度)で計算できる。
つまり、25℃だと、、、音速は346.5m/秒か。

で、、、さっき測った光と音の差が3sなので、346.5m/秒×3で、、、、
「1039.5m」と言うと、「おーさすが大体1kmだね」とかえってきた。
「打ち上げ場所調べてグーグルマップでこの橋までの距離測っておいたんだー。で、それを物理学的にそれが証明できましたっと」とキラキラの笑顔を添えて。。

まあ、気温は考慮したけど、自分の測定誤差は大きいよなあ。実際の距離は風向き、地形、なんなら大気の組成でも変わる。でも、以外と正確に求められるもんなんだなーと思った。

クライマックスになり、連続で打ちあがっていく。高さの異なる花火が上がり、空一面を埋め尽くす。花火のサイズによって打ち上げる高さを変えているらしい。火薬を使って打ち上げているって聞いたけど、初速度計算して火薬の量考えているのすごいよな…
ちょうどよいタイミングでちょうどいい高さまで打ち上がる…この技術を無料で鑑賞できるのはすごいと思う。

最後に一つ、ドーンと大きなが音がして花火が終わった。あ、この花火ならもう少し誤差減らせたかな。。。この夏の物理計算を堪能できて幸せだと思った。



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