SFウェブジンを創刊します

 こんにちは。橋本輝幸と申します。一時期はSFライター/レビュアーをしていた、しがない会社員です。(過去の仕事について詳しくはこちら

 今週からnoteでSF小説に関わる記事を更新していきます。発行形態は無料公開です。

 今やヒューゴー賞やローカス賞といった主要SF賞の短編部門で候補になるのはオンライン雑誌ーーウェブジンばかりです。2000年末期以降に台頭してきたウェブジンはいまや欠かせない存在ですが、本邦においては未だに商業(←5/27追記)SF雑誌の電子版すら出る兆しがありません。なにも、日本にSFのウェブジンがまったくなかったというわけではありません。まず1997 - 2002年の間に60号を刊行したSF-Onlineという偉大な先駆者がいます。また非商業ファンジンとしてはTHATTA ONLINE(1998-)やAnima Solaris(2000-)が長く続いています。いわゆるセミプロジン以上のものが続いた試しがないだけです。

(2019/05/27 20:40 何人かの方からご指摘をいただいたので追記します。サイトで公開、ブログ記事として公開、Kindleで販売といったスタイルの電子SF雑誌はもちろん、もっと沢山あります。SF作家クラブにも有志が作っている無料ネットマガジンSF Prologue Waveがあります。さらに同人誌やネット小説に範囲を広げれば枚挙にいとまはありません。そしてまた、収益性とクオリティーは単純に比例するものではないということも明言しておきたいと思います。

その上で、私がもともと焦点を当てたかったのは、結びの一文のいわゆるセミプロジン以上のものが続かないという下りでした。収益を出して執筆者に報酬を支払える電子雑誌がどれだけあるのか、みんなが読んでいるような飛び抜けた電子雑誌はあるのか、いまだに電子版がない商業文芸誌が大半だがそれでいいのか……懸念はいろいろあります。セミプロジンが収益を上げられないのは、英語圏の無料公開型ウェブジンのほとんどが直面している問題でもあります。例えばStrange Horizonsは創立以来11年、いまだにスタッフは完全ボランティアです)

 SFマガジンも隔月刊化したことですし、もっと新しく面白い媒体がほしいというのが、いちSF読者としての私の率直な気持ちです。具体的には1.短編SF小説、2.翻訳小説(※)、3.小説以外の読み物、書評や評論、ニュースなどを求めています。そして紙の雑誌を探し回って買うのではなく、日常の隙間にちょっとずつ読めたら最高です。実際、私は英語のウェブジンをそうやって通勤や家事の合間に読んでいます。

 そんなことを考える中で固まった主張は、音楽系のメディアでは運営者のセンスと愛と人脈で明らかに成り立っているところも珍しくないし、SF小説が好きな人間ももっと軽率にそういうものを立ち上げたっていいのでは?というものです。なんかゆるく、その時々でコラボレーションしたり、離れたりするようなコレクティヴができれば100%理想達成だと思います。

 まずは自分が提供できて、かつ自分くらいしか提供できないようなコンテンツをお見せするところからスタートしたいと思います。しばらくは時たまインタビューや書評を載せていきますので、よろしくお願いします。

 マガジン名はRikka Zine。六花(=雪)の結晶のように、多方に多様に手を広げていこうと思います。

※2の翻訳小説については、作家のエージェントがはたして新興ウェブ同人誌に翻訳の許可を与えてくれるのかという問題がありますが、チャンスは決してゼロではありません。非英語圏ウェブジンで権利をとって翻訳を載せているところも結構あります。またコリイ・ドクトロウのようにクリエイティヴ・コモンズの下、短編小説の翻訳をはなから自由に許可している作家もいます。

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