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『天才はあきらめた』のはなし

どうしてそんなに、いろんな仕事をしてるの?
と、よく聞かれる。

声の仕事、文章、絵。たしかに色々。

事務所の先輩のスギタさんが、
「いいね、そんなにたくさん才能が集まっちゃって」
とお世辞を言ってくれて、はじめて気づいた。

もしかして、努力だと思われてないのか……?


わたしの記憶が確かならば、天才だったことはない。
演じさせてもらう役が、天才的なスキルを持っていたことはあったけど。

まわりにいる才能ある方たちを見ていると、思った以上の努力していて、
天才とは、『努力の天才』なのではないかと思う。

芸人・山里亮太さんの『天才はあきらめた』(朝日文庫)を読んでいても、そう思う。


私は山里さんのことをずっと天才だと思っていたんだけど、これを読むと、彼はそう思っていないらしい。むしろ、混沌とした心の闇をかかえた、すごい嫉妬深い、不器用な青年だった。

心が折れて憂鬱になり、自暴自棄になるくだり、一度は経験あると思う。
(人によってレベルはあるけど)

自分にも、長い下積みというのがあって、当時の気持ちを代弁してもらったようだった。私の場合は、事務所に入って、はじめてのアニメのレギュラーに合格するまで、約5年。

お芝居は高校生のときから学んでいて、少しやらせてもらうことはあったけど、事務所に入っていないときも含めると、5〜7年間は、ほぼサッパリ。

これがダメなら、と受けたオーディションに合格して、なんとか仕事を続けられているんだと思う。いまも派手なわけじゃないけど、素敵な出会いに感謝しています。

うまくいってないときにやったのは、とにかく努力すること。


当時は、自分なりにやっていた。でも、力不足でうまくいなかった。
見つめ直して、少しずつやり方を変えていく。

その過程が、わかりやすく書いてあるのが、この本だと思う。

エッセイ好きな自分が、とくに夜更かしして読んだ一冊です。

相方のしずちゃんによると、この本は、蒼井優さんからオススメしてもらったそう。

わたしも人に奨めたことがある。

数週間前、絶望していた友人に奨めたところ、それを読んで号泣して

(嗚咽するほどだったらしい)

再起を誓って動き出し、勇ましく邁進しはじめた……!

のだが、あの本はそんなにすごいのか!? と驚いた(笑)


仕事や家庭や学校で、もみくちゃにされて、自暴自棄になってる方は、読んでみてください。


ちなみに山里さんは、多忙や自分の不甲斐なさに落ち込んで、心の病気になりかけて消えたくなってしまったようだ。

仕事仲間や、先輩や、家族が支えてくれたのだと思う。

すべて包み隠さず書くところがすごいし、そこが勇気を与えている理由。

なので、自分も、サッパリだったときのことを、照れくさいけど、書いてみた。

山里さんのことは、いまでも天才だと思っている。

(途中、あまりの心の闇に、目がショボショボしたけど……!)



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たざわりいこ

創作と芸術の仕事をしています。どこか、リラックスできるものを。 https://riiko.themedia.jp/
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