東京医科大学を受験したけど、女だからって理由で減点されたよ〜

(※この記事は無料で読めます)

東京医大、女子受験者を一律減点 男女数を操作か

女子だけでなく、3浪の男子も抑制…東京医大


こんにちは。はじめまして。某大学の医学部医学科学生のリコです。女です。

Twitter @riko_igakuka

最初に注意書きだけ失礼します。

Twitterのほうには書きましたけれど、著作権は放棄しておりませんので転載等はお断りします。埋め込み、引用も同じく不可です。

(悪質な場合、掲載料を要求します。)

特にアフィリエイト目的のまとめブログ等への埋め込みや、偏った意見を述べるための道具にするための利用等は本当にしないでください。私の意図しないことです。


さて本題に入ります。

東京医科大学において行われた(とされている)入試時の不正について。

この問題について意見及び立場を表明する上で、慎重である必要がありました(※後述します)。故に本名や在籍大学を明かせないことをお許しください。

暫くこの問題について、意見を述べるべきかどうか考えておりました。

しかし、このような女性医師の発言を受け、

自分の置かれている立場から、皆さんに伝えねばと思い今回ブログ及びツイッターを開設致しました。


まず初めに東京医科大学が行った入試不正操作問題につきまして。

憤りを隠せません。断じて許してはいけない問題であると考えています。

自分は女ですが、この問題は私自身が女であっても男であっても許してはいけない問題であります。実際、不正操作があったとされている年に東京医科大学の入試を受けに行きました。

当時は不正があるとは夢にも思っておらず、医学科の入試はフェアで点数勝負、実力がものをいう世界と信じておりました。

さて、何名かの女性医師が「女性差別は暗黙の了解だった。」「医療現場の状況から考えれば女性差別が行われるのは至極当然のことである。」という内容のコメントを出しましたね。

実名、匿名問わず"女性差別は暗黙の了解であった。"などという発言をした人がいるなんて信じたくはないです。

ここで、声を大にして言わせてください。言います。

女性差別に関して暗黙の了解などありません。年齢差別(多浪・再受験・大検)に関して暗黙の了解などありません。

「暗黙の了解があった、女性は結婚妊娠出産などで辞めるのだから必要悪である。みんなそうであるし、これらは予め了承済みであった」などの発言は、生存者バイアスに過ぎません。

繰り返して言います。暗黙の了解などありません。ありませんでした。

了承できるはずがありません。了解していません。なぜ好き好んで了承せねばならないのか。

私が男であっても同じ意見であったと思います。

正々堂々と女と(あるいは男と)戦いたかった。実力で正々堂々と戦う機会を東京医科大学は奪ったのである。断じて許せることではない。

下駄なんて勝手に履かせてくれるなよ。いらぬお世話であります。


大学は学問を学ぶ場でありますから、それが制限されていい理由などありません。

医学科という特殊な環境ゆえに、医師になったあとのことがとやかく言われておりますけれど、立ち返って考えてみてください。

大学入試は就職活動ではないのです。他学部と同様に"大学の入学試験"でありそれ以上でも以下でもありません。

今回、このブログを開設したのはこれが言いたかったからに他なりません。

しかし、このような女性医師らの発言に対し「女の敵はやはり女だな」で済ませてはいけません。それはそれ、これはこれです。

問題の本質はやはり、大学側が行っていた不正操作が許されるのかどうかです。

この点に絞って以下で考えを述べていきたいと思います。

東京医科大学元幹部が話したとされる、「どの大学でもやっていたから、不正という認識はなかった」という発言に対してですが、

確かにどの大学でもこのような不正はあったのかもしれません。

恥ずかしながら私は医学科のことしかわかりませんので、医学科に限っての話となりますが、

各大学が公開している「入学者の男女比、年齢別入学比率」についてはご存知ですか?

数字のみの記載となりますが、まとめてみます。(一部です)

大学によって1年、2年…と分けて記載しているところもありましたので、大学側が公開している情報をそのまま転載します。

(よって、以下では単純に同じ条件での比較にはなっていません。)

慶応義塾大学医学部医学科(学生):男76%、女24%

順天堂大学医学部医学科:男69%、女31%

慈恵会医科大学医学部医学科(H29):男70人、女40人

私の見解としては、男女比が6:4程度であるのが普通であるかと思います。

個人の一意見に過ぎませんし、男女比を公開していない大学も多数ありますが、内部から見て6:4を切る場合ちょっとどうなのよそれと言いたくなります。

レクsス等の予備校が男女比及び年齢分布を調査し書籍にまとめていますが、よくまとまっていると思います。

メルリックスが独自に公開しているページが非常にわかりやすかったので共有します。

私立の医学科の入試は英数に加え、理科は物理/化学/生物の3つから2つを選択する場合が多く、その年によって物理が難しく生物が簡単だったなどということも起こり得ます。(もちろん逆も起こり得る。)

全受験者が同じ試験を受けるわけではないのは確かです。

しかしあの大学もやっているから、で女子受験生や多浪・再受験生・大検などの事情がある受験生がフェアに評価されないなんてことが許されていいはずがありません。

個人的には、年齢差別も許せることではありません。

軽く見積もったとしても、フェアであると見せかけ受験料6万円を徴収していたならば詐欺行為であると考えます。

大学は教育機関であります。一律6万円(一部例外あり)という高額の受験料をとる入試の裏で、誰かに有利で誰かに不利などというアンフェアなことがあってはなりません。(高額でなくとも。)

入学試験をパスするチャンス(評価)は受験者全員に平等に与えられるべきです。公平でなければなりません。


日本の医学の将来に関わる問題だから女子入学者の数を絞った。
入試を普通にやると女性が多くなってしまうから。
医師の仕事は体力的にきつく、女性では務まらない。

ちょっとまって。これらに納得してしまっているあなた。なぜ納得してしまったのですか?論点ずらしにまんまと騙されないで。


・日本の医学の将来に関わる問題だから入学の時点で男女比を故意に操作←日本の将来に関わる話を何故「大学の入学」の話にかぶせるのか。

大学の入試はテストである。テストがフェアでなければ何を信じればいいのか?

・医師の仕事は体力的にきつく、女性では務まらない←看護師は女性がほとんどだが…。

(主語が医師/看護師であるというツッコミは的を得ていません。)

別に女性医師だらけになったっていいじゃないか。何が問題なのだ。女性にきついことは男性にもきついでしょうよ。こちとら諸々覚悟して医師を目指しているっつーの。

主語が「医学科を受験する女子」「医師」であるから男女問題であり一部の特殊な世界で起こったことのように見えるかもしれませんが、主語を「日本人」や「男子」に変えてみると想像しやすいのではないでしょうか?

「日本人であるという理由で入試において一律減点されていた。」「日本人であったがために、二次試験(面接、小論文)において正当に評価されることはなかった。」

どうでしょうか。

私は今回当事者でありますが、当事者だけの問題でないのは明らかです。当事者だけの問題にしていてはいけません。

私たちに続く次の世代の女子そして男子には正当な評価を。

このような不当な入試を、評価を許してはいけません。

自分たちの時代はそうだった、自分たちも我慢してきた。(だから君たちも我慢するのだ!)

というのは本当におかしい。おかしいことを言っていることに気がついて。

上記で「詐欺行為」と述べましたが、この問題は個人個人の問題(受験料の変換/個人への詐欺行為)で済ませてはいけません。

また、本名および在籍大学を明かせない理由についてですが、圧力がかかると予想されるためです。医学界は狭い世界です。本当に本当に狭い世界です。そして隔離された世界です。

医学界の中で起こったこと起こることは世間には漏れにくいです。主に圧力のことですが、泣き寝入りするしかない状況です。平成が終わろうとしている今でもそうなのです。悔しい限りですが、抗いたくても抗えません。この件に関しては主題とは逸れますので今後機会があれば話したいと思います。


以下は余談となりますが…。

医師国家試験は合格率が8割〜9割であるがために、医学部に入学さえすれば合格するものだと横着な意見を述べる方がおられます。

それはかなり横着な意見であります。受験時代と比較しても、医学部合格後のほうが辛く厳しい日々です。受験生をおどかしたいわけではありませんが、生半可な気持ちでフラフラしていると楽ではないのは確かです。

医師国家試験の合格者男女比率を見てください。

いずれの年度も女性のほうが高くなっています。

もちろん母数が違いますから、一概にまとめていいものなのかという問題はありますけれど、

医学部入学後も再試験にかかったりする成績下位者や留年者は大抵が男子学生であります。もちろん例外の大学もあるでしょうが、医学部在学中or卒業された方ならばうんうんと頷けるのではないでしょうか?

男女差別反対について述べてきた記事の中で、上記については取り扱うか迷いましたが、

あまりにも女子受験生(及びかつて女子受験生であった女性)を被弾している的外れなコメントが見受けられましたので、データとして記載しておきます。

入試における不正問題において、女子受験生にはなんら罪はないことを改めて主張します。(もちろん、勝手に有利にされた受験生にも罪はない。)

女性(または男性)のほうが優秀である/優秀ではないなどの主張がしたいわけではないため、曲解されませんよう。

歴史的に男性が(または女性が)〜。

男性(または女性)は後から伸びるから〜。

結婚妊娠出産を機に女性医師は仕事を辞めるから〜。

などは自分の論じたいことからは逸れますので触れません。

上記のような意見(偏見?)は自分の意図するものではありません。大学入試において行われた不正についての記事でした。以上です、終わります。

注)裏口入学については今後も取り扱わない。(私がどうこう言う以前に犯罪であるため。)


北原みのりさんの記事をシェアします。東京医科大学入試不正事件の被害者の方、そうでない方も是非是非読んでみてね。

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