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「僕たち日本人の医者だけ、あとどのくらい子宮を掘り続ければいいんですか?」 筆者の母校、北海道大学での講演会で、最前列の隅にいた若い産婦人科医がした質問だ。 子宮を掘る 、つまり、子宮を摘出するということ。 日本では毎年、子宮頸がんによって3000の命と1万の子宮が失われている。世界では毎年、53万人が新規に発症し、27万人が命を落とすと言われる。 けれども今は子宮頸がんを予防するワクチンがあり、世界130カ国以上で使われている。近い将来、ワクチン接種率を上げた国では
車椅子の少女たち
「やりたかったことを奪われた」少女ばかり
名古屋市の7万人調査
「遺伝子」に食いつくメディア
3.16「NEWS23」の報道
書く人と書かれる人
薬害記者による薬害デマスクープ
それでも魔法を信じたい
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この記事は「note版 10万個の子宮」のために書き下ろしました。
Riko Muranaka The John Maddox Prize Speech 2017.11.30, London 世界では毎年、53万人が子宮頸がんと診断され、27万の命が失われている。 現在では子宮頸がんを防ぐワクチンがあり、世界130カ国以上で使われているというのに。 しかし、近い将来、ワクチン接種率の高い国では、子宮頸がんは歴史の本でしか見つからない過去の病気となるだろう。 けれども、その道のりは決して簡単ではない。 2013年4月、子宮頸がんワクチ
ジョン・マドックス賞受賞式のためロンドンへと向かう1週間ほど前、2017年11月下旬のこと。私は恵比寿のカフェである男性と会っていた。 「お願いだから出してください」 イエスともノーとも言わない男性にしびれを切らした私は、知らぬ間に自分から別の話題にふっていたのだろう。男性は、「タラブックスって知りませんか。きっと見たことはあると思うんだけど」と言った。 インドに手刷りの美しい本を作っているタラブックスという小さい出版社がある。男性の会社も今度、そのタラブックスに頼んで