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子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨を独自に行っている中部9県21市町村

今日の中日新聞朝刊で、愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀、静岡、石川、富山の中部9県で、子宮頸がんワクチンの接種の積極的接種勧奨(接種の通知)を行っている自治体が21と報道されました。

当該21市町村は以下のとおりです。

愛知 6自治体(岡崎市、碧南市、刈谷市、東海市、東浦町、設楽町)
岐阜 1自治体(神戸町)
三重 2自治体(いなべ市、大紀町)
長野 4自治体(駒ヶ根市、飯島町、南箕輪村、中川村)
福井 1自治体(美浜町)
静岡 3自治体(河津町、松崎町、西伊豆町)
石川 1自治体(輪島市)
富山 3自治体(舟橋村、入善町、朝日町)

地味だけど大切な、そして時間と手間のかかるリサーチを行って報道を行う新聞があるのは、頼もしいことですね。

「将来の不利益にならないよう、ワクチンの存在を知らせる必要がある」などとして、情報提供に踏み切る動きが広がる現状が浮き彫りになった。

この一文の主体が誰なのかは分かりませんが、そういう状況が生まれていることに心がゆすぶられます。

中日新聞の記事にもありますが、昨日行われた副反応検討部会の資料(5ページ)によれば、全国で接種の通知を行っている自治体は97。

そのうち厚労省の作った接種をお勧めしているとは思えないパンフレットを送っているという自治体が68なので、実際のところ、本当に接種を促すような通知をしている自治体がいくつあるのかは不明です。

それにしても、自分で「接種の通知をするなと言っていた子宮頸がんワクチンについて、(厚労省のパンフレットを活用するなどして)「通知を行っている市町村が97ある」と発表する厚労省のと心はいかに。

国は自治体に接種の通知をしてほしいのかしてほしくないのか、はっきりして欲しいところです。

通知文の内容については、今日の中日新聞本紙の社会面の記事にも(ウェブ未掲載)、厚労省のつくったパンフレットを”活用した”という通知に対し、「この内容では判断がつかない」という声が上がっているなどの報道がありました。

しかし、「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません。接種に当たっては有効性とリスクを理解した上で受けてください」と書いてある厚労省のパンフレット(写真左手前のピンク色の紙)を見て、子宮頸がんワクチンは安全で有効なワクチンでWHOはじめ世界中で推奨されてると解釈する日本人はいるのでしょうか。

こんな通知がいきなり送られてきても、市民は何を求められているのか困惑するのは無理もありません。

厚労省は昨日の副反応検討部会で「国民の子宮頸がんワクチンに関する理解は不十分である」(これは「だから接種勧奨は再開しないという意味」。国民の理解が進んだら再開すると言っているので)と評価したそうですが、国民の理解力の問題ではなく、厚労省の誠意とコミュニケーション能力の問題である気がします。

ところで、以下のわたしの記事で紹介しているいすみ市が独自に作成した通知文は、「国はお勧めしていませんし、副反応があるかもしれませんが、打ちたい人は定期接種なので自己責任で打ってください」といったネガティブな内容ではありません。

よく練られたいい文面になっているので、興味のある方は是非ご覧になってください。

次に、今年の5月31日付で積極的接種勧奨(定期接種の通知)を再開した青森県八戸市について、定期接種前、積極的接種勧奨の停止後、積極的接種勧奨の再開後の接種本数の変化を見てみましょう。

具体的な数字を見ると、驚くと思います。

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