控訴のお知らせ

2019年1月、WHOが国際保健上の脅威に初めて反ワクチン運動を挙げるなか、子宮頸がんワクチンの薬害を主張する人物から提起された名誉棄損訴訟における東京地裁の判決は、世界の科学コミュニティを震撼させました。

判決のニュースは、ファイナンシャル・タイムズ紙を筆頭に、ネイチャー誌サイエンス誌ほか海外主要メディアで、「反ワクチンによるサイエンスの敗北」などとして大きく報じられました。私のもとには、世界中のサイエンティスト、医師、ジャーナリストから同情と怒りのメッセージが多数寄せられています。

そんな中、4月8日付で、同判決について控訴したことをお知らせします。

記事とわたしを「最後まで守り抜く」と言っていた、Wedge社と元編集長の大江紀洋氏は、一審判決を受け入れました。裁判が起きてからの2年半、いえ、2015年10月に子宮頸がんワクチン問題に関する記事「あの激しい痙攣は本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか」を初めて執筆してからの3年半、わたしはその言葉を信じてきましたが、訴訟の対象となった記事の一部は削除され、謝罪広告が掲載されることになります。

子宮頸がんワクチン問題自体は、Wedge社にもWedge社の親会社にも関係のない問題です。大江氏は、編集長はおろかメディアの仕事をとうに退いています。残念だと思う気持ちはありますが、この判断は理解できるものであり、尊重したいと思います。

近しい人たちからは、わたしや家族を心配し、控訴をやめるようアドバイスする声もたくさんいただきました。それでもわたしを支えてくれる人や家族とよく話し合い、自分でもよく考えたうえで、控訴を決めました。

医者には、個人の名誉よりも裁判の勝ち負けよりも大切なことがあるからです。

それは、人の命と科学を守ることです。

この度、科学的根拠に基づいた言論活動を支援する団体「守れる命を守る会」のサポートにより、素晴らしい弁護団が結成されました。

控訴審代理人は、福島県立大野病院事件を勝訴して日本の医療を崩壊から救った平岩敬一弁護士、わが国における主要な名誉棄損訴訟を熟知しつくした喜田村洋一弁護士、平岩弁護士と共に大野病院事件を担当し、先日の乳腺外科手術訴訟を勝訴した水谷渉弁護士ほかです。

判決のニュースを見た、2018年ノーベル医学賞受賞の本庶佑先生からは、こんなメッセージをいただきました。

「辛抱強く、最後までやり遂げることです」

命と科学を守るため、引き続き努力を続けていきたいと思います。

以上

4月10日 村中璃子

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村中璃子 Riko Muranaka

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