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エボラとBSL4の正しい恐れ方①バイオハザードから考える日本の安心と安全

Photo by Paula May

今日から4回にわたり、エボラなど国際的な脅威となる感染症(バイオハザード)をめぐる「安全と安心」について考えます。

西アフリカのコンゴで、エボラ出血熱が再流行している。

2019年8月4日、厚生労働省は、アフリカのコンゴから帰国した、エボラ出血熱疑いの日本人女性を隔離・検査した結果、エボラ出血熱ではなかったことを発表した。

WHO(世界保健機関)がパンデミックまで宣言した2014年のアウトブレイク時には、日本人のエボラ疑い患者が出る度にテレビや新聞が大騒ぎしたが、今回、報道は比較的落ち着いていた。

私もあの時は、誤った騒ぎ方をする主要メディアを横目に、まるで1人新聞社であるかのようにオンタイムでたくさんの記事を書いた。ここに主な記事がまとまっているので、ぜひ読んでみてほしい。

報道が落ち着いていた理由は何か。

1つは、前回のアウトブレイクでは、「パンデミック(世界的流行)」という言葉とは裏腹に、アフリカの外でのエボラ流行は限定的、かつエボラがそう簡単に広がる病気ではない(少なくとも空気感染はしない)ことが確認されたこと。

2つ目に、効果と安全性がほぼ確認されているワクチンが開発され、使われていること。

3つ目に、日本でも、「BSL4(バイオセイフティレベル4)」と呼ばれる、エボラウイルスなど世界最高レベルの危険性をもつ病原体を扱うための安全基準を満たした研究実験施設(ラボ)がやっと稼働したことであろう。

とはいえ、日本の報道が落ち着いている理由は、この3つのうちほぼ1つ目によるものだ。

前回のアウトブレイク時も、結局、日本人の患者は出なかった。これがお隣の中国や韓国辺りで流行っているというのであればまた違った反応もあるのだろうが、日本にとってエボラは所詮、遠いアフリカの病気。患者に接触する可能性のある医療者や西アフリカに用事のある人などごく一部の人以外には、まったくの他人事なのだ。

ワクチンが開発されたことも、BSL4のことも知らない人がほとんどだろう。

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エボラとBSL4の正しい恐れ方①バイオハザードから考える日本の安心と安全

村中璃子 Riko Muranaka

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村中璃子 Riko Muranaka

医師・ジャーナリスト/ 命にかかわるフェイクニュースに傷つかないために。

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