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子宮頸がんワクチン打ちました。今まで接種表明しなかった理由と大人のHPVワクチン【9価接種施設リスト付】

定期接種年齢の人、1本あるいは2本だけ接種している人には「子宮頸がんワクチンの3回接種は不要?本当に必要な接種スケジュールを考える【接種できる施設のリスト付】」もお勧めです。

子宮頸がんワクチンを打ちました。接種してくださったのは東京都世田谷区にある、かるがもクリニックの宮原篤先生。接種したのは、日本未承認の9価の子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)です。

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子宮頸がんワクチンは現在、その年に中1になる女の子から高1の女の子に定期接種となっています。日本で承認された2価・4価のワクチンはもちろん無料で接種できますが、9価は未承認なので定期接種年齢でも有料になります。

子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)です。HPVには100種類以上の型がありますが「~価」というのは、そのうち何種類の型を防ぐかという意味。2価なら2種類、9価なら9種類のHPV感染を防ぎます。9価の方が予防効果が高いため、海外では2価・4価ではなく、9価ワクチンを使うようになっています。

日本でも、かるがもクリニックのように9価ワクチンを輸入して接種してくれるクリニックがいくつかありますが、注意したいのは、未承認のため、副反応が起きても補償や救済の対象にはならないこと。

ただし、けいれんや痛み、学習不振や不登校など「子宮頸がんワクチンの副作用だ」と騒がれている症状とワクチンの因果関係を示す証拠はなく、そういった症状は、ワクチンを打っている子にも打っていない子にも同じくらいの割合で見れられるというデータが日本でも海外でも出ているので、持病などのない私の場合、安心して打つことができました。

ちなみに、宮原先生は、私の著書『10万個の子宮 あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか』を、世田谷区内にある国公立私立全ての中学校・高校の図書館に寄付してくださったそうです。

法外に高価なワクチン

私に接種をためらわせていた理由のひとつは、値段です。

このワクチン、1本3万円近くするうえ、原則3回打たなければなりません。つまり全部で9万円ちかくがかかるということ。2価・4価でも1万5千円ほどしますが、「とりあえず、打っておこう」と言えるような値段ではありませんね。

もうひとつの理由は、大人の女性が接種した場合の効果に議論があることです。子宮頸がん罹患のピークは20代後半から40代前半です。つまり、子宮頸がんは働き盛りで子どもを産み育てる世代の命と健康を脅かす病気ですが、ワクチンはHPVの感染を防いでも、一度感染したHPVを排除する効果は持ちません。

というわけで、今日は「大人の女性の子宮頸がんワクチン接種」について解説します。

この記事の最後には2価・4価を接種できる病院のほか、9価を接種できる病院のリストと、私の記事を読んで接種に来た人には料金を割引するという病院からのお知らせもありますので、ぜひ最後まで読んでください。

また子宮頸がんワクチンの接種が可能な施設の方は、ぜひこちらの記事の要領でリストの充実にご協力下さい。

私が今日までワクチン接種を表明しなかった理由

本題に入る前に、「子宮頸がんワクチンを打っているのか?」と聞かれても、今日まで私がHPVワクチン接種を表明しなかった理由をお話しします。

それはシンプルで、「何のワクチンを打ったのか」「どんな検査を受けたのか」「どんな薬を飲んでいるか」といったことは、人にいちいち言う必要のない個人情報だからです。

「妊娠検査をしましたか?」「HIVエイズの治療を受けていますか?」「がんになったことがありますか?」――。

これらの質問と同様、私は子宮頸がんワクチンを接種しているかという質問に、聞かれても答える必要性を感じません。

残念なことに、科学的根拠を欠く反子宮頸がんワクチン運動は、勉強不足の医者たちにまで影響を与えています。

宮原先生のブログでも、ワクチンへの不安を募らせ、接種表明を「踏み絵」にする医師たちのエピソードが紹介されています。クリックして読んでみてください。

「自分の妻や子になぜ子宮頸がんワクチンを打たないのか?」と食い下がる医師たちに、沈黙していた1人の医師が「私の家内にはHPVワクチンの適応(接種する意味)はありません。とある事情により子宮を摘出しています」と発言するまで、争いは止まらなかったのです。

命を守るためのワクチンが、争いの元になっている――。

医者同士の言い争いに限った話ではありませんが、これが私がこの問題について執筆してきた過程で、最もつらく残念に思った点です。

本題に入ります。

大人が接種する意味はあるのか

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