見出し画像

事実を超えるおもしろさを作る必要性を再認識したこの正月

今日は、遅ればせながら近所の神社に初詣に行ってきました。今日は参拝者も少なめで落ち着いてお参りできたのは良かったと思います。帰ろうと思ったところで古い知人にバッタリお目にかかり、お互いに近況を交換、これもご神縁かと感じたできごとでした。

さて、……。

令和6年能登半島地震、羽田空港でのJAL機と海保機の衝突・炎上と年初から大災害・大事故が起こっている。こんな年も珍しいのではないか。

正直、珍しい年であり続けて欲しいとも思う。毎年こうではたまらないから。

わが家では新聞を取っている。新聞は1月2日の配達がない。元旦に配達された分厚い新聞の束からラテ欄を抜いてテレビ視聴に使っているが、今年はこれがあまり役立たなかった。

元旦の地震発生後には全局が放送内容を変えて津波からの避難を訴えた。テレビ東京系が一番最初に通常放送に戻っていたことを、2日のネットニュースで初めて知った。

2日はNHKを除いて通常放送だったように思うが、今度は羽田の航空事故が起こった。能登半島地震を伝えていたNHKも、しばらくは航空事故の報道に切り替わった。

わが家では、地震発生以降民放はほとんどチェックせずNHKばかりを観ていた。これだけの大災害・大事故という事実の前には、所詮は作り物の番組を観たいという気持ちにならなかった、というのが大きい。

正月をのんびり過ごしたいという気持ちは誰もが持つ欲求だろう。正月番組はそれに応える形で作られている。長大な枠を取り、薄い内容で、ひな壇芸人を集めて、何となく楽しそうな雰囲気を漂わせる。

だから、元々自分は正月特番を観ないのだけど、今年は逆にNHKで地震や事故の状況を適時チェックして過ごしていた。事実は脚本に則ったテレビ番組よりも観たい気持ちをかき立てることを再発見した。

「本物は作り物を超える」。こう言ってしまうと、テレビ番組に関わる人達に酷かも知れない。もちろん現実が重いからこそ観たくなる番組を「作って」欲しい気持ちは私にもある。ただ、それは正月番組のような「長大な枠を取り、薄い内容で、ひな壇芸人を集めて、何となく楽しそうな雰囲気」の番組ではない。

ここで思い出すのが東日本大震災の年、まだ地震発生から1ヶ月も経っていない4月2日に開催された楽天と日本ハムによる震災チャリティーマッチ。当時楽天の選手会長だった嶋基宏によって試合に先立ち行われたスピーチは、今でも覚えている。

今、スポーツの域を超えて「野球の真価」が問われていると思います。
見せましょう 野球の底力を。
見せましょう 野球選手の底力を。
見せましょう 野球ファンの底力を。
共に頑張ろう東北 支え合おう日本。

2011年4月2日 嶋選手のスピーチより抜粋

強い言葉でありながらスッと心に入る名スピーチだと思う。野球をテレビに置き換えた時、今のテレビ番組がこの言葉に相応しいものとなっているか。テレビ番組に関わる人達には是非自問自答していただきたい。少なくとも、事実を超える面白さがない限り、勝てないのだから。

お読み頂き、ありがとうございました。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。