地方の衰退の地味な影響
今日の昼ご飯は個人的に大好きな回鍋肉でした。この甘辛い味噌で豚肉と野菜を炒める調理法は、さすが美食を追い求める中国料理だなと感じます。
味の素のCookDoシリーズに回鍋肉が加わったことで、自炊していた私の学生生活における食の満足度が一段上がりました。大いに感謝しています。
さて、……。
自分が最初に赴任した事業所に付随する寮において、食事提供が難しくなってきているという噂が流れてきた。恐らく噂では済まず、本当なのだろう。
私が赴任した頃から片田舎感満載のところではあった。ただ、工場立地において土地の安さは至上命題である。だから土地の安価なところ、即ち地方に建てることになったというのは当然とも言えるし、納得もできるところ。
それでも、工場ができればそこで働く人がその町に住むことになる。人が住めば、衣食住が当然必要になる。地方が企業誘致に積極的なのは、工場の生産ラインに入る人だけでなく、その人たちの生活を支える業務を担う人の雇用も生まれるからである。
衣類は自分で買うにしても、工場に併設された社員用の寮には賄いの人たちが働いていた。朝・晩のご飯を輪番で提供し続けてくれた賄い人さん、また大風呂を毎日洗ってくれた用務員さんに対しては、今でも心から感謝している。
学生時代に自炊し、風呂も銭湯通いであった自分としては、就職してこれらの心配がなくなったことは、率直にありがたかった。
正直なところ、味はもうちょっとというレベルであったけれど、若者の胃を満たすのには十分であった。また、風呂代が掛からないだけでもうれしかったことを今でも覚えている。幸せの敷居が低いのかも知れない。
あの頃から軽く30年以上が経った。聞くところによると、賄いの人たちも高齢化し、定年以降も嘱託で頑張ってくれたそうなのだけど、身体もキツくなってきて辞める人が出てきた。問題は、その後に募集を掛けても手を上げる人がいないということ。
町が衰退するに伴い、若い人は職を求めて都会に出て行く。もちろん、私の勤務先に勤める人もいるのだけど、若者を皆採用できるわけではない。
若者の多くが町を出たまま時間が経過すると、賄い業務をやってもよいと思う人がそもそもいない状況に陥る。元々給与水準が高いわけでもないこともあり、何とかパートの人を確保してしのいでいるようだけど、いつまで続くかは不明。
国道沿いにコンビニはできた。最後はそちらに頼るしかないのかも知れないが、それはそれでどうかと思う。
地方の衰退は、さまざまな形で影響が及んでいることを知った。でも、これについての解はない。
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