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弁護士への憧れのために回したルーレット

台風6号の進路は予想が段々西寄りに変わってきています。そのため、長崎・佐賀ですら進路の東側になり、暴風に晒されることとが想定されています。そして、気づいたら台風の卵の熱帯低気圧がヒタヒタと本州に近づいているのですね。

さて、……。

私の学生時代の話である。4年生になって、私はその他大勢の一人として就職活動を開始した。しかし中には弁護士になりたいからと就職活動せず、いわゆる司法浪人を決意する者がいた。

また、会社に入ってからも、このまま普通のサラリーマンで終わりたくないと退職していった人が複数いた。やはり弁護士を目指すのだと言っていた。

その後彼らの大半がどうしているのかは分からない。でも、合格していたら何か話は伝わってくるはずだし、とは思っている。

私の学生時代、司法試験の合格者の平均年齢は28歳前後であったと記憶している。もちろん平均なので、中には学生時代に現役合格していた人もいた。でも、大抵の人は卒業後6年程度勉強し続けてやっと合格していたことになる。

更に言えば、合格者の半分は卒業後6年以上勉強していた。30歳を超えてやっと合格に至る者も珍しく無かったのだから、当然そうなる。

それでも、合格できたのであればまだよい。私が就職した後の話であるが、ご存知のように司法試験制度改革によって受験回数が制限されることになってしまった。

私の同期で司法浪人した人は、そうなると分かって浪人を選んだわけではない。回数制限によって進路を阻まれることになった人もいただろう。これは不合理だったのではなかろうか。

少なくとも、回数制限を開始する前に受験した人間については、手厚い特例措置を講じるべきであったと思う。

しかもちょうどバブル崩壊の時期でもあり、求人需要が急速に萎んでいた。そういう時期に当たったことで、就職への転換がより難しくなってしまった。

弁護士を志すくらいなのだから、それなりの頭脳を持った人たちであったはず。そういう彼らが世の中でその能力を発揮できない事態となったことは、率直にもったいないこと。

制度改革もこのもったいない意識からスタートしたと認識しているが、結果としてたまたまその時期に当たった人のロンドン橋を落とすことになった。進退極まらせてしまったのだ。

父親が弁護士で、自分も後を継ぐと言って司法浪人を選択した友人が卒業前に言っていたこと。
「親父は反対したんだけどね。合格できずに不遇の人生を送っている人をいっぱい見ているからだって」

彼の朗報を聞くことはついになかった。年賀状の返事も来なくなって久しいが、今どうしているのだろう。

国が制度を転換するには、それなりの期間と十分な対応が必要だと改めて思った次第。

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