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政治家は不満を下げる努力をしないと、我身に返ることを慮るべき

今日は帰路に雨に降られました。会社近くでは弱い雨、家の近くではもう少し強い雨でした。時節柄、これはやむを得ないですね。

さて、……。

リーマンショックからこの方、日本は長く経済の低成長が続いた。日本人が耐える能力に秀でているせいか、それとも昭和恐慌時に金解禁等で打って出て失敗したことが今も尾を引いているせいか、自前のコストカットや人員削減に舵を切った。

それは「欲しがりません勝つまでは」に近い。そして何とか大崩れは起きなかったものの、日本社会から余裕が失われた。私たちの日々の生活において常にカツカツ状態が当たり前になったため、贅沢は素敵だと冗談を飛ばす隙間も見つからない。

遊び心も発揮できなくなり、日々の営みから潤いがなくなった。これまで潤滑油的な機能を果たしていた部分も削られて、何かをやるにしてもギーギーときしむ音がするようになった。

ただ、リーマンショックは日本発のカタストロフィではない。また、その影響は全世界に及んだはず。それでも気がつけば日本経済は一人負けの様相を呈している。

賃金も上がらず、その水準は韓国にも抜かれている。円安によってそれはより顕著になった。

その結果、よく分からない犯罪も増えた。ちょっとしたいざこざも起こりやすくなったように感じる。その理由として、多くの人の沸点が下がったことがあると思うし、これが穏やかな生活に一番良くないと思っている。

かつて、日本は貧しくても礼節を重んじる気風があった。「金はなくても正しく生きる」が当たり前だったのである。清貧の思想とでも言うべきであろうか。

でも、今の我々に清貧という言葉は馴染んでいない。結果的に貧しくなっているだけであって、それを自身で望んだわけではないからだ。

一方でかなりの富を集める人がいて、そういう人たちは子供にも十分な教育を与えることができている。明らかな格差が目の前にあって、なお意識高く美しく生きろと言われても、割り切れなさに身悶えするしかない。

結果として、ネットで怨嗟と不満の声を上げ、叩けるネタを探す餓鬼状態になってはいないか。今の世の中はかなり危うい状況になっていることを、私は心から憂いている。

これが一旦弾ければ、日本は悪い方向でも世界標準に近づいてゆく。そのことに対する危機意識が為政者側に見られない。もう少し怒りの沸点を上げる努力をしないと、日本は住みづらくなるのに、残念に思っている。

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