昨夕の黄昏時、私は既に群青に染まりつつある空の下、私は自転車を漕いで家路に急いでいました。

すると薄暗がりの中で正面から何かが飛んでくるのが見え、慌てて避けたのですが左頬に激突。

蛾か？　コウモリか？　と疑いながらもブレーキを掛けて徐行しながら振り向く、背後には何も見えません。こちらも走行中だし、向こうもどこかに行っちゃっただろうと判断しました。

何だったのかを確かめる術もなければ益もないと判断、とはいえ野生の何かが顔に触れた気持ち悪さはあるので、自転車を再加速して帰宅することにしました。

家に到着、玄関脇のトイレに入り、恐る恐る鏡を見たところ、特に左頬に変化はありません。その他にも異常はないなあと思いつつ念入りに顔を洗っていたら、台所からこちらに向かってきた妻が大声を上げました。

「お父さん、蛾が落ちてる！」

ぶつかった後、身体のどこかにしがみついてきたのでしょう。そして玄関で何かの拍子に落ちたものと思われます。

とはいえ、こちらはまだ洗顔中、顔に泡が残っているので直ちに動けません。
「掃除機で吸い込んで捨てるか？」と提案するも「それはイヤ！」と拒否。

次の瞬間、妻は捨てるためつぶしていたAmazonの薄い段ボールを持ち出すと、それで蛾を挟んで外に放り出しました。

幸い、蛾はジタバタすることもなく大人しく出されたとのこと。おかげで私が慌てて顔を洗い終えた時には何事もない状態になっていましたが、妻の危機管理能力の高さに感心したできごとでした。

その後、蛾が落ちていたところを念入りにウエットティッシュで拭いたことは、言うまでもありません。付いてきたのがリアルの生物でよかったのか悪かったのかは悩むところです。

お読み頂き、ありがとうございました。
虫が嫌いな方、申し訳ありませんでした。