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ヘルマンリクガメのふるさと:ボスニア・ヘルツェゴビナ【リクガメのふるさと道の駅】

カメといえば、ゆっくりとした歩幅で歩みを進める
というイメージがあるかもしれません。

しかし、ヘルマンリクガメをはじめとするリクガメたちは、
私たちの想像を超える、リラックスさを見せてくれる時があります。

「リクガメのごはん屋さん」のダイナ。でろーん。

リクガメ飼いならあるあるだと思いますが、
このでろんとした足に癒されます。

両足がのびのびです

ヘルマンリクガメは、ヨーロッパ地域に生息するリクガメ科チチュウカイリクガメ属のリクガメです。
生息地は中央・東ヨーロッパの森林や低木のある地域と言われています。

しゃきしゃき音を食べながらごはんを食べているのを見ている時間も、
とてもほっこりします。

こっち見るのはいいけど、ごはん踏みつけてるよね…笑

そんなわが家のやんちゃ坊主も属するヘルマンリクガメのふるさとの一つ、
ボスニア・ヘルツェゴビナについて、一緒にみてみましょう。

「東西の十字路」ボスニア・ヘルツェゴビナ

「ボスニア・ヘルツェゴビナ」と聞いて、どんなイメージがあるでしょうか?
サッカーが好きな人であれば、聞き馴染みがあるかもしれません。
元サッカー日本代表監督のイビチャ・オシム氏の出身国でもあります。

黄は希望と太陽を、逆三角形は国土の形を表し、
ボスニア、セルビア、クロアチアの3民族の融和の願いが込められている。

ボスニア・ヘルツェゴビナは、ヨーロッパの東部、
バルカン半島に位置する国です。
北部から西部はクロアチアに囲まれ、東部はセルビア、南部はモンテネグロに囲まれています。

社会科で習った「サラエボ事件」と聞けば、ピンと来る方もいるかもしれません。
首都のサラエボでは、第一次大戦のきっかけと言われている、
1914年にオーストリア皇太子夫妻がセルビア人青年に暗殺される事件(サラエボ事件)が起こりました。
近現代史以降も、様々な国に併合されたり独立したりを繰り返した国の一つです。

ミリャツカ川周辺に広がっている首都サラエボの街は、
宗教的な多様性で知られており、
イスラム教、正教会、カトリック教会、ユダヤ教が何世紀にもわたって共存してきたそうです。

かつてのサラエボオリンピックの跡地が墓地に
これだけの量のお墓に刻まれている年は、
ほとんどが1992年– 1995年のボスニア紛争の時期なのです。
横を歩きながら、同じ年の墓標が並ぶ景色に、
言い表せないような気持ちになったのをよく覚えています。

旧ユーゴスラビア連邦の崩壊が進む中、
1992年4月、ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国の独立を巡って
民族間で紛争が勃発しました。
3年半以上にわたり各民族が全土で覇権を争って戦闘を繰り広げた結果、
死傷者20万人、難民・避難民200万人もの犠牲者を出し、
戦後欧州で最悪の紛争となったと言われています。

「1993年を忘れないで」
訪れた当時は銃弾の跡が生々しく残っていました。

首都サラエボと並び、
ボスニア・ヘルツェゴビナを代表する観光地といえば、
世界遺産の町「モスタル」です。
モスタルは、かつてオスマン=トルコ帝国に支配されていた歴史を持ち、
ヨーロッパと中東の雰囲気が合わさった不思議な雰囲気です。

モスタルの街並み

オスマン=トルコ帝国時代に建設された「スターリ・モスト橋」は、
旧ユーゴスラヴィア内戦の際に爆破されましたが、戦後に再建されています。

スターリ・モスト橋

ボスニア・ヘルツェゴビナの気候について

気候が比較的日本と近いので、リクガメの中でも育てやすい種類と言われるヘルマンリクガメ。
そのふるさとであるボスニア・ヘルツェゴビナですが、どんな気候なのでしょうか?

夏は平均20度前後だが、朝夕は長袖が必要なほど肌寒い。
薄手のセーターを持っていくほうがいいだろう。
冬は平均0度前後。
降雪は場所にもよるが、首都サラエヴォでも50cm以上の積雪があることも。冬には寒さや雪に強い靴が必要。

「ボスニア・ヘルツェゴヴィナの天気&服装ナビ」https://www.arukikata.co.jp/weather/BA/

地域によって差があるものの、首都のサラエボは、春から秋は東京より少し寒いような気候だとわかります(野生下では冬場は冬眠しているため除外)。

ボスニア・ヘルツェゴビナにまつわる私のおすすめ「さよなら妖精(米澤穂信著)」

私は、この本をきっかけに、ボスニア・ヘルツェゴビナを訪れました。
登場する少女の出身国が、崩壊前のユーゴスラビアであり、
最後には彼女の出身国を巡る謎解きが出てきます。
「日常の謎」をめぐるミステリーとしても、とても読みやすくておすすめです。

私は読書が好きですが、読むタイミングによって、捉え方が変化するという体験をさせてくれたのは、間違いなくこの本でした。

・歴史的なことを詳しく知らず、物語として読んでいた小学生のとき
・世界史で旧ユーゴスラヴィア内戦を勉強してから、
 単純な世界史の単語としてでなく、
 その背景にはどれだけの出来事があったのかを想像した高校生のとき
・日本へ帰国する飛行機の中で、自分が現地で実際に目にしたことたちも頭に浮かびながら読み直した大学生のとき

その時その時のタイミングで積み重ねてきた時間や経験、
思っていることがあるからこそ、
どの文章があざやかで鮮明に自分の中に入ってくるのか、
解像度があがるのかという、
ひとつの味わい方を知った大切な本でした。

ということで、
今日はヘルマンリクガメ×ボスニア・ヘルツェゴビナの紹介でした!
また次の国でお会いしましょう!

リクガメのごはん屋さん

ボスニア・ヘルツェゴビナ滞在時にあったエピソードから、
その後の生活の変化について。

参考文献
地球の歩き方「ボスニア・ヘルツェゴヴィナの天気&服装ナビ」https://www.arukikata.co.jp/weather/BA/
外務省「ボスニア・ヘルツェゴビナ
 基礎データ」https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bosnia_h/data.html
クロ旅「【保存版】ボスニア・ヘルツェゴヴィナ 観光スポット・名所8選」
http://www.crotabi.com/8-places-to-visit-in-bih/

小家山仁「カメの気持ちと飼い方がわかる本」(2017)主婦の友社

本記事は、以下の記事を加筆・修正したものです。


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