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夜と朝の間

いつも明け方の時間帯になると思うことがある。

この世の中に、本質的に境界はないのだと。

僕らは曖昧な存在なのだと。

人はその境界がない世界を【自然】や【混沌】という。

僕らが扱うことのできない世界として、区別をする。


境界線を引くことは、曖昧な世界を安定させるということだ。

「食べる/食べられない」 「朝/夜」 「好き/嫌い」

なんだってそうだ。

僕らは言葉という文明を開発して
この安定した世界の中で生きているから、曖昧なものに不安を覚えるようになった。

でも、本質的にこの世の中には境界なんてなくて、ただそこに「在る」こと以外確かなことはない。

黒を突き抜け青くなった夜空に、明け方の赤みが混ざり合う。

不安な夜に、希望の朝が混ざり合った状態だ。

僕らはそれをえもいわれぬ美しい景色と思う。

それは僕らが文明を獲得する以前から見ていた光景なのだ。

僕らが「美しい」などどいう言葉を、
獲得する以前から見ていた景色なのだ。





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