【書評】BANK4.0:ブレット・キング

最近よく思うのが、

変革が起こるには時間がかかるということ。

当たり前のことを言っているようだが、

自分が意識的にトレンド情報を追っかけていたり、

スタートアップ界隈に関わりを持っていたりすると

この感覚は顕著なのではないかと思う。

要はイノベーター理論の話をしている。

情報に対してある種先進的な人と、

それを追いかけるマジョリティ。

このギャップにはおおよそ3年くらいあるイメージだ。

例えば今スタートアップ界隈でトレンドになっているNFT。

これが日本の大企業だったり、

情報に対して一般的な感度で接している人まで広がるには

早くてもおよそ3年くらいの期間が必要なのだと思う。

認知がアーリーマジョリティー〜レイトマジョリティまで広がり、

情報番組などでも一般的なワードとして取り上げられる。

直近ではDXというワードも一般化した言葉の一つだろう。

本書『BANK4.0』は、

そんなマジョリティ層に属しているような日本の大手金融業界の人が

まさにターゲットの内容になっていると感じた。

インターネットの存在を意識しながらも、

まだまだユーザーが支店に訪れることをベースにビジネスを構築しているBANK2.0から、

インターネットを当然のものとして、ただ行うものになったBANK3.0。

そして銀行の存在それ自体が否定され、

テクノロジー企業に代替えすることが当たり前となりつつあるBANK4.0。

先端をいっている中国のBATの例を筆頭に、

ケニアのM-PESAやUSのフィンテック企業の話など

今起こっていること、

これから起こることを様々な事例を通して語っている。

しかし自分からしてみれば

これはIT業界で今まさに日本で起こっていることが

そのまま金融の世界で起ころうとしているに過ぎない話だ。

何を今更。

そんな感覚に陥ったことを認めないわけにはいかない。

自分の周りで普通に生活している人は、

現金など持ち歩かないし、

銀行の支店にいくこともほとんどない。あったとしてもそれをネガティブなこととしてか捉えていない。

今更と感じることができるのは

自分がミレニアル世代であることも関係しているだろう。

そしてこの感覚がいつかは失われしまうであろうことも自覚しておかなければいけない。

だからこそ

実際に人に会って話をしたり、

流行っている書籍を読んだりすることが大切なのだと思う。

自分の感覚と世間の認識をすり合わせること。

今の仕事をし続ける限り

不可欠なことであるし、

つまりはいつまでもユーザー視点をもって生活することを忘れないという戒めだなと思う。


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