【書評】ショッパー・マーケティング:流通経済研究所

深いデータを取れるテクノロジーが発達したことを背景に、

「ユーザーを知る」というマーケティングで最も大切なことをより精緻にやれるようになったよね。ということが記載されている書籍だった。

主に小売の現場では、

過去においてPOSデータを使い、どんな商品がどの店舗でいつ買われたかという情報を起点に施策を考案していた。

しかし個々のユーザーを紐付けるFSPデータが活用できるようになったおかげで、

誰という情報を上記に加えた上で施策を考案できるようになった。

また店舗でのアイトラッキングや、ヒートマッピングを活用することで、

人がどんな動線で店舗を回遊するのかといったことや、

どんな順序で商品を発見するのかといったことが明らかになり、

売上により最適化した形で施策のPDCAを回すことできるようになった。

本書は2011年の発行なので取り組みなどは更に洗練されていると思うが、

小売店やメーカーが取り組んでいた施策の概要を知ることができたことは面白かった。

また本書で提示されている、

人をConsumerとShopperに分けてそれぞれのインサイトを考える必要がある、という内容は自分にとって新しい考え方だった。

買い物をする人が実際にその商品を使うとは限らないという考え方は、

特に消費財において非常に重要であり、

ターゲットとなるユーザーをどう設定するかという点においても考慮すべき点であると思った。

ちなみにここまで色々書いてきたが、

なぜこの本を読んでみようを思ったかの背景でいくと

数カ月後に化粧品メーカのマーケティングで自分が働くことになったことが大きい。

ConsumerとShopperの考え方でいうと、

ここが=になっていることが多い商材な気はするのだが、

もちろんブランドによって様々であると思うので、

本書の考え方も念頭に置きながら仕事をしたいと思った。

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