【書評】黒人はなぜ待てないか:マーチン・ルーサー・キング

最近、黒人の歴史に関する本を集中的に読んでいる。

2020年のBLM以降、

特にアメリカでマイノリティである彼らの行動の源泉に興味をもったこともあるし、

シンプルに、現在のポップカルチャーにおいて主役である黒人の世界を、少しでも知りたいと思ったのだ。

数冊の本を読み、

ある程度知識がつくにつれ、

たかが50年前の出来事だとは思えない現実があったことに、改めて驚かされる。

今の価値観で言えば

白人だから、黒人だから、アジアンだからという人種による差別が、あってはならないのは当然だし(それでも起こってしまうことが悲しいが)

人種差別をする人間は打破すべきという共通認識を多くの人が持っている。と思う。

難しいのは国民の多くが同じ人種である日本において、

価値観のアップデートが進みにくいことだと思っているが、一旦その話は置いておく。

さてそんな価値観が当然になっているために

そこに至るまでにどれだけの時間と労力が費やされたのかを、

特に我々の世代はなかなか実感できない。

いつの間にか。自然と。

そんな風に何かが変わることは多くないし、

一人一人の人間が声を挙げることが大切なのだと歴史を知るにつれ、感じる。

一方で、相反することを言うが、

物事が変化するとき、波が起きているとき、そこには必然があるのだと思う。

大きなうねりが起きるまでは時間がかかる。

だが、一度そこに到達すれば、流れを止めることは誰にもできない。

キングのような人間は波が起こった後の象徴であるし、特別な存在であると思う。

しかし波を起こすことが大事なのだ。物事を変えることを、必然にすることが大事なのだ。

昨今のLGBTQに代表されるマイノリティの問題も同様のことだと感じる。

波は起き始めている。それが止められない流れになるまで、なんとか続けることが一番難しいし、一番大切なことだ。

50年後、

振り返って今の時代が信じられないと言われる世界が訪れるように。

今の問題に立ち向かうために、歴史に学ぶこと。

過去と現在を往復することが、未来を作るために大切なのだと改めて思った。

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