ボカコレ2024冬 参加曲を聴いた(前編)

ボカコレ2024冬が終わってしばらく時間が経ってしまいました。ランキングが確定してからもルーキーランキングとTOP100に参加した曲をしばらく聴いていたので、気になった&気に入った曲を羅列していこうと思います(順不同)。多分前編です。

今回はニコニコ動画ではなくボカコレアプリで聴いていました。最初こそ「今回はたくさん聴くぞ!」と意気込んだりしていましたが、多くの曲を聴くことを目標にすると刺さらない曲は1コーラス終わる前にスワイプすることになったりして、なんだかマッチングアプリってこんな感じかもなと(使ったことはないですが)そんなことを思いました。でもよく言われている「ストリーミング時代は最初の1秒が勝負!」的な話はこういうことですよね。最初の1秒とは言わなくとも、それっぽいことは改めて実感した気がします。
なので結局毎日少しずつ、計100~200曲くらいを聴くにとどめました。ただ作り手のキャリアもジャンルもここまで雑多になってくると、クオリティ的な下限ラインはある程度あれど、それをクリアしさえすればいいねを押すのは自分の好みにかなり左右される気がします。本稿で選んだ曲を聞き返してみても、私の好きそうな曲だなあという印象の曲がほとんどです。SpotifyやApple Musicなどストリーミングサービスよりも圧倒的に”出会いの場”という側面が強いような気がしますね、ボカコレアプリ。


「シグナル / 雪乃イト feat. 小春六花×夏色花梨×花隈千冬」

青春バンドアニメのOP感のある可愛さ×疾走感がたまらない。こういう王道JPOP展開の青春ポップソングって最近だいぶん減っているような気がするので、シャッフル再生で出てくると鮮烈な印象があります。この曲を知らない人に何も言わずに聴かせたら、ボーカルが音声合成ソフトだと気づかない人もいるのでは?

「盲目の怪物 / ひらぎ feat.初音ミク」

ダウナーな歌詞に対してリズミックなギターの刻みが程よく乗れて、若干00年代を彷彿とさせるようなシンセソロもいい。全体として緩急が少ないんだけども楽器のフレーズで昂らせてくる感じがかなり好印象でした。

「A Tale of Sky Colors / Ostrich feat.可不」

いわゆるKawaii Future BassとかFuture Pop的なやつでしょうか。こういうの好きです。こういったキラっとした音が多分に入っている曲や可愛いラブソングにも可不の声はよく合うなあと思うこの頃。この手の曲と言ったら萌え声であったり明るくて快活な声が定番ですが、可不の場合可愛さ以外の、寂し気なニュアンスだったりアンニュイな感じが含まれているので、ギャップが生まれたりするんでしょうね。

Co-ichi「優柔不断サバイバー / 初音ミク」

サビの1フレーズ目でぐっと掴んでくる曲はいいですね。間奏のリフも好き。JPOPの影響を多分に受けていそうだと感じさせつつ、1サビ終わりの間奏あとの展開の仕方がボカロならではな感じ。と思ったらそのままギターソロに展開し、平成の香りのするソロを炸裂、その後のBメロでは8bitっぽい音も入っていたりして、キャッチーな聞きやすさがありつつかなり盛りだくさんの楽しい曲です。

「サヨナラ、めがねちゃん feat.知声 - ナカヤケン」

前々から思っていたんですが、知声はめちゃくちゃバンドサウンドに合いますね。ボカロックの”ロック”の種類も前とは少し変わった印象があって、今はどちらかというと下北沢系のロックバンドに影響を受けたボカロックが増えているような気がします。メジャー感よりインディー感、とざっくりまとめてしまうと、今のメジャーシーンではバンド音楽が一時期よりかなり下火になったからなんだろうなあという気もします。

MAMIZU「『日向夏少女論』重音テト」

今テトめちゃくちゃ再燃してますね。爽やかな曲調ととってもよく似合います。サビで大きく盛り上がらず進行し、そのまま再度Aメロに行く感じ、好きです。どこか合唱曲っぽい構成もあってなつかしさがあります。

「スマート??? / まらしぃ feat.鏡音リン」

まらしぃさん×kemuさんのタッグは「十年越しのラストピース」「88☆彡」「新人類」(これはじんさんも含めたチームですが)に続く4作目でしょうか。前半2作との作風の違いがすごい。ベテランってすごいなあといたるところで思う曲です。どっちもどっちの良さがあるのでこうして同じ土壌で聴き比べできるのは面白いですね。サビが頭から離れない。

フリギア「大概無理難題。 /ずんだもん」

初投稿だそう。ずんだもんの「のだ」を効果的に使っていたり、「大体 大概 無理難題」のリズム感が気持ちよかったり、ところどころ聴いていて楽しい部分を入れつつ全体を通して無気力なずんだもんが描かれます。後ろで鳴っているシンプルな電子音もなんとなく無気力ずんだもんを象徴しているよう。簡素ながら、この曲オリジナルのずんだもんの性格をしっかり表している1曲。

「裏命ちゃんのフクオカトリップ奇騒曲 / 南ノ南 FEAT りめちゃんとキャストの皆様」

「星界ちゃんと可不ちゃんのおつかい合騒曲」、「可不ちゃんのカレーうどん狂騒曲」に続くのは「裏命ちゃんのフクオカトリップ奇騒曲」。前の2作が強烈だったためにハードルはかなり上がっていたでしょうに、まさか福岡にトリップするとは。個人的にはクールな曲始まりのパートがとても好きで、フル尺を聴いても一番鮮明に頭に残っていました。

悪魔「さようなら、ローダンセ -feat. Mai-」

ちょっと大人びたMaiの声とこの曲調がたまらない。こちらも00年代の風味をちょっと感じます。JPOP回帰でも起きているんでしょうか。というか最近はかなり人間に寄った歌い方をする音声合成ソフトも出てきていて、ボカロPではない作曲家も仮歌に使うほど…なんて話を聞きますが、ボカロP的にはそれらの登場によって「あの頃の憧れのJPOPを作ってみよう」みたいな流れにもなったりするんでしょうか。

濁茶「ゼロ発信 / 重音テト」

テトはメロディの良さを一段か二段引き上げてくれる感じがしますね。曲の構成としてはそう変わったものではないですが、各所に色々な音が散りばめられていていい感じにごちゃまぜ感が出ているのが面白いです。それでいて、音の入れ方がちょうどいい塩梅なので統一感も出ている。サビや終盤にかけての高揚感もかなり好き。今回のボカコレで聴いた曲の中で5本指には入るくらい好みです。ライブの最後にやってほしい系の曲。映像もすごい。

youまん「ワーストリグレット … GUMI」

これも今回のボカコレで5本指に入るくらい気に入った曲です。こういう電子ロック曲の転調していきながら展開する疾走感であるとか、緩急の感じとかめちゃくちゃ良いですね。勢いがあるだけじゃなく、サビの最後で切なさに転がる感じもかなり好きです。

虚空「現実逃避行/MEIKO」

元気なトランステクノと静かめなMEIKOの声が意外な組み合わせ。この組み合わせのギャップが刺さる人もいそうですが、私は元気いっぱいのこのトラックが好きです。


後半に続きます(多分)。

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