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あのときに見た景色

ハザマの世界は感覚が制限されているはずなのに心地よさを感じる場所…と思ったが、ちがう、『感覚が制限されている』から私はそこに心地よさを感じるんだ!と気づいた。

家も木も空さえも見える何もかもが雪に覆われた、あたり一面真っ白な新潟の冬。空気は澄み切っていて音も心地よく無音。
住んでいる生き物としては不便な部分もあるのだけれど、そんな新潟の冬が好き。
最近はそういう冬でない時も多くなってきたけど。

子供のころに感じた心地よさを思い出しながら、私は作品を描いているのかもしれないなーと最近思うようになった。
あのときに見た景色をそのまま絵に描くことは私にはできないが、あのときに感じた感覚を別の形で作品として今描いているんだなぁ。
なんかやっとストンときた気がする。
やっぱりね自分の中にある感覚でしか作品を作れないんだ。
自分の感覚に嘘をついて作品を作ることはできないんだ。

私は画面の中へ中へと、空間を潜るようにして描いている。
紙から浮き出すようには描いてない。
紙の向こう側を描いてるイメージだろうか。
だから作品が窓なのだけど。

こちら側とあちら側という区別とそれが繋がっているという感覚があるからこそ、作品の前に立った人も作品の一部だと思うのかもしれない。


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