朝の青とギター

電気のつかない青い部屋の中に、太陽の光だけが差し込んで、寝転がった私に見えるのは、垂直になった地平線。ギターの音が聴こえて起きようとするけれど、そこには誰もいない。
やわらかいシーツの手触りは、母親の産毛と体温よりも優しく、数日前の柔軟剤の香りが、鼻腔から身体の奥に沁み込んでいく。

くびれが終わりのない地平線のように永遠に続いていたなら、そこに人はいるのだろうか。砂浜に立ったあの人の視線が、波の奥に消えてゆく。

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