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#77 Podcast News : 音声プラットフォームの統廃合

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音声業界の海外市場が見えてくる番組 ポッドキャストアンバサダー
この番組では、自称オーディオジャーナリストである新井里菜が、音声を通じて音声業界の気になるニュースや注目の動きをお伝えします。
音声配信者やポッドキャスターが知っておきたい情報、音声配信が気になっている企業に役立つ視点を業界目線とリスナー目線でお届けしています。

さて、今回は「音声プラットフォームの統廃合」というテーマで、音声業界の注目ニュースをアップデートしていきたいと思います。

先月から配信しているニュースレター”Podcast Newsletter”で毎月、音声業界ニュースについて執筆をしているんですが、今回はこの秋に続々と入ってきた、himalayaの配信サービスの縮小やREC.の事業引き渡しなどのニュースを、独自の視点でまとめました。

今回はそんなニュースレターを元に、音声でお届けしている内容です。

ニュースレターでご覧になりたい方は、公式Twitter@PodcastLetterJP またはWebsiteよりご覧ください。

1.国内音声プラットフォーム統廃合

今年2021年の秋、音声業界にとっては衝撃のニュースが次々と発表されました。それが、国内音声配信プラットフォームの統廃合。

中国発の音声配信プラットフォームhimalayaの音声配信サービス縮小の発表が9月、そして翌月10月にはYoutuberマネジメント事業を行うUUUM株式会社の音声配信サービス「REC.」の事業譲渡。各サービスを利用していた配信者の方だけではなく、リスナーの皆さんにとっても驚きだったのではないでしょうか?

では、そんな気になるこのプラットフォーム統廃合から何が見えてくるのか?今月のPodcast Newsでお届けしたいと思います。

2.国内音声プラットフォーム

元々音声市場というのは、アメリカや中国が先行事例と言われるように、日本国外で大きな成長が見られてきました。ただ、2010年以降日本国内でも様々な音声プラットフォームが立ち上がり、今では巷でも「音声元年」などと言われ、音声市場の盛り上がりを聞かない日はありません。

現在、どのような国内音声プラットフォームがあるのか?と言うと、大きく2種類に分けることができます。いわゆる「聞き専」としてユーザーが音声番組を聴けるもの。そしてもう一つは、音声番組を配信できる機能もあるサービスです。

代表的なものはこちら
「聞き専」のサービス
 radiko
 audiobook.jp 等
「配信機能」のあるサービス
 Voicy
 Radiotalk
 stand.fm 等

それぞれのプラットフォームによって、聴ける音声コンテンツの違いだけではなく、配信機能やリスナーとの関係構築をするための機能なども細かく違いますが、耳から聴く「音声コンテンツ」という大きな括りで且つユーザー体験という視点で区別すると、このように区別することが出来ます。

3.himalaya と REC. のニュース

ここで、冒頭で挙げた二つの統廃合のニュースを見ていきましょう。
まずはhimalayaです。
9月の頭、「himalaya」の音声配信サービス縮小について公式発表され、その数日後に追って出てきたニュースがstand.fmとの ”コラボ” でした。

このコラボ、簡単に言うとこれまでhimalayaで配信してきた番組をstand.fmに移行して配信することが出来るという両者の協力体制です。現在では完全にhimalayaプラットフォームでの新規音声配信は出来なくなっており、アーカイブ視聴のみが可能となっています。

そして続いて10月に発表されたニュースが、Youtuberマネジメント事業を行うUUUM株式会社の音声配信サービス「REC.」が、stand.fmに事業譲渡されるというニュースでした。

このタイミングでstand.fmは配信者の収益化機能の一部、メンバーシップ機能を一般公開するなど、配信者向けのキャンペーンも開始しています。

4.音声プラットフォームに大事なものは?

ではここで、この二つのニュースに共通するものは何かというと?stand.fmです。ここが配信者や事業の受け入れ先となっているという事、皆さんもお気づきかと思います。

ここで注目したいのが、音声プラットフォームに大事なものは何か?という事。stand.fmがhimalaya配信者の移行先となった理由、そして新たな資金調達をしてREC.の事業を引き受ける先には何があるのか?

ここから見える事は、配信者数を増やすこと。

国内の音声市場は、先に挙げた国内の音声プラットフォームだけではなく、今ではAnchorなどの海外勢も存在感が大きくなっています。そこで、やはり音声プラットフォームとして今大事だと考えられているのは配信者数。

これまでにも、人気配信者やインフルエンサーの引き抜き、タレント事務所とのコラボなど、各社プラットフォームはいろんな形で注目配信者を増やしてきています。今では誰でも簡単に配信者になれる時代だからこそ、有料コンテンツの拡充という意味でも配信者数が各社のKPIとなっているのではないでしょうか?

ただそんな中でも、配信者数の増加に対して一線を画しているのがVoicyです。

Voicyの配信者は審査制。他のプラットフォームと違い、誰でも配信者になれる土壌というわけではありません。
直近では、Voicyの配信者になるための通過率2~5%という中、今年の夏にはパーソナリティー数が1000人を超えたと発表。そして、MAU(月間利用者数)も250万を超えているという発表からも、リスナー数も大きなプラットフォームに成長しています。

最近では、各プラットフォーム内の「リスナー不足」という事も耳にしますが、そんな中でVoicyは、配信者数を限定することでリスナー数とのバランスをとることを重要視しているのかもしれません。

5.ポッドキャストはどうなのか?

では、プラットフォームの統廃合が起こっている中でポッドキャスト媒体はどうなのでしょうか?

配信のしやすさで言えば、だれでも配信出来るのがポッドキャスト。そして、配信先も1つに限られず、1つのコンテンツをApple PodcastsやSpotify等へのマルチ配信も可能なので、どんなスマホでも、Webブラウザでも聴くことが出来ます。

”垣根がない” 配信方法がポッドキャストとも言えます。

もちろん、現在世界中にあるポッドキャスト番組は200万以上。配信ハードルが低い分、配信しても大海の一滴となる可能性もありますが、一方でこれまでポッドキャスト媒体では難しかったリスナーとの双方向なやり取りが可能が機能も増えてきています。

前回のニュースレターで取り上げたサブスクリプション機能や、Anchorより発表された新たなQ&A機能や投票機能もその一つ。このような徐々に開発されてきているポッドキャスト周りの新たな機能を使う事で、これまで難しかったリスナーとの関係構築も、今後進んでいくのではないでしょうか?

音声プラットフォームの統廃合によって、配信者が今後どこで配信していくのが良いのか?答えは1つではありません。
皆さんはどう考えますか?

変化のスピードが著しいこの音声業界。次々と発表される新しい機能やプラットフォームの変化をどう乗りこなしながら、リスナーに楽しんでもらえる配信を続けていくのか?

そんな視点で、今回は国内音声プラットフォームの統廃合ニュースをテーマに Podcast News をお伝えしました。今押さえておきたい業界の流れから、これからの配信活動に役立つ視点を今後もお伝えしていきます。

6.エンディング

さて、今回は音声プラットフォームの統廃合をテーマに、国内の音声業界ニュースをピックアップしてお届けいたしました。

この秋は配信者にとっても、リスナーにとっても大きなニュースが次々と起こりました。今後も、このPodcast Newsletterを通して、注目の音声業界ニュースを独自の視点で切り取っていきたいと思います。

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今回のエピソードの感想は、書き起こし配信をしているnoteのコメント欄や、Twitterにてお待ちしております。そして、今回の放送が役に立った!面白かった!という方は、是非Apple PodcastやSpotifyからのフォローやレビューも嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

最後まで、お付き合いいただきありがとうございました。
ポッドキャストアンバサダーの新井里菜がお送りしました。
それでは、次回のエピソードで。

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