国内ポッドキャスト最新リサーチ :Podcast News
ポッドキャストが好きになる番組、ポッドキャストアンバサダー。
この番組は、Podcast ディレクターである新井里菜が、奥深い音声の世界をご案内していきます。
(こちらの内容は、ポッドキャストでも配信しております)
毎月最初は
さて、今日から4月ですね。日本では新学期や新たな社会人スタートの時期かと思います。
で、今日はそんな年度はじめに、昨年日本国内のポッドキャストシーンはどうだったのか?最新リサーチ情報をもとにお伝えしたいと思います。
これで、どれだけの人がポッドキャストを利用しているのか?どんな人が聞いているのか?そしてどんなジャンルが聞かれているのか?
いろんなデータが出てきています。
今回の内容、音声事業を初めてみたい、音声広告を出してみたい、という企業の方。社内ポッドキャストの企画書を通したいけど数値データがない!という方にはきっとお役立ていただける内容です。
それでは本編を早速お楽しみください。
1.ポッドキャストユーザー
さて、今回は昨年の日本国内のポッドキャストシーン、どうだったのか?という調査内容を取り上げます。
取り上げるのは、デジタル音声広告事業を行っている株式会社オトナルと、朝日新聞が行っている「ポッドキャスト 国内利用実態調査」です。
ここから、今の日本のポッドキャスト事情、除いていきましょう。
まず早速ですが、
国内のポッドキャストユーザーの規模
これは昨年から増えまして、月間のアクティブユーザー(1ヶ月に1回以上ポッドキャストを聴く人)が15.7%となりました。(昨年は14.4%)
国内のポッドキャストユーザー年齢層
中でも、どれぐらいの年齢層が聴いているかと言うと、15歳から29歳、ここが一番よく聴いているそうです。実に、4人に1人が聴いているということですね。
その次に聞いてるのが30代、次が40代となっています。
国内のポッドキャストユーザー職業
ここまでで、全体のコアなポッドキャストユーザーの世代としては、
ティーンである学生世代
現役で働くビジネスパーソン世代
子育て世代などが中心であることがわかるんですが、
更に面白いデータが、そのユーザーの職業です。
昨年に続き、実は会社でいうと管理職にあたる「意思決定層」のポジションのユーザーが、ポッドキャストを聞かないユーザーよりも多いんですね。
これ数値で見ますと、
ポッドキャストを聴いている意思決定層の割合は、14.9%なのに対して、
ポッドキャストを聴かない、非ユーザーにおける割合は9.6%と、5%以上の違いがあります。
これ結構大きな差ではないでしょうか。
ポッドキャストユーザー、管理職が多いとなると、ポッドキャストによって伝えられる情報、内容が、例えば社内プロジェクトの方向性にも影響したり……と言うことも想像できます。
あともう一点、職業で言いますと、学生。
これ、ポッドキャストを聴いていない学生よりも、聴いている学生の割合が多くなってます。
ここでは、情報収集としての利用もあると思いますし、音声をエンタメとして楽しんでいるというような姿が個人的には想像できます。
2.コンテンツ・プラットフォーム
さて、ここまでポッドキャストユーザー、聴いている人がどんな人なのか?というところを中心にした調査のご紹介でしたが、ここからはコンテンツ・プラットフォームに関するデータです。
具体的に番組作り、どこで配信する?というところなどに関連するかと思います。
ジャンル
まずは、人気ジャンルです。
これまで、ポッドキャストランキングなどから見ると、ニュースや英語学習というジャンルがTop2常連なのですが、今回の調査ではまたちょっと違った面も出てきています。
まず、一番人気のジャンルは「ニュース」
どの世代も結構な率で聞いているんですが、特に40代以上では一番聞かれているジャンルが「ニュース」です。
で、次に人気のジャンルは「コメディ・お笑い」です。
これは特に15歳から30代はダントツトップの人気を誇っています。
先ほどあげた、学生さんがエンタメとしてポッドキャストを楽しんでいる、という予測とも合致するデータです。
後、他に伸びてきているジャンルも紹介されておりまして、
それは「ビジネス」「音楽解説」「アート」です。
これらは、昨年よりも数値が伸びています。
プラットフォーム
では、次に何を使って聞いてるか?
これ、実は日本では圧倒的にiOSユーザーがAndroidユーザーよりも多いんですが、Spotifyを使って聴いているというユーザーが、全体の41%になりました!
他にもAmazon Musicで聴いている人や、その他アプリから聴いている人もいるものの、ポッドキャストを聴くならSpotifyで、というユーザーが非常に多いですね。
ポッドキャスト聴き始めたきっかけ
しかも、関連データとして、ポッドキャストを聴き始めたきっかけについては、
Spotify、Amazon Musicなどの音楽アプリでもきけるようになったから、という回答が全体の4分の1以上。
昨年からは減っているものの、これ、先ほどの人気ジャンルで最近伸びてきているものに「音楽解説」というのがあったんですが、それとも通ずるところがありますね。
ちなみに、聴き始めるきっかけで次に多いのが、口コミです。
口コミの種類も二つありまして、
友人や知人など、知ってる人からの口コミ。これが実は以前多かったんですね。ただ、直近では、ブログやSNSを通じての口コミ、要は知らない人から勧められたものも聞く、という動きが昨年より増えているようです。
こういった動向、やはりポッドキャストという音声媒体自体の裾野が広がらないと、こうしたおすすめをするSNSやブログ、というのは注目されづらいと思います。そういった意味では、やはり音声というエンタメの認知が広がってきている、そんな風にも感じ取れるデータです。
3.これでどうするか?
さて、ここまで、どんなポッドキャストユーザーがいるのか?
そして、そんなユーザーが何をどこで聞いてるのか?どうやって聴き始めているのか?そんな調査結果をみてきました。
じゃぁ、そこからどうするか?
冒頭でもお話ししたように、
例えば音声事業を初めてみたい、音声広告を出してみたい、という企業の方なんかは、Twitterやインスタグラムなどと比較して、マーケティングツールとしてどういう年齢に刺さるのか?どのプラットフォームを主に使うのか?というところでこうしたデータ、参考になると思います。
後、これまで何度も「社内でポッドキャストの企画書を通したいけど、数値データがない!」という方。説得材料として使えますよね。
では、このデータを持って、もし私が新たな番組を制作するとしたら、どんなものを作るか?
ちょっと最後に妄想企画を作って終わりにしたいと思います。
私なら、ターゲットリスナーをティーンから大学新卒、新社会人を対象にした「教育系」番組を企画したいと思います。
最初に取り上げたリスナー層。若い層が多かったですよね。
これ、今後も続くと思います。
アメリカなんかでもそうなんですが、この年齢層のリスナー非常に多いです。
今この層が音声に求めているジャンル、楽しんでいるジャンルは、エンタメだと思うんですが、その後おそらく聞くジャンル、幅が増えていくと思います。
この年齢の共通点である「学生」という立場で、誰もが関係してくるコンテンツが教育系。
ちなみに、音声媒体であるオーディオブック市場も、実は教育系のジャンルが伸びている、というような調べもあります。
なので、こうした「教育系」の番組を作っておくと、今のリスナーだけでなく、将来のここの年齢層にも聞いてもらえる可能性がある。
ポッドキャストならではのアーカイブが生きてくるという、結構マッチするコンテンツじゃないかな、と思います。
ということで、最後は私の妄想企画の一つをお話ししましたが、
今日は、そんな直近のリサーチの中身をご紹介しつつ、今の国内のポッドキャストシーン、どうなっているのか?みていきました。
4.エンディング
さて、今回はPodcast Newsといことで、昨年日本国内のポッドキャストシーンはどうだったのか?最新リサーチ情報をもとにお話ししてきました。
「音声盛り上がってるよね」という雰囲気だけではなく、データで見てどうなのか?
なかなか数少ない音声業界に関する調査です。
今回、このエピソードの中でご紹介したデータはほんの一部です。
詳しい内容は、今回調査を行われたオトナルさん、朝日新聞社さんの資料をダウンロードすることで見ることができます。
ぜひ、気になる方は見てみてください。
今回の番組概要欄にもリンクを貼らせていただきたいと思います。
https://otonal.co.jp/podcast-report-in-japan2022
今後も、毎月第1週目は、こうした音声業界の注目の話題や、最新のリサーチ情報などをご紹介していきたいと思います。
さて、次回第2週目は
ぜひお楽しみに。
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