あの時の想い

2019年1月27日夜8時

嵐の5人は記者会見を開いた。

「2020年12月31日をもって活動を休止する」

あまりに寝耳に水な発表を公式サイトで行ったのはその3時間前。私はテレビのテロップでの速報を見た姉から告げられてその事実を知った。とにかく頭から真っ白になってしまった事を覚えている。

その頃、そして休止にいたるまでの間ファンとしては冷静に考えられなかったが、今、休止から半年ほどの時間が経ち少しだけ冷静に考えられる様になってきた。そこで感じる事、それは

「大野智はやっぱり凄かった」

休止への流れとして2017年6月「嵐を離れて自由な生活をしたい」という智くんのメンバーへの告白から始まっている。

その後、メンバー、事務所などと話し合いを重ね出した結論が「活動休止」だったが、そこに至るまでには紆余曲折、色々な事があっただろう。智くんの告白から公表するまで1年半以上かかっている。

確かにキッカケは大野智だ。けれども結論は嵐を始めとする関係者全員の総意である。私が着目したのは、休止にいたるまでの経緯を隠すことなく説明した点だ。

「智くんが言い出したからこうなった」

ともすればファンにはそう捉えられかねない、いや実際にそうだったかもしれないが、もし私が嵐や嵐の関係者だったらそれは絶対に言わない方が良いと言うだろう。だってそのまま喋れば智くんが完全なる悪者だ。

ここからは私の完全なる想像なのでご容赦願いたい。

嵐のメンバー達の性格からして「最終的に活動休止を決めたのは自分達で、智くんが言い出したと言う必要はない」という意見は出たに違いない。智くん一人を悪者にするのは避けたいと考えるのが自然だと思うからだ。それでも最終的にそうしなかったのは、智くん自身がメンバーに強く主張したのではないかと思っている。「ファンには絶対に嘘はつきたくない!」そして「メンバーに嘘をつかせたくない!」という想いがあったのではないか。「自分のせいで嵐は活動休止になる」事を誰よりも自覚していたのは智くんであっただろうから、その事に関して隠しだてをしたくはなかったのだろう。

しかし、これはかなり勇気のいる事だ。少なくとも私だったら絶対に出来ない。大袈裟ではなくファンに殺されてしまうんじゃないかと思うからだ。怖くて外を歩けなくなる。可愛さ余って憎さ百倍、ファンはそれ程までに嵐を愛しているのだ。

それでも智くんは全てを正直に話す事を選択した。その選択は彼の生き方そのものである。水モノと言われる芸能界であったとしても、嵐でいればまだしばらくは安泰だったはずだ。知名度も抜群、売れなくなってきたと言われる音楽業界でも嵐は一定以上の数字を叩き出していた。その地位を投げ捨ててでも自分の行きたい道を選ぶ。そもそも地位や名誉と言った事には彼は全く興味を持っていないのだ。

やっぱり「大野智は凄い!」と思った。

嵐には別の選択肢もあった。智くん不在の状態で嵐を続けるという選択肢だ。智くんとすれば、正直そうしてくれた方が有難かったであろう。自分のせいでこれまで愛し続けてきた嵐の時間を止めてしまう事を心苦しく思っているに違いないから。

束縛を嫌い自由を好む大野智が20年以上もの間嵐として活動を続けた事はある意味「奇跡」なのかもしれない。それ程までに智くんにとって「嵐」は特別な存在だったのだろう。きっと告白するずっと前から自由に生きたい想いはあって、でも愛する嵐を壊してしまう真似は出来なかったに違いない。

しかしその大野智が「活動休止」を受け入れた事にも注目している。先の事は分からない。けれども絶対に戻る気がなければ、彼の性格からして活動休止ではなく「解散」を選んだと思う。もしかすると告白から嵐のメンバーと話し合う過程で彼にも心の変化があったのかもしれない。メンバーの嵐への愛情を目の当たりにして「解散」とは言えなくなってしまったのかもしれない。どちらにしても、話し合いの過程で彼の中に「いつかまたその時が来たら」という想いがめばえたのではないか、、と推察している。


まぁ、これもファンの勝手な妄想である。

智くん、お元気ですか?




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