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EMをやめて、組織開発をはじめる

こんにちは、けんにぃです。
最近、EMをやめて組織開発を始めたのですが、その背景について語ろうと思います。


これまでの経緯

私は今の会社に2022年11月に入社をし、2023年3月にEMに就任をしました。

前職でもマネージメントはしていたのですが、プロジェクトマネージメントが主だったので、EMに就任してピープルマネージメントを行うのは始めての経験でした。

EMに就任をしてからは評価制度の策定やチームビルディング、1on1などを行いながらチームを牽引してきました。

感じる違和感

マネージメントについては一定の評価をいただく一方で、開発するのが好きだった自分としては開発する機会を失ったことへのモヤモヤがありました。

前職でマネージメントをするようになった直後から「開発をしなくなるのは少しもったいないように思う」と複数人から言われてきており、自分はEMが向いているのかICが向いているのかがよく分からずにここ数年間を過ごしてきました。

本音としては、やはりICとしてずっと開発を続けたいと思っているのですが、その一方で働く環境が健全でないと満足して開発することもできないので、マネージメントに時間を投資するほうが結果的に楽しく開発できるのではないかという考えもあり、マネージメントを続けているという側面もあります。

また現実問題としてEMからICに戻るというのは難しいものがあり、組織文化としてEMとICの間で行き来できるようにしたいと思っていても、実際にそれが叶うケースがあまりないというのが実情です。理由はEMをできる人が母数として少ないからで、優先度をつけるとどうしてもマネージメントの課題のほうが優先されてしまい、それができる人はEMを任されてしまうのです。

そのせいで、会社が私に求めることと私自身がやりたいことにずっとギャップを感じており、「自分はEMに向いているんだ」というアイデンティティを無理して持とうとしているところがありました。

自分は人に興味がないのか?

なんとなくEMじゃないんだよなぁと感じる一方で、別に人のフォローをすること自体が嫌いなわけではありませんでした。

子供の頃から勉強を教えることが多くて、なかなか理解できない人に頑張って教えた結果、その人が氷解して笑顔を見せる瞬間にちょっとした喜びを感じていたのを今でも覚えています。

同級生からも「先生になるのが向いていそう」とよく言われていましたし、社会人でも新卒研修の講師を自分から手を挙げてやっていたことを思い出すと、自分は人の課題に向き合うこと自体は嫌いではないんだろうと思ってました。

モヤりポイントはどこだ?

EMとして人を育てようとしたとき、その会社にコミットできる人材に育てないといけないというような感覚があります。これは当然といえば当然のことなのですが、私の中では会社にコミットする先にその人の広大な人生が広がっており、その先のどこへ向かいたいのかをじっくり考えたいという思いがありました。

つまり、会社にコミットする人材になるのは目的ではなく、その人の人生を豊かにするための手段に過ぎないし、通過点でしかないのでは?という感覚です。

EMをやっていると「会社のために」という大義名分のもと、人を育てることを求められ、私にはそれが手段の目的化のように感じてしまい、その人の人生のあるべき道をEMが強制的に作っているような思いがありました。

評価制度も会社が作った人生の道を歩かせているような感覚があり、この人はこの評価制度にフィットするように人生を歩んでいくのか?それでいいのか?という疑問が湧いていました。

人間は自分の人生を描く画家である

アドラー心理学によると人はみな人生の主人公であり、その人が思い描く人生を歩めば良いとあります。

私は子供の頃から学校が嫌いで、みんなで調和するような生き方を求められるのが苦痛で仕方がなかったです。それと同じく周囲の人たちも、その人が幸せだと感じる人生を歩んでほしいと強く願っており、今の会社を辞めることがその人の幸せになるのであればそれを支援したいと思っています。

EMとして育成をしていると「数年後に退職する」ことを目的にしている人材がいたとすると、引き止めるように力学を働かせるでしょう。そう意識してなくても周囲から引き止めるようなバイアスが必ずかかります。

私が感じる違和感はここにありました。

そして組織開発室へ

会社にコミットできる人材を育てるというより、その人の人生が豊かになるように伴走したい。

これが私のやりたいマネージメントであり、EMというよりはキャリアマネージメントと言われたほうがしっくり来るなと思っています。

チーム目標を立ててそれを個人目標に落とし込んで・・・というようなマネージメントより、もっとその人の広大な未来を見据えたマネージメントがしたいのです。

これを実現しようとするなら、もはや1チームに収まってマネージメントをするのは自分の働き方にフィットしないと思い、EMを外れて組織開発室という部署に異動することになりました。いわゆるジンジニアと言われる領域です。やることをシンプルに一言で説明するとVPoEっぽい仕事です。

ICとして開発をしてたいと思っていたのに、EM以上に開発をする機会がないポジションに就いてしまいました。

さいごに

果たしてこの決断が正解なのかどうかはまだ分かりません。ただ新しい経験は人生に良い影響を与えると信じています。組織開発室がしっくりこなければまたその時、考えようと思います。その時まで、しばらく川に流されるように身を任せてみようと思います。

2024年も波乱万丈な1年になりそうです。

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