見出し画像

ナースの駆け引き。~ありがとう~

以前書いた、コミュニケーションを円滑にしていると思う、私の『あいうえお』。

これを私は会話の中に必ず入れる。
直接会っているときも、LINEなどで連絡をとっているときも。
なんの変哲もない、誰もが知っている言葉達。
わざわざ紹介するのもどうかと思う。
だが、一時話題になった『さしすせそ』だって同じだ。
それが案外正しく相手に伝えられていないのが現状だ。

今回は『あ』を紹介。

『ありがとう』


普段からきちんと使えているだろうか?
ありがとうの代わりに、『すみません』とか『どうも』等と言っていないだろうか。

例えば会社で、
『~置いておきましたね』と言われたとき、
『あっ、すみません』とつい言っていないか?
もちろん広辞苑でも『すみません』に、感謝の意味もあると載っている。
だがこの場合は、『(何のお礼も出来なくて)すみません』と言うことらしい。
やや普段、感謝の気持ちを伝えるために使う『ありがとう』とは異なるようにも思える。

それに何となく『すみません』は、謝罪に使う言葉に思える。
もちろん悪いときには謝るのは当たり前のことだが、謝らなければいけないと言うことは何かトラブルが起きていて良い状況ではない。
そんな状況を連想させる言葉は、なるべくなら日常では使わずに、明るい言葉を選んで使いたいものだ。

男性心をくすぐると言われている『さしすせそ』。
『頼られたい』というのが世の男性の本心だと言うなら、大きな声では言えないが医療業界なんて男女限らずそんな人達が沢山いるのだ。

病院で、『え~出来なぁ~い』なんて言ったり泣いたりしている医師や看護師、検査技師なんて見たことがない。
もちろん、こんなことをしていたら問題になるし、そんな病院はすぐに潰れる。
だが、誰にだって初めてやることはどんなに経験を重ねてもある。
(日々、医療業界だって進歩しているので見たこともない機材が導入されることも珍しくない。)
ただ、動揺は見せたらいけない。
患者さんに不安をあたえてしまうから。

「これ初めてやるんですよ~」なんて、検査前に言われたら不安で仕方がない。
そう学生時代から教え込まれているので当然プライドも高くなるし、性格も強くなる。
ついでに演技まで上手くなる。

そんな人達が集まっているのだから、どこかで上手く折り合いをつけないと仕事にならない。
そのための、コミュニケーション術なのだ。

『~さん、先ほどはすみませんでした。』
なんて、お礼を言ったつもりが
『そう思うなら、つぎはちゃんとやってよね!』
なんて言われかねない世界。

それを、
『~さん、先ほどはありがとうございました。』
と言うと、不思議と
『手が空いてたから大丈夫、大丈夫』
なんて返答されることが多いのだ。

その時はすかさず、『さしすせそ』の『さ』
『さすがですね~。私なんて余裕がなくて~』
なんて言っておけば、
『何か他にある?』なんて気にかけてまでもらえる。

医療従事者と言うと、合コンや出会いの場では、同業者以外からならそれなりに声がかかる。
(同業者は、性格がキツいことやプライドが高い人が多いことをよく熟知しているため…嫌だと言う人が多い気がする。)
その場を上手く言葉でやり過ごしている人も多いのだろうと思う。

ただただ聞くと『あざとい女』だが、これで『良い気』がしている人もいるのだから捨てたものでもない。
相手は良い気分で、ついでに自分も助けてもらえるなんてこんな良い話はない。
口癖で普段『すみません』と言ってしまいがちな人は損してるかもしれない。
『ありがとう』に変えてみよう。
そして、助けてもらったらしっかり『ありがとう』と伝える。

いつも読んでくれる皆さん『ありがとう』。

『いうえお』もまた今度書いてみます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?