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大通りを歩けば銭湯に当たる

【文字数:約800文字】

 出先からの直帰ということで、横浜は関内にある大通り公園のあたりを散策した。

 海沿いのみなとみらい地区から陸側に入り、横浜DeNAベイスターズ本拠地の横浜スタジアムより南西へと伸びる公園、それが大通り公園だ。

 町中にありながら遠くまで続く公園で、道路と住宅とがひたすら並走しており、見通しが良くて解放感がある。

 歩きながら思い出したのが札幌の大通公園で、前に行ったときはオータムフェストをやっていた。一方の横浜では赤レンガ倉庫で開催されるらしい。

 公園は南北にある山がちな場所に挟まれており、四角に区切られた土地は現在地を見失いやすく、似た場所をぐるぐると歩き回ってしまった。

 そんなとき、ヘッダー画像にした辨天湯べんてんゆを見つけた。

 マンションの1階なので始めは何か分からず、近づいて中から風呂上りの人が出てきたので、やっと銭湯なのだと理解した。

 さらに迷い歩くと永楽湯を発見。

劇場とか公民館みたい
出入口から漂う雰囲気
味のあるコインランドリー

 旅をしているときは町銭湯のお世話になったけれど、現在は行く機会がなくなってしまった。それでも大型のスーパー銭湯にはない、良さとしての古めかしい空気が好きだ。

 構造物で埋め尽くされた都市において、生身の人間が生きている感じがするし、今と昔を繋ぐ場所というか。


 子供の頃は近所に大きな銭湯があったのだけれど、存在を認識してすぐになくなり、現在はマンションが建っている。

 その場所の近くには駄菓子屋があって、小顔が可愛らしいけれど怒ると怖い、色白のおばあちゃんが1人で店を開いていた。

 今は老人ホームに建て替えられ、子供が自然と集まる場所は見当たらない。

 令和の現在、同じことを連想する世代は減っていくわけで、今の子供たちが持つ原風景はどんなものなんだろう。

 古めかしい銭湯や建物を見るとき、そんなことを考える。

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