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「Vlog」「レビュー」・・・?YouTuberタイアップを5つの型と2つのオプションにまとめてみました

YouTuberタイアップ増えてます

みなさまはじめまして。
YouTuberマーケティング歴4年のBitStar・えいかわです。

「YouTuberってヒカキンさん以外いるの?」、「芸能人がYouTubeなんかやるわけ無いじゃん!」と言われていた黎明期から、YouTuberタイアップを見つめてきて4年。

当時は「YouTuberにタイアップをお願いするなんて、リスクが高いし、効果なんか出るわけない!」とよく言われましたが、2021年現在はTVCMにYouTuberが出演するくらい大手企業が注目するソリューションになっています。


……なんと感慨深い😭😭😭


一方、YouTuberタイアップが注目を集める反面、「YouTuberでのタイアップは難しい。。」であったり、「YouTuberへの依頼の仕方がわからない」という困り果てたマーケターや広告代理店担当者の声を耳にする機会も格段に増えてきました。

YouTuberタイアップの企画を紐解きたい!

YouTuberでのタイアップを考えるときの要素を簡単に分解すると下の図のように誰を起用するか(人選)とどんな動画にしてもらうか(企画)になります。

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YouTuberと企画の結びつきは強く、人選と企画をわけて考えると失敗してしまうことも多いのですが、今回は初心者の方から、「少しは分かってきました!」という中級者くらいのマーケターの方向けに単純化して伝えたく、この「企画」にフォーカスして考えてみたいと思います。


なぜYouTuberタイアップの企画を考えるのが難しいか?


本題に入る前に、「そもそもなぜYouTuberタイアップの企画を考えることはこんなに難しいか」について考えてみたいと思います。

お急ぎの方はこのままスクロールしてもらっても構いませんが、このYouTuberタイアップの特殊性を再認識することはとても重要なので、しばしお付き合いください。


理由① YouTuberタイアップはYouTuberが編集権を強く持っている

YouTuberのタイアップはTVCMなどと違って、考査はないもののYouTuber本人のチャンネルに企業がお邪魔してPRするという性質上、YouTuberのポリシーが最上位の概念です。
(もちろん、広告関連の法律やYouTubeのレギュレーションなどもありますが。。。)

YouTuberにとってのチャンネルは彼らの全てであり、彼らについてくれているファンは財産です。
チャンネルにとって広告色が強く、見られにくかったりすぐ離脱されそうなコンテンツをアップするとYouTubeのアルゴリズムからこのチャンネルは質が下がったと認識されてしまいます。
彼らはYouTubeタイアップだけでなく、YouTubeのアドセンス(広告)での収益が重要な収入になっているため、これらをとても嫌がります。当然ですよね。
さらにアルゴリズムだけではなく、ファンから「また広告か」だったり、「広告とわかったからスキップした」みたいな悲しくなるようなコメントがいっぱい来たりします。
(逆に、タイアップが上手いクリエイターだと、「こんなにおもしろい案件動画を作るなんてすごい!」だったり「〇〇ちゃんが紹介するとタイアップってわかってても欲しくなる!」と書かれたりします。この話はまた別の記事で。)

理由② タイアップ動画を出すことではなく、効果を出すことがGOAL

めちゃくちゃ当然のことを書いたのですが、タイアップは広告なので、単純に出せばいいのではなく、なんらかのマーケティング上の目的をクリアすることが必要です。
特に効果計測がしにくかったり、ユーザーの反応がわかりにくいオールドメディアと違って、YouTubeは再生数は可視化され、コメントでユーザーの反応がダイレクトにわかります。
そのため、既存の広告と比較して、出た感でごまかすことは極めて難しいのです。

加えて、YouTuberタイアップで出稿の多いEC系のクライアント、ゲーム/アプリなどデジタル上でアクションが完結するサービスにおいては効果計測も行えるため、ごまかしは一切ききません。


理由その1に書いたYouTuberのチャンネルのポリシーにあわせながら効果を出すのは至難のわざと言えるでしょう。


理由③ チャンネルが変わるとそれぞれが別の雑誌といえるくらい世界観が変わる

よくインフルエンサーのアカウントは一つ一つが雑誌に例えられます。
それぞれのアカウントに方針があり、それにのっとったコンテンツをユーザーに提供しているのです。
美容系、ガジェット系、Vlog系のようにある程度は大別出来るものの、ジャンル内でも全然違うテイストになったりします。
女性誌だと、赤文字系青文字系とか年齢とかで分けられていたものが、さらに細かくあるイメージです。

さらに雑誌は大手出版社さんの数も限られていましたが、YouTuberの場合は誰でも発信可能で、すでに美容系YouTuberの数だけで女性誌の数を圧倒的に超えています。(数えてみたことはないのであくまで体感ですが。。。)

これらをすべて頭にいれるのはBitStarのYouTuberマーケティング専門のチームでも不可能だと思っています。


理由④ 依頼するマーケターや決裁者自身がYouTuber世代ではない

この理由4はYouTuberタイアップのとっつきにくさの根っこだと思っています。冒頭に記載したようにYouTuberもだいぶ市民権を得て、テレビでYouTuberを見ることも珍しくなくなってきました。

とはいえ、YouTuberをメインで見ているYouTuber世代はティーン〜20代中盤くらい、せいぜい30歳以下です。
自身がファンやリアルユーザーではないものは当然とっつきにくく、訓練次第で感覚は伸ばせるとはいえ、どうしても難しさがつきまといます。
(余談ですが、私えいかわは現在31歳なので、YouTuber世代ではないです!)

独特の文化があるのはテレビや雑誌、他のソーシャルメディアプラットフォームもそうですが、特にとっつきにくさを感じるのは世代ではないという点が大きいと思っています。

YouTuberタイアップにおける5つの型と2つのオプション

前段が長くなってしまいましたが、ここからが本題です。

YouTuberタイアップはどこまでも複雑に考えることも出来ますし、当然一つ一つのチャンネルに寄り添って企画することはプロモーションの成果のためにとても重要です。
とはいえ、現代のマーケターは多くのタスクに追われていて、ある程度型化して思考していかないととてもじゃないですが、YouTuberタイアップを実行することが出来ないかと思います。

今回はYouTuberタイアップの要素の半分である「企画」を5つと2つのオプションに分解してみました。

なぜ多様なYouTuberPRが5つにまとめられるか。それはタイアップで効果を出そうとするとおのずと選ばれる企画は限られているからです。


さらに5つの企画の型に加えて、効果最大化を測る際に使われる2つのオプションもあわせて説明させていただければと思います。

その1:Review

最初はもっとも想像しやすいReview(レビュー)動画について解説します。
レビュー動画は、“商品をYouTuberの目線で紹介する動画”です。
購買に直結しやすいので起用されることが多く、マーケターの方や広告代理店の方もイメージしやすいと思います。
ユーザーの期待に応えて、商品のいいところをしっかりと刺さるように伝え、かつタイアップといえども悪いところも正直に伝えることができれば、それが信頼性に繋がり、大きな成果になりやすいと言えます。

一方で、差別化が曖昧な商品や正直にレビューすると商品のアラが目立ってしまうものなどは、YouTuberからNGが出たり、商品の悪いところを隠して動画にするとあとからコメントでユーザーからツッコまれ逆効果になってしまうことも。

また、たとえ良い商品でも、コスメなどは本人の体質と合うかどうかも問われるため、YouTuber本人との親和性が問われやすい企画の型と言えます。

※複数色/複数ラインナップある商品は全色レビューなどユーザーが知りたい情報を効果的に提供することが多いです


その2:Vlog

続いてVlogに関して説明します。VlogとはVideo Blogの略で、テキストで表現するブログの動画版と思っていただくとよいかなと思います。

広義のVlogはYouTube上にアップされている動画そのものになってしまうので、今回は「日常の姿を自然に動画に収めたもの」をVlogと定義します。

言葉だけだとイメージがつきにくいと思うので、ピンとこない方はこちらの動画を見てください。


さて、このような日常動画、Vlogからどうやってタイアップに落とし込むのでしょうか。
もっとも典型的なやり方はVlogの中で自然に商品を使っている姿を見せるというものです。映画やテレビにおけるプロダクトプレイスメントに近い形式と言えるでしょう。
より訴求力を高めるために、Vlogの最後に商品の説明シーンをくっつけることも多くあります。
YouTubeでよく見る〇〇ルーティン動画もこのVlogの派生パターンかと思います。

この型のメリットはとにかく自然に伝えることが出来て、再生数やエンゲージメントを損なわずユーザーに伝えられるという点です。
特にルーティン動画はどのYouTuberでも安定してヒットしやすく、希望されるクライアントも多くいます。
一方で、全体の尺の中で商品にフォーカスがあたっている時間が相対的に短く、購買につながらない場合もあります。

再生数をあげるか訴求力を高めるかは案件次第ですが、クライアントとクリエイターと慎重に会話をして進行していかないと、アレ?というような結果に陥りがちな意外と難度が高い型と言えます。

その3:Variety

はじめに型にすると言いながら、Varietyというなんでもアリな名前にしてしまいました、ごめんなさい🙏
ただ、これは「様々な」という意味ではなく、テレビのバラエティ番組のVarietyです。

YouTubeは横型の長尺(短尺もありますが)動画プラットフォームなので、テレビで人気のフォーマットが当たりやすく、バラエティ番組を真似したコンテンツをあげるYouTuberは非常に多くいます。

帰れま10、モニタリング、あるあるネタ、対決モノなどは定番ですね。

タイアップにおいては下記のように飲食系のクライアントが活用することが多くあります。

また、それ以外にもモニタリングに絡めるパターンも。

このVarietyフォーマットはテレビで面白さが証明されている典型的なものなので、再生数の担保はしやすいです。
一方で企画と商品を統合することが難しく、一歩間違えると企画のシーンと訴求のシーンが分断され、後半の訴求のシーンで大きく視聴維持率が下がってしまうことがあります。
再生数は出しやすいが効果を担保することが難しいフォーマットだと言えます。


その4:Talk

YouTubeは長尺であるため企画が重要と思われますが、詳細まで企画を構成せずに自身の想いをありのまま吐露する語り系の動画も多く見られます。多くの場合、「〇〇について語ります」というようなタイトルで投稿されている、このような動画をTalk系と呼びたいと思います。

こちらもピンと来ない方が多いと思うので、例を見ていただきたいと思います。

このフォーマットの場合、本人が語っている課題感と商品を結びつけることによりタイアップとして成立します。
タイアップの場合、一般にはアーカイブで実施することが多いですが、このフォーマットの場合はライブ配信なども比較的やりやすいと思います。


私が見た中で落とし込み方が上手いなと思った動画は下記です。

トーク中のYouTuberさんが持っている悩みと商品が解決できることがしっかり結びつくと、再生数だけではなく購買にも結びつきやすいと思います。

このフォーマットのデメリットは無理やり落としすぎるとユーザーの反感を買いやすい点です。
YouTuberは自身の多くをさらけ出すことで、ユーザーと関係を構築しているため、そこに対しての裏切り行為は商品が売れないだけではなく、炎上リスクもあります。

その5:Native

最後のYouTuberタイアップの方はNativeです。こちらは、そのチャンネルにとって特有の自然な型という意味合いでNativeと名付けています。
具体的にいうとクイズ系YouTuberのトップであるクイズノックさんにおけるクイズと連動したタイアップ動画やお金持ち系YouTuber(?)ヒカルさんの大金を使った企画など、そのチャンネル/YouTuberの特徴を活かした自然な企画とタイアップの訴求を連動させるものです。

パワーがあり、強烈なキャラが立っていたり、鉄板の企画を持っているYouTuberがこの型での実施が多く、ハマったときの効果はかなり高いと思われます
一方で単純な企画ではないため、費用や工数が想定以上にかかり、難易度は高いと言えます。



だいぶ長々と説明してしまいましたが、YouTuberタイアップの型はこれだけではありません。
この5つの企画に掛け合わせて再生数を伸ばすために使われる2つのオプションがあります。

オプション1:Collaboration

YouTuberは一人放送局と言われることもありますが、YouTuber同士の交流も盛んで、相互にコラボする文化もまた強く根付いています
コラボ自体により企画が面白くなることももちろんですが、双方のファンを送客しあうことにより再生数が伸びやすいといえるでしょう。

このColaboはすでに説明した5つの型にかけあわせて再生数を伸ばす施策として使われることが多々あります。

わかりやすいコラボ例は身内同士のものでしょう。

その他典型的なものはYouTuber同士の対決企画などあげられるかと思います。
対決するYouTuber同士に因縁があればなおのこと視聴者を楽しませやすいと思います。

オプション2:High-Quality

もう1つのオプションはタイアップで企業から予算が出ることを逆手にとって、通常の企画を圧倒的に超えるような大掛かりな動画を制作することです。

依頼する企業側にもなかなか勇気がいるため、見かけることは多くないですが、このオプションを用いてバズったなぁと思うのが、あさぎーにょさんのこちらの動画です。

あさぎーにょさんは基本的にどの動画も世界観があって、クオリティが高いと思いつつ、このタイアップ動画は短編映画並みです。

1点こちらのオプションで気をつけたいのが、大規模に予算を使ったからといって、面白くなるとは限らないという点です。
あくまで視聴者の期待を超えることが重要で、視聴者の興味がないけど予算がかかってそうなものは違和感だけが伝わって無駄遣いになるでしょう。


このnoteのまとめ

複雑と言われやすいYouTuberタイアップ、少しは体系的に整理できていましたでしょうか?

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YouTuberのチャンネル数が爆発的に増えている中、1つ1つのチャンネルの特性を理解し、YouTuberと協業していくことはますます難しくなっています。
今回の型の整理で少しでもYouTuberと一緒に組みたいと思う方が増えてくれるとうれしく思います。

また、今回整理した型よりももっとこうした方がわかりやすい、こういう型も新たに出てきたといったこともあるでしょう。
その場合はぜひ我々に教えてくれるとうれしいなと思います。


これからもこのnoteではこの調子でYouTuberやインフルエンサーに関して、体系的に整理していきます。
みなさま、最後までお読みいただきありがとうございました。

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