見出し画像

【ONE】新カードの話:除去の話

【はじめに】

 ファイレクシア:完全なる統一のスポイラーも着々と進んでいる今日この頃です。この記事が公開される頃には、既に全カードが公開され、僕は毎セット恒例のリミテッドに向けたコモン・アンコモンと除去の勉強をしているのでしょう。
 ということで、今回はリミテッドにも大いに関係する新しい除去についての話をしていきたいと思います。
 最初は白のカードから見ていきましょう。

【白部門】

《平和な心》の上位互換

 コモンでありながら構築でも実用的な性能。常在型能力や誘発型能力は止められないため、例えば《黙示録、シェオルドレッド》のような相手には効きが悪いですが、対象にできる範囲の広さは特筆すべき点でしょう。
 リミテッドにおいても10段階評価で7、8ぐらいは貰える性能と言えるでしょう。割と本気で白はこれが何枚ピックできたかで勝率が変わると言っても過言ではないかもしれません。

白単に新たな風?

 扱いが少し特殊なカードで、汎用性があるかと言われれば微妙かもしれませんが、次環境で大活躍をする可能性もあるので、今のうちに確認しておくのもいいでしょう。
 似たカードは今までも数多く存在しましたが、こちらは普通に戦場に出るのではなく、自分がコントロールしている基本土地に付ける形で出す必要があります。基本土地タイプを持っているではなく、基本土地にしか付けられないため、白単か多くても二色デッキでの運用が現実的です。こちらは上で紹介した《次元の攪乱》と違い、半永久的に戦場から取り除くことが可能なので、常在型能力や誘発型能力も封じられます。代わりにアーティファクトが範囲から漏れてしまいますが、アーティファクト・クリーチャーであれば特に問題無く処理できるため、ほとんどの場合でこちらが有用でしょう。
 それと、個人的には《機械の母、エリシュ・ノーン》と組み合わせて2体同時に処理する動きをやってみたいです。
 こちらもリミテッドで7、8の評価はあるでしょう。リミテッドでは基本土地という弱点も気にならないでしょうし、やはり《次元の攪乱》よりも優秀かもしれません。

 特別優秀なのは上の2枚ですが、他の白の除去についても軽く紹介していきます。

除去orダニ
流石に重いか?

 《ダニの突撃》はダニ自体が未知数という問題がありますが、リミテッドでは横並びし易いため、強く使えるタイミングは多いでしょう。
 《久遠の消失》はクリーチャーを対象にすると6マナとかなりの重量級除去になってしまいますが、アーティファクト(クリーチャーでない)やエンチャント、PWなどに対しては効果的なため、リミテッドにおいてPW対策として忍ばせても良いかもしれません。

【青部門】

 青は除去という除去が無い色ですが、リミテッド的には注意しておく必要もあるでしょう。
 ということで1枚だけ。

増殖も嬉しいか?

 こちらのカードは青の中でも除去として使える1枚でしょう。増殖効果の利用は青的には油カウンターが最もあり得そうでしょうか?

【黒部門】

 白もなかなか良かったのですが、今回は特に黒の除去が豊富かつ強力な印象です。まるでクリーチャーが強くなるのに比例して除去も強くなっているような、そんな気配がするのは僕だけでしょうか?

よく見掛けるタイプの除去

 こちらは主にリミテッドで活躍しそうな除去です。団結のドミナリアにもあった《骨の粉砕》の完全上位互換に見えるのは僕だけでしょうか? そういう意味では、構築でもサクリファイス的なデッキで使われることがあるかもしれません。
 今回もダニのような雑に出るトークンがいるため、そういう奴を生け贄に捧げて使っても良いですし、普通に5マナの除去として使えるというのも嬉しいですね。

マイナス修整は正義

 ソーサリーではあるものの、-4/-4の修整に嬉しい増殖効果付きというこれまた優秀なカード。正直カウンター系が構築でどれだけやるかは分かりませんが、普通にPWの忠誠度を上げられるだけでかなり強いのでは?
 リミテッドにおいても弱い訳がありません。こちらも7、8点以上はあるでしょう。増殖まできっちり活かせれば、《胆液まみれ》と言わず、快楽物資のプールで泳げるかもしれません。

うーん、強い

 これは間違い無く構築でも使われるでしょう。布告系除去の問題だったクリーチャー・トークンが邪魔で目当てのクリーチャーが除去できないという現象も、ある程度ではありますが解決され、PW除去のモードも追加されているという欲張りセット。布告系の強みである呪禁や護法、破壊不能を貫通する性質も健在で、本当に言うことないですね。
 またしてもになりますが、リミテッドでも非常に優秀です。しかし、リミテッドの方が目当てに当てられない現象が起きやすそうなので、過信は禁物かもしれません。

 他にも黒にはこんな除去があります。

堕落で確定除去
PW除去も意外と役立つ?

 それにしても今回のセット、除去が多いような……。

【赤部門】

 赤は基本的に火力除去になるため、環境に大きく左右されます。流行っているクリーチャーのタフネス次第で、一見して優秀な除去も全く使われなかったり、逆に《引き裂く炎》のような「こんなカードが!?」というカードが使われたりする傾向が他の色より強いです。そのため、赤では特に次環境について予想しながら見ていきたいと思います。とは言っても、全て僕の個人的な妄想ですので、そこはご了承ください。

毒性特効

 1マナ2点の火力除去は数多くありますが、こちらはクリーチャーのみを対象とし、対象が毒性を持っている場合は4点になるという毒性特効を搭載しています。
 ちなみに、現在の環境には1マナ火力除去として、以下のようなものがあります。

主に赤単に採用されている《火遊び

アーティファクトを生け贄に捧げると4点になる《電圧のうねり

死亡するなら代わりに追放の《炎恵みの稲妻

 しかし、そのどれもが対して活躍していません。その原因としては、2点で落とせる範囲には特に対処が必須なクリーチャーがいないことが挙げられます。例えば、次環境で新カードの《耐え忍ぶカー、ケンバ》のような対処必須級の軽量クリーチャーが流行った場合、これらが再び使われるかもしれません。また、僕が注目している《ふくれた汚染者》が入った緑単のようなデッキが流行った場合、こちらの《呪い金の斬撃》がスマートな解答としてサイドボードに採用されるかもしれません。とは言え、新セット加入で環境が動かなければ使われるものではないのも事実です。
 リミテッドでは2点の時点でそこそこの活躍は見込め、毒性持ちも高頻度で遭遇しそうなので、10段階で言えば7ぐらいでしょうか?

こちらも増殖付き

 3マナ3点も頻繁に見掛けるカードです。最近で言うと《削剥》や《採掘爆破》が構築で使われていますね。《削剥》はアーティファクトを破壊できるモードを備えているのが優秀で、現環境でも実用性は高いです。《採掘爆破》の方はイゼットアーティファクトでの利用がメインで、パワーストーンによるランプが見込める強みがあります。
 それで言うと、こちらの《電位の負荷》にも増殖という比較的汎用性の高い効果が付加されています。カウンター系でなくても、赤が絡んだフレンズ系のデッキで利用するなども考えられます。
 ただ、3点は2マナ・3マナの軽量クリーチャーを相手にするなら十分ですが、4マナ以降となるとかなり厳しいです。使うにしても除去をこれ1枚に頼ることはできない現実的ではないでしょう。例えばグリクシスミッドレンジでの《削剥》と《喉首狙い》のように、タフネスに依存しない除去と同時採用するのが理想です。
 リミテッドでは今まで3マナ3点が弱かった記憶が無いため、今回も大人気のカードになるでしょう。そしてこちらも《胆液まみれ》のように増殖を活かすことができれば俗に言う宇宙というやつかもしれません。黒は毒がメインになりそうですが、赤の場合は油でしょうか? これを使うなら是非とも油分の高いデッキで。

 他にも赤にはこんな除去があります。

これも常連
割り振る系
新3マナ5点

 コモンの5マナ5点も健在ですが、構築的にはこちらの《一斉蜂起》があり得るかもしれません。先述した通り、現在《引き裂く炎》という3マナ5点が、主に《黙示録、シェオルドレッド》を焼くために採用されているような状況です。装備デッキとのシナジーもありますが、そうでなくても破壊不能貫通を搭載しているため、単純に《引き裂く炎》の上位互換として機能しそうです。

【緑部門】

 長かった解説もいよいよ佳境です。とは言え、緑はそこまで除去が得意な色でもないので、既に9割は終わっています。
 では、最後の色を見ていきましょう。

修整+格闘

 構築では流石に出番は無さそうですが、リミテッドでは緑の基本的な除去になるでしょう。ソーサリーであるため、コンバット・トリックとして使うこともできませんし、急に普通のカードが来たという感じですね。

一方格闘+毒

 PWに飛ばないなどの不安な点もあり、そもそも今は緑自体が下火なのため、これも普通に考えれば忘れ去られてしまいそうですが、毒は構築で暴れるかもしれませんので、侮れない……のか? 全ては《ふくれた汚染者》に懸かっていると言っても過言ではありません。
 リミテッドでは一方という点が有利に機能しそうです。正直リミテッドで毒がどれだけやれるかは全く予想できていないため、現段階ではそれ以上の評価は難しいですが、長期戦になれば毒で勝つ展開も意外とポピュラーなのでしょうか?

【さいごに】

 ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます。前回と違って何枚ものカードを扱ったため、長めになってしまいました。書き始めた辺りでは未だスポイラーは終了していませんでしたが、この記事を書いている間に全カードが明らかになり、めでたく書き終えることができました。そんなに面白い話はできませんでしたが、何かのお役に立てれば幸いです。また新カードの話もさせていただきたいのですが、近い内に完全オリジナル謎デッキの紹介記事も書けたらいいなと思っています。
 ご意見ご要望や間違っている点などがありましたら、コメントの方に書いていただけると嬉しいです。それでは、またの機会に。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?