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FC町田ゼルビア 2023シーズン総括② エリキ離脱~シーズン終了

こちらの続きになります。
まだの人はぜひ。

前回は、開幕当初の守備の堅い、守れるチームから藤尾の覚醒、バイロンと鈴木準弥の融合によって勝てるチームになってきたところで、まさかの清水戦でエリキが負傷離脱…というところまでを書いています。

ということで、今回は32節の山形戦から振り返っていきます。

新たなチームの形を模索し、苦しむチーム

31節清水戦で、膝の大けがにより、長期離脱を余儀なくされ、ブラジルへと帰国したエリキの分まで、そしてエリキがいなくても勝てるんだと、見せつけるためにチーム一丸となって臨んだホームでの32節山形戦。

もちろん、清水との大一番を落とし、勝ち点差を詰められる格好となったため、連敗は許されない。

こうしたプレッシャーや逆境を跳ね返すかのような5発快勝。

夏にチームを去った髙江麗央の前で、改めてこのチームの強さを見せつけた。

この試合でのチームは特に「悲劇観」に対する反発が強く表れたように見える。

だが、ここからチームは下り調子になっていき、33節群馬戦、34節栃木戦、35節藤枝戦と3試合無得点に。

特に、34節栃木戦は代表活動でデューク、平河、藤尾がいなかったとしても、3試合で得点すら取れないのは苦しかった。この3試合は、チームの雰囲気的にも、外から見ていた身ではあるが、重たく見えた。

昇格、優勝へのプレッシャー、磐田と清水の静岡勢との勝ち点差が詰まってきたことなど、若いチームにはこの年一番の試練であった。

一方でこの期間でポジティブであったのは、失点が減ったことだ。

32節山形戦から、開幕からここまで最後尾からチームを支えたポープウィリアムに変わり、福井光輝がゴールマウスを守った。また、チームとして何もかも見直す必要が生じたからであろうか、25節東京V戦からずっと続いていた失点が止まった。

今シーズンの目標の1つを「30失点以内」としていたチームにとってこれは大きなことであった。

そして、36節長崎戦。相手は昇格PO圏争い真っ只中の長崎を相手に6発快勝。前半に中村慶太の退場もあったが、大量得点かつ、無失点と再び自信を取り戻したように見えたチームだったが…


大勝後の気の緩み、そして大団円へ

37節。長崎に6発大勝し、野津田に戻ったゼルビア。迎えるは、苦手な縦志向と高い強度を強みとするいわき。

試合は、守備でアンカーの下田栄祐を捕まえられずに、後半開始早々までに3失点。特に右サイドの攻防で後手に回り、最後まで改善が見られることは無かった。だが、ミンギュとデュークの2発で首位の意地は見せた。

続く38節の相手は甲府。1巡目の対戦では、甲府の3-4-2-1相手にプレスが全くハマらずに敗戦。ここまでどのチームにもシーズンダブルを許していないゼルビアは負けるわけにはいかなかった。

この試合でゼルビアが採用したのは、下田北斗をアンカーに配置した3-3-2-2。ここまでほとんどの試合で4-4-2、4バックを採用していたチームが、この試合で始めてスタートから3バックを採用した。

その理由としては、攻守の両面で5レーンを埋め、サイドの選手の質的優位を前面に出した攻撃的な意図があったように見られる。また、荒木駿太と宇野禅斗の2シャドーという特に運動量豊富な2人でセカンドボールを拾いまくるというのも意図していたであろう。

試合は甲府に先制を許すも、前半のうちに逆転、しかし後半に甲府に逆転を許し、試合終了間際に宇野禅斗のゴールで何とか同点に追いついた形であった。だが、チームは下を向くことなく、むしろ自信を持ったように見えた。

そして続くは大雨の影響による26節延期分の秋田戦。これまた、インターナショナルウィーク中のため、前途の代表組3人は離脱(のちに平河・藤尾は負傷により代表辞退)。

よりにもよって、ソユスタでの秋田戦というどのチームも苦しむカード。前線3枚の離脱もあって、多くのゼルサポが、なぜこんなに試練を与えるのかと思ったかもしれない。

しかし、不動のチャンミンギュを外しての池田樹雷人、松本大輔という空中戦に強い2人や、今シーズン限りで引退を発表した太田宏介のリーグ戦初先発など、驚きの人選とデザインされたセットプレーを用意。

それで、ロングボール主体で秋田の土俵に立ち、2-1で秋田に勝利を収め、昇格までマジック2とした。

太田宏介が入ることで、彼のポジティブさと持ち前の性格でチームにメンタル面で良い影響を与えていたことは、認めざるを得ない。

先発で起用した監督もだが、ここで起用に答えた太田宏介、まじでメンタルお化け。

そして、勝てば無条件でJ1昇格が決まる39節熊本戦。

3バック継続も、CBに藤原とミンギュを起用。さらに髙橋大悟をシャドーに起用し、地上戦重視の布陣。

一度はゴールネットを揺らされるが、オフサイド。プレッシャーや緊張感で固いチームだったが、宇野禅斗のミドルシュートで先制すると、いつも通りの躍動感に戻り、3-0で勝利。アウェイ熊本の地で、チーム初のJ1昇格を決めた。

翌週はホーム最終戦となった40節金沢戦。土曜日の清水の結果により優勝は決まっていたが、セレモニーのあったからなのか、それとも日曜の時点で優勝は決まっていない想定だったのが、想定外の優勝決定だったのか、動きが固かったが、なんとか1-0で勝利。

2012、2019年の屈辱、2018年のあと1点で届いた優勝など様々な記憶が思い起こされてのシャーレアップ。最高でした。

その後も41節山口戦、42節仙台戦と勝利して、最後は5連勝で2023シーズンを終えた。

最後の5試合は、太田宏介が先発出場し、自身の引退に花を添えた。


さいごに

多くのことが2022シーズンから変わって、2023シーズンの中でも何度も変化があって、その度に動揺したりしたけれど、FC町田ゼルビアを応援してきて良かったと思えるシーズンでした。

また、これまで終わってほしくないと思ったシーズンも初めてでした。

でも、来年のJ1は何もかもレベルが違うし、厳しい戦いになることが予想されるけれども、自分にできる形で応援していこうと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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