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2023.8.19 FC町田ゼルビア vs 清水エスパルス マッチレビュー

こんにちは。何とまさかの2試合連続の更新です。

前節、ホームで2位のジュビロ磐田に勝利し、首位の座をより確かなものとしてから1週間。

なんと、このタイミングで対戦するのが清水エスパルス。まさかの2週連続での静岡県勢との対戦。さすが日程くん。試練の8月である。

スタメン

町田:4-2-3-1
加入してから連続して先発を続けていたバスケス バイロンに代わって、平河が久しぶりに先発。前節累積警告により欠場した翁長はベンチ。奥山-SJのSBは継続。

清水:4-2-3-1
前回対戦から海外からの出戻りもいて、相変わらず層が厚い。怖い。
前節からは変更なし。

負傷交代によるゲームプランの崩壊

前半から一歩も引かない強度の高い試合で、イエローカードも飛び交う激しい試合となった。レフェリーはカードを出すことで試合をコントロールしていたが、少々荒れ気味の展開に。

5分に中山からのタックルを受け、エリキが倒れ込んでしまう。一度はピッチに戻るものの、飲水タイム時には通訳と苦い表情で話を交わしていた。

その後、接触の無い所で、膝から崩れる格好となり、無念の負傷交代。

だが、前半のうちにエリキを失ってしまったこと、交代のカードを切らざるを得なかったことが、攻守の両面で大きな影響を与えた。

清水は序盤から後ろ4枚でのボール回しで、そこにホナウドや乾が絡む形で数的優位を作っていた。だが、2失点を喫してからは、両SBを高い位置に上げ、2CBのみ、もしくは+ホナウドでボールを前進させてきた。

ゼルビアはこの変化への対応に苦労していた。主にSBへの寄せが遅くなり、中央もサイドもプレッシャーを十分にかけられない状況になっていた。

後半途中に3枚替えをし、3バックにすることでこれに対応するのだが、いつもであればハーフタイムで対応できたと思う。あんな分かりやすい状況を金明輝が見逃すはずがない。

前半のうちは立ち位置やプレッシャーに行く位置を変更することで対応していたが、噛み合わせが悪く、根本的な解決には至っていなかった。そのため、前半のうちに失点しまい、相手を乗せることになってしまった。

ゼルビアとしては、エリキという第一の槍を失ってしまい、エリキ交代後はなかなか前に出ることができなくなってしまった。

エリキ出場時は、複数の選手が相手の最終ラインの背後に走りだし、出し手もそれに合わせるように、長いボールを入れていた。結果、2点目の平河の仕掛けのシーンを筆頭に、相手のSBと1対1の状況を作りだし、チャンスを演出していた。

だが、エリキ交代後は、相手の勢いも相まってか自陣からなかなか出ることができず、相手のペナルティエリア内に侵入出来ない時間が続く。

これにはエリキとバイロンのキャラクターの違いもあるが、それ以上に中盤の2人や両SBが前に出れず、前線の選手たちが孤立していたことが主要因であると思う。

暑さやプレッシャーによる疲弊など複数の原因が考えられるが、それ以上に交代が遅くなってしまった。試合後に黒田監督も述べていたが、予想外、計算外のアクシデントで、判断が遅れたり、エリキ無しの自分たちに自信を失っているように見えた。

–まずは試合の総括をお願いいたします。
「立ち上がりから前掛かりになりながら得点を重ねることができました。
それまではプラン通りでしたが、エリキの怪我により、あまりにも早く交代カードを切らざるを得なかったですし、前半のうちに交代カードを使わなければならなかったことが、全ての計算を狂わせました。

試合後の記者会見:黒田剛監督


守備の特徴を消す清水のサイド攻撃

今年のゼルビアの守備の特徴は、素早いトランジションと囲い込み、クロスを上げさせない、跳ね返すという部分である。これが上手くハマれば、前節の磐田戦のように大きく崩されることもなくなる。

だが、それがハマらなければこの試合のようになってしまう。

清水はこの特徴を逆手に取るように、なるべく少ないタッチでボールを回しているように見えた。特にプレッシャーのある局面とサイドにおいて。

そのため、ゼルビアのDHの2人のフィルターが機能しなかったり、クロスに対して寄せきれない場面が多く見られ、清水の個々人の質の高さで上回られてしまう格好となった。

特に、清水のSBが高い位置を取るようになってからは、内側のレーンにSHの選手が入り、宇野と松井の両脇に立ち始めてから守備が後手に回り始めた。

また、それによりSBが内側に絞ってSHを見ざるを得なくなり、大外のSBに対応するには少し距離がある状態に。特に、清水の右SBの原が自由にクロスを上げさせることが多く、これは逆転弾を許すことにも繋がってしまった。

SBの果敢な攻撃参加を許してしまった理由には、ゼルビアに相手の背後を狙うスピードのある選手が交代で退いたことも大きく関係しており、交代で入った選手は相手の脅威となることができなかった。

なんとか、同点のまま終われれば良かったのだが、オ セフン投入以降は相手に制空権を渡しており、守備の決壊は必然とも言えるだろう。

相手の攻撃の変化に後手を踏んでしまい、さらには前にも出る力が残っていない光景はあまりにも無常というか、まだまだ我々は力不足、足りていないチームであるという現実を突きつけた。

残り12試合。どうする黒田ゼルビア。

試合結果

町田 2-3 清水
得点者:4' 髙橋 大悟
    23' エリキ
    44' カルリーニョス ジュニオ
    61' 乾 貴士
    84' チアゴ サンタナ

さいごに

これは自分もそうだが、前節の勝利を受け、昇格や優勝が多少現実味を帯びたことに驕りや気のゆるみがあったことを思い知らされる敗戦となりました。

また、今節も3失点と、しばらく失点0を達成していないため、次節は改めて原点に戻るきっかけとなるはず。というかなって欲しい。果たして戻る場所があるのか、エリキを欠いたときにどのような振る舞いを見せるかも含めて、注目していきたいと思います。

また、エリキのケガが重いものでないことを祈りたいと思います。

今節もお読みいただきありがとうございました。


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