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2023.9.18 FC町田ゼルビア vs 藤枝MYFC マッチレビュー

今年の町田ゼルビアに訪れた壁、これを乗り越えた先に目標であり、夢を叶えることができると思うと、壁を乗り越えて欲しい、切にそう思います。

ただ、時折、ベクトルが自分たちではなく、ルールや審判の判定など外に向き始めていることに不安も覚えます。

ということで、藤枝戦の振り返りです。

スタメン

町田:4-4-2
代表組3人が早速先発復帰。藤原、沼田も先発復帰。太田宏介がベンチ入り。

藤枝:3-4-2-1
夏の移籍期間に前線の選手が2人、J1に引き抜かれチームの再構築に取り組む。

ゴール前が固かった藤枝

この試合はお互いに中盤を飛ばすような形で、ボールが浮いた落ち着かない状況になることが多かった。その中でも、ゼルビアはデュークと藤尾の2トップにロングボールを当てて上手く前進していた。また、同時に空いたサイドのスペースを平河と沼田が単騎で突破していく。

ただ、ゴールだけが遠い、決定機は何度かあったが、ミスでフイにしたり、ポストやクロスバーに嫌われ無得点に終わった。

しかし、藤枝の前節から始めた守備のやり方と今の不調なゼルビアが上手くハマったようにも思える。

藤枝は、ゼルビアの最終ラインでのボール回しには一切食いつかず、SBや縦のボールが入ると、数人の選手が囲い込んできて、カウンターを狙っていた。

ただ、前節と違うのは、ただ横パスを繋いでボールを回しているだけでなく、藤原がボールを前に持ち運んだり、最終ラインの背後に蹴るなどゴールへ向かう姿勢が見えたのはポジティブだった。

しかし、この藤枝の素早い寄せを嫌ってか、両SBの立ち位置が少し低くなってしまっていたのが気になった。もう少し高い位置を最初から取れれば、SHへのサポートや鈴木の高い精度のキックを活かすこともできた。

そういう意味では、サイドの攻防では、序盤から素早い寄せやパスカットからのショートカウンターを見せた藤枝が心理的には優位に進めていたのかもしれない。

また、平河や沼田、途中出場のバイロンの積極的なサイドからの仕掛けからクロスを上げるところまでは行くけれど、ゴール前に行く選手には合わないというシーンが多かった。

もちろん、藤枝が、最終ラインの人数確保が速く、HVの選手が引っ張り出されてもすぐにCHの選手がカバーに入っていて、クリアされたり、ブロックされていたのもあるが、蹴る場所、タイミングがなかなか合わなかったのが気になった。

もう少し精度や練度を上げていく必要があるように思う。

ただ、藤枝のゴール前での守備の動きが整理されていたのは印象的だった。

興味深い藤枝の攻撃時の連動

一方、守備に関しては、GKも含めてビルドアップを試みる藤枝に対して、ゼルビアはまずは4-4-2のブロックを整え、デュークや藤尾のスイッチに合わせて両SHが連動する形で相手を妨害していた。

だが、藤枝は繋ぐことにこだわることなく、サイドや最終ラインの背後にボールを蹴り込んでくることも多く、ここは前半戦との違いに感じた。

また、単純に1トップの矢村のスピードを活かしてくるのはミンギュと藤原は対応に苦労していたように思う。

藤枝はこの矢村への斜めのパスを入れた時の動きがかなり整理されていた。

サイドから矢村にパスが入るとシャドーの選手が近い距離に走り込んできて、フリックで寄せてきたゼルビアのCBの逆を取ってきた。特に食いつきの良いミンギュがこの形に最後まで対応できておらず、藤原の方が今日は上手く対処できていたように映った。

ただ、シュートまで持ち込まれても両CBと福井を中心に無失点に抑えたことは、ポジティブな要素が少ない中でもポジティブであった。

J2秋の風物詩をどう乗り越える

J2の秋の風物詩と言えば、残留争いのチームが上位チームに対して引き分けでも良しとして、守備ブロックを固める光景である。また、秋以降は大味ではなく、締まった試合が増える印象がある。

ここ3試合のゼルビアも漏れなくこれに該当する。0-0の群馬戦、0-1の栃木戦、そして今節の0-0と守りを固めた相手を崩せずに3試合連続無得点。

エリキの離脱を痛く感じるのだが、いない選手のことを考えても仕方ない。いる選手でどうやって勝つか、これだけに焦点を当てるしかない。

残り試合、逃げ切るか、それとも追いつかれるのか。幸いにも自力ですべて決められる立ち位置にいるので、最後は笑って終わりたい。

試合結果

町田 0-0 藤枝

さいごに

シーズンも佳境に入ってきて、選手個々人の特徴も相手に完全に把握されてきた中で、特にSHの選手たちは苦しんでいるなという印象です。特に逆足配置の場合において。やはり、カットインしかないと思われて、縦に行けないとなると苦しいなと。

やはりその相手に対して突破していかないと結果が付いてこないような気も。これは守備も同様で、目の前の相手を止められないと失点0はないし。

そういう意味で、次の長崎戦は、まだプレーオフ圏内を狙っている相手も会って、いい勝負になるというか、ここで勝ちきれるかどうか、ホームでの長崎戦と同様に相手に無力さを、首位の実力を見せつけられるかどうかが鍵になりそうな気がします。


今節もお読みいただきありがとうございました。

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