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2024.4.27 FC町田ゼルビア vs ジュビロ磐田 マッチレビュー

前節は味スタでFC東京に勝利。昨年から大一番の次の試合に弱いチームですが、黒田さんから「気が緩んでいる」的な発言は見られないので、チームの雰囲気はどうなんだろうか。

連戦続きの5月に向けて、GW初日の一戦。昨年からピッチ内外で色々とあったジュビロ戦を振り返ります。

スタメン

ゼルビア:4-4-2
前節から継続。出場停止明けの柴戸をベンチに追いやっての宇野禅斗先発。
ベンチもおなじみの面々といったところだろうか。

磐田:4-2-3-1
前節はアウェイで福岡と2-2の打ち合い。そこからは3人変更。190cmのペイショットをトップに起用し、ジャーメインをセカンドトップに配置することで、ロングボールとハイプレスで試合をコントロールするゼルビアに対抗した形だろうか。

徹底 vs 徹底に屈する

昨年、お互いに魔境J2でしのぎを削った者同士、試合前からお互いにそれを意識するかのような発言が各媒体から出てきていた。それ自体は、非常に歓迎すべきことであるし、対戦相手が毎週のように対ゼルビアを意識した発言をしてくれるのは非常に嬉しい。

そんな訳で、お互い試合開始からバチバチ。空中戦やボールがあるとこ、ないとこでの争い。それに対するブーイング等々。

ゼルビアはスタンダードに4-4-2でロングボール中心。ただいつもと違うのが、ジュビロが完全にロングボールを受ける構えをしてきたので、最終ラインである程度動かしてから放り込みができなかった。無理に縦に刺して、相手に奪われるリスクを負うことをチームで良しとしていないので、極端にシンプルになってしまった。

ジュビロはターゲットのオセフンに対して、森岡が競ることが多かった。森岡はセフン相手に互角以上の勝率だったため、ここが誤算だった。ある程度ここで起点を作れないと槍2本がカタールにいる今のゼルビアは厳しい。

セカンドボールワークも上原と鹿沼の両ボランチが非常に近い距離で、ボールがこぼれてくるであろうエリアに2人とも立てていた。ジュビロはロングボールや、サイドアタックに対して、ブロック全体がピッチの縦半分に寄る、非常にコンパクトなブロックを準備してきたので、セカンドボール争いは完全にジュビロペースであった。

そのため、攻撃の起点が、左サイドの藤本の突破頼みになってしまい、攻撃のバリエーションに欠け、ペナルティエリア内でのシュートシーンがほぼなかった。

一方のジュビロの攻撃の形は、ある程度ゼルビアにボールを持たせた中で、セカンドボールを回収してからのカウンターか、ペイショットへのロングボール。特にカウンターは意図していて、ゼルビアの両ボランチの間や両CBの間が大きく空いていることを突くようなジャーメインのランニングがいやらしい。守備時4-2-4でブロックを構えることが多いゼルビアは、ボランチの守備範囲がかなり広くなってしまう。J2ではカバーできていた範囲でも、J1ではスピードも上がり、カバーが間に合っていないことが散見される。それを突くようなカウンターを用意し、確実に遂行してきたジュビロあっぱれ。

1失点目なんかは、広島戦の1失点目と流れ自体は同じだろう。CB間を割られるあの感じ。イボと昌子の経験値の高さが裏目に出たシーン。黒田イズムに染まれていない。これはJ1経験者を集めたが故の課題というか、完全な黒田イズムの体現者になり切れていない感。ミンギュだったらその前で潰してくれているだろうか。

セットした攻撃でもジュビロはこちらより一枚上手で、ジャーメイン、ペイショットのダブルターゲットなので、限定ができず、特にジャーメインはスピードを持って突破もしてくる。左サイドの平川は個人で状況を打開するタイプでないので、SBの上がりを使ったり、ボランチのサポートを使いながら効果的にアタックしてきた。特にSBが積極的に上がってくることによって、髙橋大悟が自陣深い位置まで押し戻されてしまうので、厳しい。これは後述するヘンリーアタックを発動する意味でも。

2点目を取って以降はゼルビアが一方的に押し込む形であったが、バイロンにはカットインを警戒して2人で外に誘導する。CBにはボールを持たせる。ボランチの距離感は近めでセカンドボールは絶対回収等々、ゼルビアの得意としている時間の進め方をそのまんまやってきた。

何本か枠内にシュートは飛んだものの、川島永嗣のセーブでネットは揺らせず。時間の使い方や味方への声掛け(スローイン時に自陣に戻させない味方への圧力が凄かった…)など、経験値の高さを見せるプレーも随所に見られ、まんまとしてやられた感。GKで勝ち点を取るとはこういうことだというのを見せられた。

ゼルビアは空中戦やセカンドボール争い、細かい身体のぶつけ合い、時間の進め方などにストレスを感じており、我々が徹底しないといけないところを相手が上回ってきた試合だった。

別に広島戦みたく、相手のプレーテンポが速すぎてやられたとかではないので、見てる側としてもストレスでしかなかった…いわきや栃木、秋田などJ2のライバルに苦戦したのと同じ形であった。

我々はJ1の舞台で徹底の徹底を体現しないと勝てないのに。

ヘンリーの使い方のすすめ

前節、FC東京戦から右サイドは髙橋大悟と望月ヘンリー海輝のコンビが継続。前節はヘンリーの駆け上がりから2点目を演出。結果が出たので、今節も右サイドは同じコンビを継続。

キックオフでは、右サイドのヘンリーに競らせるようなロングボールを蹴るなど、ヘンリーを起用している意味をしっかり示す。

だが、時間の経過とともに、ヘンリーをターゲットにするような形が減り、何なら前途のように、平川とSBに押し込まれる展開が続く。攻撃では、裏を使うのではなく、足下でのトラップやパスを求められるシーンが続き、まだそこの技術では一定のレベルに達していないので、エラーが連発。61分には鈴木準弥と交代になってしまう。

やはり、ヘンリーを効果的に使っていくには、前節も書いたが、スピードを活かして大外のレーンを駆け上がらせたり、サイズを活かしてロングボールやクロスのターゲットとして使うのが最も効果的だろうが、今節では試行回数が圧倒的に足りていなかった。

もちろん、ヘンリーには身体能力の高さだけでなく、足下の技術であったり、局面に合わせたポジショニングのような頭を使ってプレーすることはもう1つ上のステージに行くためには求められる。

対戦は無かったが、鳥栖の長澤シヴァタファリは良い手本になるだろう。同い年で186cmとサイズはあるが、足下もそこそこ使える。頭を使ったプレーもできる。SBは補強に失敗したポジションだけに、今シーズンはヘンリーの成長にかかっていると言っても過言ではないだろう。

試合結果

町田 0-2 磐田

さいごに

勝ちたかったなあ。最近勝ち負けが続いていて、チームとして不安定になっている。主力の代表離脱もあるから仕方がないけど、もう少し前へ前への圧力を強めたい。これは攻守において。プレスに関しても二度追いが無いし、お気持ちプレスになっている。ゼルビアは1stプレスが生命線なのに。ここら辺の2トップに対する思いは、黒田さんと一緒です。サボってるのか分からないけど。

ここに書いてある「○○感」ってやつです。有料なのではっきり言わないけど。

ということで再びの絶対に連敗できないマッチ。相手は柏。J2優勝セレモニーを目の前でやられたことが強く印象に残っている。あの時のメンバーは反則だろ…

ということで1カ月ぶりの野津田楽しみです。


今節もお読みいただきありがとうございました。

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