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2024.3.9 FC町田ゼルビア vs 鹿島アントラーズ マッチレビュー

前節は、名古屋とのアウェイゲームでJ1初勝利。きっとチームも自信をつけたことでしょう。ということで、今節の相手は鹿島。2018年の天皇杯での記憶が強く残っています。当時在籍通っていた高校がボールパーソンだったこと、戸高の巻いたシュートが印象に残ってます。

あとは2018年は、初めてJ1を意識できるようになるくらいの結果が出た年でしたが、J1との差はこんなにあるんだ…と思ったのも記憶に残っています。

それが数年たち、舞台はJ1に。ということで、振り返ります。

スタメン

ゼルビア:4-4-2
仙頭が出場停止明けで戻ってきた。指揮官の信頼の厚さを感じさせるメンバー。このタイミングで昌子がベンチ入り。

鹿島:4-4-2
関川と知念が欠場かも?的な情報はあったのでゼルビアとしてもサプライズという訳では無さそう。ただ、パレジが先発なのはサプライズかも。普通に藤井で来ると思っていたので。

ボールを持たせようとしてきた鹿島

ゼルビアの大枠として、オセフン目掛けてロングボールというのがあって、J2だった昨シーズンからゼルビアにあえてボールを持たせて、ラインを下げようと試みるチームはあった。

それを鹿島がやるのかと驚いた。

ドレシェビッチ、ミンギュのCBにはボール奪取を目的にしたプレッシングというよりは、受け手の柴戸や仙頭を背中で消すような1stディフェンス。SHが0.5列ほど後ろでツートップの両脇のレーンに立ち、SBへのパスコースを消しつつ、FWの脇を使わせないような立ち位置。黒田語で言う、「睨みをきかせる」ような形。ゼルビアにやり方は似ている。

ただ、これが意外とハマらなかった。

なぜならオセフンの空中戦勝率の高さ、もしくは中盤のセカンドボール争いで優位に立てたから。前者に関しては、関川の欠場の影響が大きいのだろうか。それにしても、植田相手にも全然やれるなと思った。昨シーズンからターゲットのところで最低でも空中戦で五分に持っていけないとゼルビアは厳しい。だが、今日は植田相手でもやれていたので、いけそうだと思った。

そして、中盤のセカンドボール争いのところ。海舟が目立つ展開にならなかったというのと、ゼルビアの選手がペナ幅の中で近い距離感に立てていたので、網のような効果があったと思う。

この網はネガトラも同じで、平河のゴールシーンに代表されるようにネガトラで即時奪回して、カウンター一発。正直、海舟は少ないタッチで前向くか、味方使って前向けないと厳しいな。カウンターでツートップと平河で突撃していく場面は何回もあったので、あと1点くらい決められるともう少し楽な試合になったと思う。

ただ、鹿島がゼルビアの土俵に上がって勝負しに来てくれたので保持のところはやりやすい状態だった。

既視感しかない鹿島

対戦相手の鹿島の監督はランコ ポポヴィッチ。ゼルビアの前監督だ。3ヶ年計画と銘打って、彼に3年託したが、結果は失敗であった。その3年は毎年同じメンバー、同じサッカー、同じ負け方。最後はチームがバラバラになってしまった。

このままでは鹿島も同じ道を進んでしまうのではないか。そう思ってしまった。よそのチームのことで余計なお節介なんだけど。

ビルドアップは中央固められると、手詰まり。ずっとブロックの外を回しているだけで、時間が過ぎてしまう感じ。これ見たことある。ただ、左SBの安西がレーンを横断しながら、ゼルビアの守備の基準点をずらした上でのサイドチェンジでゼルビアを撤退させるまでの流れは見事だった。ただ、これ意図したものかと言われたら微妙。でも、サイドチェンジは好む監督だからなあ。

サイドチェンジの精度や選手のピッチ内のアイデアはゼルビアにいた時と違うなと思った。ただ、ゾーン3でのアイデア不足というか、即興感は否めず。両サイドの低い位置からのクロスや降りてきた鈴木優磨の独力で何とかしていた。鈴木優磨は普通にゴール前にいた方が高さもあって怖いし、頑張りすぎで最後の方はガス欠してたような。

後半は、ゼルビアのプレッシングを受けても、運動量が落ちた仙頭-柴戸の両脇に人が立つようにすることで、ビルドアップの出口を作っていた。やっぱりあそこに自然にタイミング合わせて立てるのがJ1という事か。ただ、前半から膝を気にしていた仲間がHTで交代したことで、インサイドに立てる選手が減ってしまい、これも鈴木優磨がやっていた。

また、後半に津久井→名古という交代によって、海舟がCBになったが、その後もCFの選手をサイドに置いたりして様々なバランスを自ら崩すところも既視感があった。そして、70分、75分辺りからは最終ラインからゼルビアの採取ラインの背後へ、走らせるようなボールを放り込んできた。

正直、これが一番怖い。前節の名古屋も永井とユンカーを簡単に走らされるのが一番怖かった。しかし、まだ開幕当初でどのチームもキャンプから準備してきたことにまだチャレンジするフェーズだと思う。なので、試合の多くは、自分らの策を試し、70分あたりから、現実的な策として、背後へ蹴ってCBとのかけっこが増えた。ゼルビアのCB陣にスピードが無いので、これからも走らされる場面は増えそう。ファンデフェン欲しい。

ただ、不用意な形でボールを失えば、ゼルビアのカウンターになるし、自分たちのバランスも悪くなっているので、あまりよろしくないのではと思う。実際に、ゼルビアの判断、決定力のミスが多いだけで、藤尾、オセフン、平河の3人でカウンターに行けていたし。

ポポさんの在任期間は長くて2年だろうな。3年目はアイデア不足で詰む。そもそも1年持つか分からないが。樋口は一列前で使ってあげた方が良さそうだけど、知念の欠場、柴崎間に合わずでこちらとしては助かった。


試合結果

町田 1-0 鹿島
得点者:13' 平河悠

さいごに

やっとこちらの土俵に立ってくれるチームが来たというのと、その相手に勝てたというのが大きい。ロングスローの時に投げ手のところに1人立ったり、空中戦だったりセカンドボール争いで勝負してきたチームだった。こういう場合、徹底しきったチームが勝つ。秋田の吉田監督がよく言うやつ。

ただ、G大阪、名古屋に続いて、追加点が取れないのが悩み。1-0の勝利が美学としてあるけど、耐えられなくなる試合も増えるだろうし、質で押される試合もあるだろうから、今のうちに色んなところから点が取れるようにしておきたい。そういう意味では、ようやく流れの中から点が取れたことはポジティブだと思う。

あとは、バイロンの負傷が残念。ナサンホが負傷して、ただでさえ前線の駒が足りていない中で筋肉系だと長くなりそう。1人で局面を打開できるプレイヤーなので、チームとしてのやり方も変更を求められそう。代わって入った藤本はコンビネーション含めて、時間がかかりそう。どう活かせば良いのかのイメージが湧かないので、次節以降の人選含めて楽しみが増えました。

(安井が途中出場で難しい展開だったけど、身体張って鈴木優磨抑えていたの良かった。神戸戦まで続けて、メンバー入りして欲しい)


今節もお読みいただきありがとうございました。

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