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2020.12.6 FC町田ゼルビア vs 東京ヴェルディ

今回も感想文スタイルでお送りいたします。

そんなわけでやっと勝てましたわ。これが現状のできるベストの戦い方だと思いますよ。アクティブな守備で相手からボールを奪い、安藤、ジョンといった個でゴリゴリ行ける選手で敵陣侵入。セットプレーで敵陣に押し込むという理想的な戦い方じゃないですかね。

今回は岡田ではなく、ジョンを左SHに置いて、若狭を嫌がらせるような感じにした采配は良かったと思いますよ。結果論にはなってしまうけれど、普通に評価したいポイントの一つです。

カイナあたりの交代が遅れたのは山形戦での交代カードの切り方、タイミングを失敗したと指揮官自ら認識していたということの裏付けでしょう。


面白いくらいプレスにハマったヴェルディ

ボール保持志向のヴェルディ(永井思想)に対し、完全にボールを持たせることを許容したゼルビア。だが、ヴェルディが思い通りにパスを繋ぐことは許容しなかった。脚でパスコースを消す、スペースを消すというのを後半のラスト10分くらいまでは徹底できていた。これには両SHの貢献度が非常に高かった。3バックの両脇から左はWG、右はSBへのチェックまで一人で2人見ることも多かった。

時間帯によってはSBが最終ラインを飛び出し、その選手とデートに遊びに来ることもあったが、これは完全に前からプレスがハマった時のみだ。

前半のヴェルディは左SBの山本の左肩上がりの3バック+アンカーの藤田ジョエルでビルドアップ。だが、ゼルビアが中央をガッチガチにしていると分かると、左SBの山本を中央に配備し偽SB的な形に。J2では初めて見ましたわ。でもそれをやるタイミングが微妙でね、名指しでめっちゃ怒られてましたな。

前半はセットプレーで押し込む時間を作ることが多く、「これ決めなきゃ!」というシーンは多くなかったけど、誰がどう見てもゼルビアのペース。

後半はその山本に代えて福村。J2のアシストランキングでもかなりの上位にいるはずのレフティー。ちょっとヴェルディはやり方を変えてきた。

福村には偽SBのタスクは課さずに大外のレーンに配置。その代わりに左WGの井上が髙江の脇に降りてくる感じ。逆サイドも海舟の脇でボールをもらおうとする感じは同じだけどそこの選手は流動的。井出、森田、藤田の3人がその時の立ち位置や状況に合わせてかなり流動的だった。

そして面白かったのはゼルビアのCHの間でボールを貰おうとする動きがほぼなかったこと。これは一列後ろのエリアでアンカーが中央のレーンを使っているので被りを避けるため、トップの端戸がフリックするためにわざと空けてあると思われる。目的地を空けるというのは大事ですね。

しかし、ゼルビアのオールコートマンツーは前半同様に続き、ヴェルディのスイッチとなる縦パスも前を向かせず、ゴールに背を向けた状態で受けさせるに留めたことで、ヴェルディ側としてはイライラする展開が続いた。いわばゼルビアの作戦勝ちというか、最後の5連戦の最後でこれをやり続けた選手たちはお化けフィジカルだよ。すごいに尽きる。


個人戦術速攻と唯一良かった遅攻でのPK獲得

この試合はジョンが左SH、安藤が最前線でフィジカルごりごり重戦車系アタッカーを配置。一方のヴェルディのディフェンス陣は若狭、高橋、平と個人的には後ろ向きの守備が苦手なイメージ。だから相性は良かったと思う。これでステファンを使ってロングボールを使うような戦いを選択していたらこのような結果にはならなかったと思う。

で、試合はヴェルディがボールを握り最終的なボール支配率は65%という感じ(データ元はfootballlab)。かなり相手にボールを握られた中でゼルビアとしての戦い方は、前でハメてボールを奪い、ジョンor安藤の個人で突破という感じ。シュートで終われないならファウルを貰うかセットプレーに持ち込むなど、プレーを切って相手を押し込むと。今できる事としては一番堅実。ベター。

前半は上記のようなサッカーがハマり、わかりやすいゼルビアペースの内容だった。

後半はというとヴェルディが人もやり方も変えたからか少し混乱した我が軍。しかし66分に遅攻からPK獲得。まさかと思ったよね。だってウチの遅攻は相手にとっては絶好の奪いどころだからね。いつもビルドアップで自分たちの首を絞めて負けることが多かった。そんなゼルビアが水本の縦パスからポンポンとパスが繋がりPK獲得。PKじゃなかったら点が入ってなかったかもしれないけれど、結果点取れたから。

水本の縦パスは良く見られたけど、そこでエラーが起きることが多かった。でもチャレンジを辞めずに、シーズンの最終版だけどこうやって得点に繋がったのは感慨深いですね。

ボールを持つことを放棄したような試合だったけど、唯一ボールを持てた時間で得点に結びつけたことはチームとしての底力というか、ダービーの力というものを感じましたねえ。

まあ遅攻での課題は山積みですけど。


さいごに

やっぱ勝つことはいいですねえ。勝ち方も良かったしね。でもこれができるならもっと早くやれよと思っちゃうけど。やっぱり安藤がいないと無理なのかとかベストメンバーが揃わないと無理なのかとか考えてしまいますね。

次はホーム最終節ですか。そろそろ悲しいお知らせが増える時期ですけど耐えたいものですね。ラスト3連戦だし駆け抜けてもらいたいところです。


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