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2024.3.31 FC町田ゼルビア vs サガン鳥栖 マッチレビュー

代表ウィーク明けです。

試合前の時点で、4試合負け無し、J1でまさかの首位での一戦。
鳥栖さんとは公式戦初対戦。

それでは振り返ります。

スタメン

ゼルビア:4-4-2
スタメンは前節から変更なし。ベンチには古巣対戦となる荒木が今季初めて入る。

鳥栖:4-2-3-1
スタメンは前節から3人変更。「3」の両サイドは張らずに、内側のレーンに立つイメージ。古巣対戦となる、富樫敬真とヴィニシウス アラウージョはベンチスタート。(ゼルアル的にはヴィニがいてくれて安心)

鳥栖のビルドアップ時の攻防

鳥栖のビルドアップのキーマンは河原。彼にフリーでボールを持たれると最前線のマルセロ ヒアンをはじめ、前方へパスを通されてしまうので、河原にパスを入れさせないようにするゼルビアと、何とか河原に綺麗なボールを持たせたい鳥栖の攻防が面白かった。

ゼルビアはロングスローからの流れで、試合開始早々に先制。先制までは、藤尾が河原を背中で見るような形で、規制をかけていた。しかし、15分前後からベンチから修正が入ります。

ミンギュか仙頭の負傷のタイミングだったと記憶。

変更点としては、藤尾が背中で隠すのではなく、がっつり近い距離に立つイメージ。なので、鳥栖は河原にボールを入れるのではなく、山崎の脇に降りてきた福田にボールを入れて、ハーフレーンに立った菊池、長沼が空くので、そこから前進を試みるが、あまり効果的ではない。

鳥栖が前進で来ていたのは、ズレで河原が空いた時。藤尾が目を離したすきに、距離を取られていたり、流れの中で空いていたり。そうすると、前線のヒアンに走らせるようなボールをふわっと蹴って、ミンギュとの1vs1に持ち込んでいく算段。時折、上夷を経由したり、菊池を経由したりしていたが、起点は河原。

もちろん、藤尾も持ち場から離れる時は、後ろの柴戸にマークを預けるのだが、柴戸としても菊池や堀米、上夷を見たりしていたので、なかなかスムーズな受け渡しとはいかず。

鳥栖ビルドアップ時に難しい判断を求められる柴戸と鈴木

特に失点の場面は、ゲームの流れで河原が前線におり、2トップがハイプレスを見せた瞬間に降りてきた河原に縦パスを通され、ヒアンがゴール。ゼルビアとしては一番警戒していた形での失点。

もちろん、鳥栖もGKを混ぜながらボールを動かして、オセフンと藤尾を引き付けて、矢印を自分たちに向けた上で、その矢印をへし折るような縦パスだったので、ダメージは大きかったと思う。

失点後は完全に、CBとGKには持たせて、河原に自由に持たれないようにして、なるべくブロックの外で回させる風に動いていた。

その他にも、堀米が2度ほど、いつかの山形時代の山田康太にやられたような複数人抜きのドリブルを見せたりしており、ヒアンの背後へのランニングを含め、脅威だった。鈴木準弥の行く行かないの判断が曖昧になっていて、結局HTに交代させたので、セットプレーの怖さを減らすという意味でも駆け引きは面白かった。

ただ、菊池、長沼がハーフレーンに立って、ビルドアップの出口になるまでは良いが、その先どうするんだっけ、というところで未整備な感じも否めず。


明暗分かれたHTでの選手交代

ハーフタイム明けにゼルビアは鈴木準弥に代わり昌子が、鳥栖はアクシデントのあった上夷に代わり、富樫が入った。

ゼルビアは前途の、鳥栖のビルドアップに対する対応をはっきりするための3バックへのシフトが目的だったので、後半は河原にボールを入れさせない、ブロックの外で回させるのは許容。最終ラインの背後へのボールは3バック間で協力して、カバーとチャレンジ。

ヒアンのパフォーマンスが前半に比べて圧倒的に落ちたことで、脅威は半減。途中でヴィニが入ってくるも、彼はフィジカルで勝負するタイプではないので、投入直後の昌子がシュートブロックした場面以外は、あまり脅威にならずという感じ。

一方で、HT明けで富樫を投入した鳥栖は、富樫を右SHに近い位置に配置。その代わりに、長沼が左SBに入った。攻撃に特徴がある長沼なので、守備で穴になってしまった。

しかも対峙するのが、平河。分が悪すぎる。前途のようなゼルビアによるビルドアップの妨害や、藤尾、藤本、平河による執拗な背後へのランニングもあり、ビルドアップのミスや鳥栖の最終ラインの選手たちの足が止まり始めた。

そこを見逃さないように、「百戦百打一瞬の心」という感じで、平河がクロスを上げると中央でオセフンが合わせる×2

鳥栖としては、オープン耐性が無いのにも関わらず、HT明けで前がかりにしたばかりに、このような難しい展開に自ら持ち込んでしまった印象が強い。これが上夷→丸橋の交代であれば、ゼルビアとして難しい時間が後半も続いたかもしれない。

選択ミスと言ってしまえばそれまでだが、攻守のバランスを自ら乱してしまい、それに結果がついてこないと難しい。

鳥栖はスイーパー型のパクイルギュが最後尾に控えているので、ゼルビアのスピードのあるアタッカーに必要と背後を狙われ、それに対しての改善も見えなかったので、難しいなと思った。特にCBの強度不足というか、これまでのJ1のCBにあった屈強さに欠ける感じがした。

でも、HTでの選手交代は結構明暗分かれたと思う。

試合結果

町田 3-1 鳥栖
得点者:5' 藤本一輝
    34' マルセロ ヒアン
    54' オセフン
    57' オセフン

さいごに

ゼルビアとしては4連勝したものの、勝負は4月、5月なので、あまり手放しでは喜べないかな。連戦で広島、川崎、神戸、FC東京と川崎以外は苦手そうなチーム。特に広島と神戸には強度の高さのところでどれだけやれるか。

そして、これまで攻撃を牽引している藤尾と平河の代表での離脱も濃厚な状況。今のうちに勝ち点を稼いでおかないと、あっという間に降格圏に入ってしまうので、今のうちに勝ち点を摘んでおきたい。

ただ、藤本、セフンの得点、荒木の復帰などポジティブなニュースもあるし、これが続いていくようにできれば、賞金圏内、ACLも現実的になってくるのかなと。


今節もお読みいただきありがとうございました。

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